ヒガンバナ(彼岸花)ヒガンバナ科
京都府立植物園:2013年9月22日
京都府立植物園の園内で北山門から入ったところの椿園の周りのヒガンバナはショボイ!
何故かと言うと、ヒガンバナにとって適地じゃないって・・・
フツー彼岸花って、たくさん植えたんじゃなくって1球か2球植えたんがドンドン株分けして束になって育っていく、そういうモンなんです。
椿園の傍のはもうかれこれ10年ぐらいになりますがそういう風にはなってない、っということはおそらく適地じゃない、光が足りないんだと、考えるワケです。
ヒガンバナは増えやすいのですがそれは何故?っというと、三倍体になっている、フツーの植物は二倍体、染色体が一対、お父さんからもらった染色体と、お母さんからもらった染色体があって、それが対になって種を作るっということをするんですが、ヒガンバナは突然変異でもう一対で三対あるんです、そうなると、正常に交配して種が出来なくなります、まったくできないわけじゃないですけど、出来ないんです、そのかわり、ヒガンバナは球根で増やすっという能力を持っています、非常に強い能力を持っていますよ。
フツーは球根植物だと、ウイルスという病気にかかって上手く育たなくなることが多いんですが、おそらくヒガンバナはそのウイルスに対する耐性がある、ウイルスにかからない、ある意味では非常に大事な資質を持っていますね。球根でドンドン増えていく、物凄く丈夫な植物です。
田んぼの畦に行くと今は真っ赤、二倍体の、つまり種のできるヒガンバナは無いのか?っというと、じつはあるんですよ、中国に行くと場所によってはヒガンバナの群落の中で1割~2割ぐらいのタネの成る個体があると言われています、つまりそれは二倍体の個体なんです。
それをコヒガンバナ(小彼岸花)と呼んでいます、実際に三倍体になると草丈は大きくなります、コヒガンバナは小さいです、せいぜい膝丈ぐらいまでです。
(園長さんちのお庭にはコヒガンバナがあるそうで花期は1週間以上早い、フツーの彼岸花が咲くころにはもう散って種になってるとか・・・)
中国から選んで三倍体のヒガンバナだけを持ち帰ったんじゃなくって、おそらく二倍体のも三倍体のも混じって持って帰ったんじゃないだろうか?っと。
二倍体の方が弱くって三倍体の方が丈夫で、それだけが残り全国に広まったという・・・
その中で一番最初に中国から日本に持ち込まれたという九州には数は少ないのですが種のできる、つまり二倍体のコヒガンバナがあります、専門家の間ではヒガンバナの種を採ると言うのは貴重なんで、大事にされてます。
また、三倍体の中にでも一万分の一ぐらいの確率で種が出来るっと言われています、一万分の一って膨大な数のように思われがちですが、田んぼの畦をバァ~ンと見てたら一万株以上は咲いてますよ、丁寧に探すと田んぼの畦のヒガンバナの群落の中にも10個や20個はあるはずなんですよね、するとまた、珍しいヒガンバナが出来るっと・・・
ところでヒガンバナの白花って無いんですよ、白花のヒガンバナは今まで見つけられたことは無いっ!!
昔にギントウカ(銀燈花)という名前で園芸誌には載ってるんですが、それが本当にヒガンバナの白花かどうかちょっと疑問視するところがあって、少なくとも白花のヒガンバナは現存はしてないっ!!
白花のヒガンバナをもし見つけられたらコレは儲かりますよ~~ぜひどっかで見つけてください。
フツーは赤い花というのは、白に変わりやすい、すごく変わりやすい、赤色を出す色素はちょっとしたことで白に変わってしまう、黄色い花の色素は白に変わりにくい、コレは色素の組成が違うからです、赤の色素は変わりやすいんだけど何故かこのヒガンバナはそういう白のヒガンバナが出てこない。
「ちょっとちょっと、白いヒガンバナってあるじゃないですか」って言われますが、真っ白じゃないんですよちょっと黄色っぽくなってる、あるいは、ピンクがかってる・・・
実は種のできる系統のコヒガンバナというヒガンバナのタネができる系統と黄色い花の咲くヒガンバナの交雑してできたリコリス・アルビフローラという種類で別種なんです。
真っ白のホントのヒガンバナの変わりモノっというのは無いんですよ。
たまに田んぼで白いヒガンバナが咲いてるよって言われるんですが、ソレはだいたい除草剤がかかってしまったモノか?
秋にどっか行かれたとき白いヒガンバナはないかな?っとぜひ見つけてください、あったらスゴイことですから・・・
っと、京都府立植物園の長澤園長はヒガンバナについて以上のようにおっしゃったのですが・・・
すると・・・わんちゃんちの庭で咲いてる白いヒガンバナは?白花のヒガンバナじゃないんだ・・・
2013.9.22
2013.9.20
けいはんな記念公園 2013年9月25日
今日の木津川市植物同好会の植物観察会(けいはんな記念公園)でH先生が
「ヒガンバナってものすごう毒があるんですけど人間の住んでるところしかないですね、というのは人間が飢饉に備えて植えたモノがたくさんあるんですよ、毒があるのにどないして食べるんや?まともに食べたらイッパツに死んでしまいます、根茎をつぶして粉にして水で晒して晒して晒して毒抜きして、そしてデンプンだけ採ってソレを団子にして食用にした・・・」っと、お話しされました。
後から聞いたことですが昔(明治から昭和初期)は、このデンプンを製造する会社もあったとか。
【おまけ】
ヒガンバナ:マンジュシャゲ
湯川幸子
茎を交互に折った クサリで
耳飾りや 髪飾り
花束かかえた お姫さま
このまま お家に帰れない
火事になったら 困るから
遠回りして帰りましょ
↑ 野遊び 雑草の詩
わんちゃん
「何で火事になるのですか?」
「それはね、真っ赤な花だから昔は火事花って呼ばれてたんよ」
ヒガンバナ もっと詳しくは ➱彼岸花(ヒガンバナ)特集:熊本国府高等学校
彼岸花、昔から好きですね。燃えるような赤色、田んぼの畔や川岸に群れになって咲くところ、独特の雰囲気があります。
毒を持っているのは、民俗学者の記事で読みました。貧しい村では飢饉の時、ソテツと同じで何度も晒して毒を抜くという話です。毒を持っているだけにますます、あやしい魅力が加わったという感じです。マンジュシャゲというのはインドのサンスクリット語(梵語)からきているというそうです。かっこいい発音ですね。
それにしても染色体の3倍体とか、ためになりましたが、難しい話ですね。それにどう見ても白い曼珠沙華にみえます。
もう治りましたでしょうか?
お大事に・・・
「ウチの庭には白と赤の彼岸花が揃い踏み」っと、自慢だったんですけど・・・
「戦時中の食糧難の時に兄と一緒に彼岸花の球根を町まで売りに行ったことがあったのよ」っと少し年上の友人がお話しされてたことがありました、俄かには信じがたく思ったモンでした。
花のしくみは、専門用語などぞろぞろ出てくるとです