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酔生夢死ってわけでもないけれど、、、日々雑感

青森県4泊周遊旅行④〔「界 津軽」編〕

2024年09月02日 | 旅行記

星野リゾート「界 津軽」に到着しました。

(ロケーション的には周りには何もありません。大鰐温泉郷の中心地からは少し離れた所にあります。)

星野リゾートには2022年に「星のや富士」「界 阿蘇」に泊ったことがあります。どの宿もご当地の個性を出していて、滞在中のホスピタリティには定評があります。

玄関のすぐ隣にある駐車場に車を停めて、宿の方に館内に案内していただきます。ロビーへのアプローチ。

(廊下の向こうにロビーの大きな壁画に描かれた山と月が見えます。)

と、この素敵な写真↑はネットから拝借したもので、実際はこんな感じ↓です。

(撮った時刻と技術の差ですね。(笑) それでもこの廊下を歩いているとこれからの滞在へのワクワクを感じます。)

ロビーです。

(見事な壁画。勝手な解釈ですが、山は岩木山の春夏秋冬、波は津軽の海を表わしているのではないでしょうか。壁画前は舞台になっていて、夕食後には界名物の「ご当地楽」として津軽三味線の生演奏があります。)

フロントやレストランなどがある棟。

(客室がある棟から撮っています。)

今回の部屋です。

星野リゾートにはグレードがあって、「星のや」シリーズが最高級、「界」はセカンドブランドといった印象があります。おそらくですが、「界」は、居抜きで既存の旅館・ホテルを買い取って、界のテイストに改装して営業していると思います。ということで、「界 津軽」の部屋はこんな感じでシンプルです。

(以前は和風旅館だったのかも。)

洗面所。

(部屋のお風呂は普通のユニット型で、温泉は大浴場利用となります。)

こちらは「界」に共通の風呂敷に包まれたアメニティ。

(大浴場に行く時にはこの風呂敷に必要なものを包んでどうぞ、ということなのですが、このまま持って帰りました。(笑))

「界 津軽」の室内装飾や小物類のデザインのベースにあるのは「こぎん刺し」。

(ベッドサイドの壁や障子のひし形の模様です。)

「こぎん刺し」は青森県津軽地方に伝わる伝統的な刺し子「津軽こぎん刺し」のこと。

(館内の読書コーナーにあった書籍より。)

江戸時代、津軽の農民は木綿の衣料を着ることが許されていなかったために、麻の着物を何枚も重ね着して寒さをしのいでいましたが、保温と補強のために、麻の布地の要所要所に木綿で刺子を施したことが「こぎん刺し」の始まりです。昨日訪れた仏ヶ浦で見た「裂き織り」と同じく庶民の知恵ですね。ちなみに、部屋のキーホルダーもこぎん刺し(のデザイン)。

(ずっしり重いキーホルダー。(笑))

部屋の障子を開けると、昔ながらの温泉旅館によくある縁側スペースあります。今は椅子も何も置かれていませんが。その外にテラスがありますが、羽虫が大量発生していて、ほとんど利用不可でした。

(テラスからの景色です。右下に見えるのは、大浴場の露天風呂の屋根。「かまくら」をイメージした作りになっていて、そのドーム型の屋根です。)

作務衣に着替えてさっそく大浴場へ。泉質はナトリウム塩化物・硫酸塩泉とのことで、ドーミーイン青森ほどのヌルヌル感はありませんが、肌がしっとりする感じでいい温泉です。大鰐温泉郷エリアだからか大鰐温泉と同じ泉質とのことです。

(ネットより拝借。内湯。浮かんでいるのはりんごで、収穫期なら本物のりんごが、それ以外の時期にはヒバで作られたりんごが浮かんでいます。今はヒバりんごでした。(笑))

こちらがかまくら風の露天風呂です。

(ネットより拝借。外には水庭があり、ねぷた灯籠が浮かんでいます。)

夜になると水庭は「黒石いろどりねぷた灯籠」として明かりが灯り、ご当地の雰囲気を一層醸し出します。

(ネットより拝借。冬期はここに雪が積もり、雪見風呂の贅沢を堪能できます。)

