【わんちゃんの独り言】

毎日の生活の中で見たこと、聞いたこと、感じたこと、思いついたこと等々書き留めています
(コメント大歓迎デス・・・・・)

戦争を詠む 朝日新聞朝刊朝日歌壇より2023-6-25~7-2~7-9~7-16

2023-07-19 | 日記
選者は佐佐木幸綱さん、永田和宏さん、高野公彦さん、馬場あき子さん。

佐佐木幸綱選
見えないと無いのと同じことに成るはだしのゲンが消えた教材(筑紫野市)二宮正博
ウクライナと日本の子らの共作の画布に押される小さな手形(横浜市)田中 廣義

永田和宏選
武器供与すればロシアの民が死にせねばウ国の民が死ぬ 嗚呼(朝霞市)岩部博道
死と隣り合はせの人等(ら)を遠く見て「ウクライナ疲れ」と緩(ゆる)く言ふのだ(京都市)森谷弘志
核ボタン運ぶ鞄も来日す目立たぬやうに被爆の地へと(西条市)村上敏之
これが現実 スーツ姿の首脳らがブーツにシャツの一人を囲む(大和郡山市)四方護
反戦と反核を説き帰路につくゼレンスキーの三十時間(千葉市)愛川弘文
「核のなき世界をめざす」と言うけれど「核を捨てる」と誰も言わない(朝霞市)岩部博道
メルケルの言葉の重み増す世界「人道の罪に時効は無い」(亀岡市)俣野 右内
★アウシュビッツ解放70周年記念の会でのメルケルの発言。現在のウクライナ戦争も然(しか)り。2019年12月11日朝日新聞「アウシュビッツ、ドイツ人に責任」メルケル氏が初訪問:朝日新聞デジタル (asahi.com)こちら
ドニプロと呼ばれるようになってからドニエプル川戦火の中に(東京都)十亀弘史
★ドニエプル川:ロシアから始まって、ベラルーシを経てウクライナに流れ黒海に注ぐ川である。総延長は、2,285km。

高野公彦選
首脳らは悲痛な面(おも)で歩み出る原爆資料館のExit(出雲市)塩田直也
核の無き世界を論ずるサミットで核のボタンの真黒き鞄(観音寺市)篠原俊則
資料館見て献花してなお核を減らそうだけのG7宣言(アメリカ)大竹幾久子

馬場あき子選
黒い雨また降らすのか人類は山椒魚は憂鬱になる(筑紫野市)二宮正博
★井伏鱒二の「山椒魚(さんしょううお)」や「黒い雨」の歎(なげ)きを思い出させる。
脱穀の今盛りなり麦畑ウクライナへの想いいや増す(三鷹市)吉松英美
追憶はガ島の青春銃弾が入ったままの父の太もも(下呂市)河尻 伸子
★ガ島の戦いこちら
開戦の罪を忘れて終戦を記念日として銀シャリを食う(吹田市)太田昭
まぼろしの傷痍軍人辻に立ち戦なき世は来たかと問ひぬ(東京都)嶋田恵一

『天声人語 米国からの100通』
1990年代の初め、湾岸戦争が終わったばかりのころだ。高知市に住む、ある男子高校生の投書が米国の新聞に載った。日本はなぜ、自衛隊を戦争に派遣しないのか。「日本には憲法9条があるからなのです」。そんなことを説明する内容だった▼この投書のことを知って、思った。あれから30年余り、彼はどうしているだろうか。いま、日本の安保政策は大転換しつつある。彼ならば、どう言うだろう。先月、高知市を訪ねてみた▼きつく曲がりくねった坂の上に、彼の通った土佐塾高校はあった。教諭の島内武史さん(62)によると、投書のことは「語り継がれている」そうだ。ただ、彼はもう、いなかった。医学の道に進んだが、10年ほど前に早世したという▼驚いたのは、米国から100通を超える手紙が届いていたことだ。当時の反響をまとめた冊子を見せてもらった。「米国にも平和憲法があればいいのに」「日本の政治について教えて欲しい」。日米の若者が平和を追い求め、やりとりを重ねていたことに胸が熱くなった▼シカゴ郊外の高校生が、こんな言葉を紹介していた。「真に問われるのは戦争を始める能力ではなく、戦争を回避する能力である」。時を超え、いまにも通じる問いのように思えた▼東京に帰る飛行機で、しばし考える。日本の防衛費は急増し、専守防衛の原則も揺らいでいる。それなのに、先の国会での議論は、結論ありきでなんとも薄っぺらくはなかったか。眼下の太平洋が白くかすんでみえた。朝日新聞朝刊:第一面2023-7-15

朝日川柳 山丘春朗選 課題「帽子」
学帽を軍帽に替え国破れ(埼玉県 宮入健二郎)
★八月近し。
2023年7月18日朝日新聞朝刊八面


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
過去に目を閉ざす者は、現在にも盲目となる(F3-76) (里山の風)
2023-08-01 12:24:33
この言葉は当時のドイツ連邦共和国のワイッゼッカー大統領がドイツ敗戦後40周年(1985年5月8日)での国会で演説したことばである。
ナチスドイツの人道及び戦争犯罪を認めた言葉として有名です。私はドイツ人自身が認めたことに、私は深い意味があると感嘆していました。
朝日歌壇にも「メルケル首相の言葉の重み増す「人道の罪に時効はない」(亀岡市の俣野さん)と紹介されていますが、「戦争犯罪及び人道に反する罪に対する時効不適用に関する条約」(戦争犯罪時効不適用条約)は、ニュルンベルグ国際裁判を経て、国連が議決(1946年2月13日、1968年11月26日)したものに、よるもので、メルケルさんはそんなことは言っていないのである。メルケルさんは、2019年12月11日にポーランドのアウシュビッツ記念館を訪れ、「ドイツ人は犠牲者に対して責任がある」、「この歴史の解決を変えてはならない」と・・・・過ちを認める発言をしているのである。
戦争を詠むシリーズで紹介されている朝日歌壇の投稿者にも、日本人として、過去の過ちを認めた言葉が極めて少ないのは残念である。・・・政府や国会議員等も含めて、過ちを認めることを、避けているのである。
そのことは、広島原爆記念碑の碑文の言葉「安らかに眠ってください過ちは繰り返しませぬから」について、「日本が過ちを犯したかのような文言となっており改めるべきではないか」・・・という一部勢力や国民の方が依然として存在していることを、忘れてはいけません。
8月に入り、原爆の日や終戦の日を迎えますので、マスコミ等、間違った報道、シグナルを送らないよう願っています。
返信する
里山の風さん こんばんわ~~ (わんちゃん)
2023-08-02 18:37:57
「日本が過ちを犯したかのような文言となっており改めるべきではないか」・・・
わんちゃん的には「否」でございます。
返信する

コメントを投稿