ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

歌集・もうちょっと生きる~三田三郎

2018-10-10 05:05:05 | 本の少し
もうちょっと生きる―歌集
クリエーター情報なし
風詠社

☆☆☆

歌集を売っている本屋が少ないので、大型店行けば必ず覗くようにして、
そこで、気に入った歌があれば、その詩集を買うようにしているのですが、
この本もその一冊。

帯にもあるように“シニックでブラックなユーモアに満ちた、気鋭の第一歌集”

死というものが常に傍にあり、それを遠ざけるでもなく近づくでもなく、
独特のユーモアの中で存在を意識している。

二十代のであるがゆえに許される、生と死。
老人であれば、生々しくて聞くに堪えない声が、
どこか微笑ましくきこえてくる・・・・・・。

いつものごとく、気になった歌を、少し・・・・・。

桜なんて散ればピンクのゴミだよと笑う僕らも死ねば生ゴミ

夕暮れに「幸せなら手をたたこう」が聞こえて僕は両手に荷物

安らかに眠れるほどの辞世の句作れないからまだ生きている

食べ放題・飲み放題で3000円泣き放題はプラス1000円

「難しい問題なので結論はすぐにでません」「とりあえず飲め」

(第一条)寝るなら帰れ(第二条)飲むなら起きて背筋を伸ばせ

帰り道ふらりとバーに寄るようにこの世に来たのではあるまいに

ゴキブリよ来るのはいいがこの部屋に友達だけは連れてこないで

悲しみを拾ってみれば何だこれただの大根おろしじゃないか

 ゴミ箱にビニール傘は突き刺され台風一過を見上げるばかり


コメント
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