大浴場を出ると小さな湯上りコーナーがあります。

(ドリンクサーバーは、りんご酢とごぼう茶。右側の冷凍庫には湯上りアイスがあります。)

冷凍庫を開けて湯上りアイスをチェック。(笑)

(フルーツのシャーベットバー。ドーミーイン青森の湯上りアイスの方がバリエーションが断然豊富でした。(笑))

りんご酢やごぼう茶よりも、先程チェックしておいた、ロビーのドリンクコーナーの方が好みなのでそちらへ。

(ナッツ、マーブルチョコ、こんぺいとうのサーバーもあります。)

ドリンクは、「津軽ワイン」と、、、

青森の地酒と、、、

(さすがに「豊盃」は置いていない。(笑))

りんごジュース。

(2種類。明らかに味が違うのですが、説明ができません。(笑))

少しずつですが、全種類飲んでみました。(笑) 地酒の「八仙」が微炭酸で美味しかったのでおかわりを。りんごジュースもぐびぐびイケる感じで、滞在中ここを通るたびに飲んでいました。ロビーの奥には伝統工芸品のショップや読書コーナー、こぎん刺しの体験コーナーがあります。

(いつ来ても人がいないので、湯上りにはここに来て窓際に腰かけて涼んでいました。りんごジュース片手に。(笑))

ショップを覗いてみます。

(売場というよりは展示コーナー。誰もいないので見やすいです。)

驚いたのは、以前「界 阿蘇」でもらった「お湯印帳」が売り物だったこと。

(まさかの300円。宿から何冊でももらえるものだと思っていました。)

「お湯印帳」は御朱印帳のように、全国の「界」のオリジナルスタンプを押してもらう帳面。チェックインの時に渡しておくと、スタンプを押して滞在中に返してくれます。

(素敵なスタンプです。ちなみに、スタンプ集めをコンプリートしても何も特典はありません。(笑))

大浴場の内湯に浮かんでいたヒバりんごが売っていました。

(3300円! 高っ。)

大浴場への動線はとても便利なので、何度も浸かりに行きました。滞在数時間ですが、いくつか気付いたことがあります。部屋にタオル掛けがない、畳部屋なのに座布団・座椅子がない(小さなソファーはありますが)、テラスには羽虫が大量発生していますが殺虫剤がない(窓の桟に羽虫の死骸がごっそり積もったままになっていてちょっとキモイ)。温泉や宿の人がとても良いのでさほど気になりませんでしたが、妻と「ここってちょっとずつ何か足りないね。」と笑って話していました。

夕食の時刻は2択(17:00、19:30)。ちょうどいい18:30ってのがないので、遅めの方がいいので19:30にしました。

(レストラン前のねぷた。)

席の方は毎回変わりました。最初の夕食はちょっとオープン気味の席でした。

(座った席からの写メ。フレーム外右側で宿の人が行ったり来たりします。)

テーブルの初期セッティング。

(カラフルな箸置きに目が行きます。これは「津軽びいどろ」というガラス工芸品。)

「津軽びいどろ」は、漁業用浮玉の製法を応用して作られるようになったご当地のガラス工芸品で、青森のとある砂浜の砂を原料に加えたところ美しい発色があり工芸品として発展したとか。「北洋硝子」というガラス工房で手仕事で作られているそうです。

本日の献立。

(大間の鮪、黒にんにく、大鰐小鍋、けの実など、ご当地の食がずらりと並んでいます。これは楽しみです。)

飲み物の方ですが、万事そつのない「界」ですが、「界 阿蘇」に泊まった時にも感じた「界」の弱点がドリンクのレベル。ということで、慎重に選んで、津軽ワインにしました。

(青森県特産のブドウ「スチューベン」のワイン。左:ロゼ、右:白。白の色が濃いのがスチューベンの特徴だそうです。)

1日目・2日目の大遠征が遠い昔のことのように思える、ゆったりした夕べ。妻と乾杯して食事のスタートです。

■先付け:大間の鮪と雲丹のあられ和え(黒にんにく風味)

(黒にんにくの優しい香りと味のアクセントがほのかにして美味しい。長芋も使われていますが、青森県は長芋の生産量全国第1位だそうです。)

■煮物椀:鱧真薯(青紅葉麩、順才、茗荷)

(相性抜群の梅肉を仕込んた鱧の真薯、美味しいです。久々に食べる順才とともに夏を感じる御椀です。)

■宝楽盛り:八寸、お造り、酢の物

(桶の両サイドの小皿は、左:界オリジナルのだし醤油、右:黒にんにくをみじん切りにして加えた刺身醤油。)

 ・八寸:つぶ貝柔らか煮、ずんだ 黄身まぶし、トマトと海老の琥珀寄せ、炙り太刀魚寿司、オクラの和え物、海老と青菜の松風
 ・お造り:大間の鮪、二種取り合わせ
 ・酢の物:土佐酢和え 旬の恵み

お造りをアップで撮っておきます。

(大間の鮪の手前は、鯛とホタテ。黒にんにくの刺身醤油がクセになる美味しさ。黒にんにくをお土産で買いましたので、家でもやってみよう。)

■揚げ物:稚鮎の揚げ物、野菜の天麩羅

(稚鮎は春巻きの皮で包まれていますが、木の芽味噌が塗り込まれています。稚鮎のほろ苦さと木の芽味噌がバッチリ合います。)

■蓋物:湯葉饅頭の金目鯛包み

(トッピングの山葵が合います。)

■焼き物:大鰐小鍋、牛

(和牛の小鍋です。)

「大鰐小鍋」の大鰐とはもちろん大鰐温泉のこと。大鰐温泉と言えば幻の野菜「大鰐温泉もやし」。鍋の主役は和牛ではなく大鰐温泉もやしです。

(大鰐温泉もやし、昨年の人間ドックの後の博多での懇親会で初めて食べました。その時は博多の地で遠く東北の秘湯を想像しながらこの幻の野菜を食べていましたが、まさかその翌年、実際に大鰐温泉を訪れることになるとは。ちょっとした人生の醍醐味です。)

大鰐温泉もやしの登場に嬉しくなって飲み物のおかわりです。料理は最終盤ですので、軽くハートランドビールを。

(このグラスも津軽びいどろ。「界 津軽」がビールグラス専用にオリジナルで作ってもらったそうです。)

妻の方も飲み物を追加。りんごジュースの飲み比べ。

(少し飲ませてもらいましたが、全然違います。違いを説明できませんが(笑)、どれも美味しい。さすがりんごの本場、底の見えないりんご沼です。ちなみに、「本日のりんご」は大鰐町のりんごを使ったジュース。)

■食事:けの実土鍋ごはん、留椀、香の物

(こちらも「界 津軽」オリジナルのご飯用土鍋。蓋のデザインはまだ雪が残る初夏の岩木山をイメージしていて、冬期には雪がもっと積もったデザインの蓋が使われるこだわりよう。)

蓋を開けると中はこうなっています。

(「けの実」とは郷土料理「けの汁」の具を使った炊き込みご飯という意味。昔、白米が貴重品だった頃、米粒がほとんど入っていなかったお粥=「粥の汁」がなまって「けの汁」となった、とのこと。)

けの実ご飯と大鰐温泉もやしで仕上げます。

香の物の器がかわいい。

(かまくらのイメージですね。)

■甘味:界津軽特製りんごの淡雪チーズ

(クリームチーズケーキ、りんごチップス、りんごのシロップ煮。美味しい!)

これで本日の夕食のコースは終了。適量かつ美味しかったです。私たちのテーブルを担当してくれた宿の人もとてもいい方で、楽しい夕食になりました。タレントの王林さんと同じイントネーションの話し方が更にご当地感を添えてくれました。その宿の人が私たちとの会話の中で察してくれたのか、今日立ち寄った「大正浪漫喫茶室」に置かれていた「弘前アップルパイガイドマップ」と大鰐温泉の観光ガイドパンフを持って来てくれました。そして、超重要情報、「私の好みですが、弘前のアップルパイでナンバーワンは『アンジェリック』だと思います。」と教えてくれました。私たちがりんご(アップルパイ)沼の縁に立った瞬間でした。(笑) ごちそうさまでした!

庭の池では津軽びいどろの浮玉が優しく光っています。

(ライトアップ全体の景色よりも、色とりどりの津軽びいどろの浮玉1個1個の美しさに惹かれます。)

この後は「界 津軽」の「ご当地楽 津軽三味線生演奏」。21時から20分、ロビーの舞台で行われますので、観に行きます。

(実際に観て初めて知りましたが、プロが独奏するわけではなく、宿の人も混じっての生演奏です。真ん中の人は私たちの夕食を担当してくれた人ではないだろうか。)

真ん中の人がMC役。「界 津軽」にはレベル差はあるものの津軽三味線を弾けるスタッフが30名いて、ご当地楽では、プロ・そこそこ弾ける宿のスタッフ・1曲だけ弾けるデビュー間もない宿のスタッフ、という3名構成。写真一番左の方がデビュー間もない方で、最初の1曲以外はまだ弾けないので、1曲目終了後、会場からの拍手に送られ退席します。その後の曲は2名構成で演奏。

(左の方が手を休めているのは、演奏曲で難しい箇所はプロの独奏となるため。)

確か4曲くらい演奏があったと思いますが、そのうちの1曲「アイヤー節」はご当地の祝い唄で、実は、熊本県牛深の「ハイヤー節」が北前船に乗って津軽に伝わり、「ハイヤー」がなまって「アイヤー」になったという九州と縁のある曲でした。交易による文化の伝播の力には驚くばかりです。

生演奏が終わると、津軽三味線の「演奏体験」が舞台上で行われます。私たちは部屋に戻りましたが、参加者が結構いてなかなか盛況でした。この後、部屋で小休憩して本日最後の温泉へ。誰もいない露天風呂から見る水庭のねぷた灯籠の風情は最高でした。

さて、翌朝です。

(起き抜けの温泉の後、ウッドデッキからの1枚。朝の空気は涼しくて快適です。)

朝食は8時半からですので、もう一度温泉に浸かりに行きます。

(雑木林の向こうから陽が昇り始めました。昨晩部屋の窓にびっしりいた羽虫もどこかに消えてテラスに出ることができました。)

改めて部屋に置かれた宿の説明書きを読むと、スマホで大浴場の混雑状況を見ることができます。

(便利です。滞在中何度か確認しましたが、「笑顔」以外のマークになったことはありませんでした。(笑))

風呂上がりに宿泊棟のフロアをぶらぶら。廊下の飾り棚のオブジェがヒバりんご。

(1個3300円。(笑))

朝の時間をゆっくり過ごして朝食へ。

(ここを右に曲がるとレストラン。)

朝食の献立。

(おっ、「貝焼き味噌」があります。)

「界」の朝食は大きなお盆で出てきます。あとは、火を使う小鍋、焼き立てを出す焼魚という感じです。

(味噌汁は温泉水で熟成したご当地の白味噌。関西の甘い白味噌とは違って、普通の合わせ味噌の味に近いです。)

豆腐とヨーグルトのグラスは津軽びいどろ。

(津軽びいどろ、爽やかな感じでいいですね。琉球ガラスと景色が似ています。)

そして、「貝焼き味噌」。

(作り方は一昨日(2日目)下北半島の「みそ貝焼き」(語順が微妙に違う(笑))の「なか川」で実践済みですので慣れたものです。「界 津軽」の方はホタテ貝メインで他の具材は添えられている程度。)

小鉢の料理も美味しくて2人とも完食。ごちそうさまでした。朝食後は部屋に戻ってのんびり。温泉に浸かりに行ったりしてゆったりした時間が流れます。今日は連泊の中日ですので、一日部屋でゴロゴロしていても良いのですが、昼食がてらプチ観光に出かけます。当初のプランもありますが、昨晩の夕食の時に宿の人にもらった大鰐温泉の観光パンフを参考に「大鰐温泉駅」にも立ち寄ってみることに。

そして、もらったもうひとつのパンフ「弘前アップルパイガイドマップ」。

(パンフを開いたところ。弘前はアップルパイの聖地か。)

弘前のアップルパイでナンバーワンと宿の人が言っていた「アンジェリック」を探して訪ねてみようと思います。

 

・・・・・青森県4泊周遊旅行⑤〔「界 津軽」連泊中日、4日目プチ観光(田舎館村、黒石)編〕へ続く。

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