2ヶ月半前に熊本や大分を襲った大地震。大分はもちろん、日本でもトップクラスの温泉地である別府市も、震度6弱という大きな揺れに見舞われました。とはいえ、幸いなことに別府ではこれといって被害らしい被害はありませんでした。
別府にとってむしろ深刻だったのは、地震後の観光客の減少でした。地震の直後も、宿泊施設などは通常通り営業していたにもかかわらず、地震後の8日間で推定約11万人もの宿泊キャンセルが出て、13億円以上に上る経済的損失が発生したといいます。
このピンチを打開し、別府温泉は元気に営業中であることをアピールしようと別府市が製作し、先月(6月)の20日に公開したCM動画が、ネットでちょっとした話題になっているという記事が、BuzzFeedニュースに掲載されていました。
温泉地・別府が地震で激減した客呼び戻すCMを公開 女将も一肌脱いだ(BuzzFeed NEWS) *リンク切れの節はご容赦を。
全部で14ヴァージョンあるそれらのCMを、わたしもYouTubeで視聴してみました。いやー、これがやたらめったら面白くて面白くって。市長さんはじめ、出演しておられるのは皆さん、地元の方々だそうです。
『別府温泉の男達』CM動画フルバージョン
(動画タイトルは「男達」となっておりますが、「女将達」や「子ども達」「アヒル達」などの全14ヴァージョンをまとめた総集編であります)
ちょっと人を喰ったユーモアに溢れたそれらの動画に大笑いしながらも、どこか胸が熱くなるのを感じました。「ツラいときこそ笑え!」という別府観光の立役者・油屋熊八精神(?)を遺憾なく発揮した心意気に大拍手したい思いがいたします。
半年前の1月に出かけたばかりのわたしなのですが、また無性に別府に出かけたくなってまいりました。夏休みは難しそうですが、また必ず出かけようと思っております。
別府市のCMのような面白さやセンスはまるでないのですが(汗)、「第二の故郷」と言い切ってもいいくらい好きな場所である別府を微力ながら応援したい!ということで、当ブログではこれからしばらく、これまでわたしが別府で訪ね、味わってきたオススメの名所や穴場、そして美味いものを一つずつ取り上げてご紹介する記事を上げていきたいと思います。こんどの夏休みはもちろん、それ以降に別府へ出かけようという皆さまに、少しでもご参考になれば幸いです。そして、出かける予定のない皆さまが、これらの記事を目にして別府へ出かけてみようという気になっていただけたなら、これ以上の喜びはありません。
なお、記事中に掲げる写真はすべて、わたしがこれまで別府に行ったときに撮ってきたものであります。また、それら写真と紹介文の内容は、過去に当ブログにて綴った別府旅のご報告とかぶるところがございます。どうぞご容赦くださいませ。
第1回は何を取り上げようか迷いましたが、やっぱりつかみは美味いものでいこう、ということで、ご当地発祥の「とり天」と並んで別府を代表する味覚である「別府冷麺」を取り上げることにいたします。
別府冷麺は、戦後に旧満州から引き揚げてきた料理人により、朝鮮半島で食べられている冷麺を日本風にアレンジしたものがルーツだといいます。今では冷麺専門店をはじめ、焼肉店やラーメン店、食堂、居酒屋など、市内の各種飲食店で気軽に食べられている、別府のソウルフード的料理となっています。
麺はもっちりした食べごたえのものとシコシコした歯ごたえのものに、スープはしっかり系とさっぱり系に大別されるなど、トッピングを含めてそれぞれのお店ごとの個性や工夫があるようですので、いろいろと食べ比べてみるのも一興でしょう。
わたしが別府に来ると必ず立ち寄って食するのが、焼肉と冷麺のお店「アリラン」の別府冷麺であります。場所は別府駅から歩いてすぐのところにある、海門寺公園のそば。1950(昭和25)年創業の、別府冷麺黎明期からの老舗です(営業時間は11:30〜13:30LO、17:00〜23:00LO)。

ここの別府冷麺は、そば粉が入ったつるつるシコシコ麺に、魚介系のあっさりしたスープ。トッピングには、自家製のキムチとチャーシュー、そして櫛形にカットしたゆで卵が乗っかります。

イリコだしをメインとした魚介系のスープは、さっぱりしていながら旨味も効いていて、つるつるシコシコの麺に良く合います。ひんやりとした麺とスープがノドを通る爽快感は格別ですし、トッピングされた自家製キムチの辛味と酸味も相まって、蒸し暑い夏でも食が進むこと間違いなしです。また、寒い時期には温麺を食してみるのもいいでしょう。
通常の冷麺のほかには、選べる辛さのビビン冷麺もあります。わたしは2辛をチョイスしてみましたが、唐辛子の辛味もキツくはなく、これまた食欲をそそってくれました。

冷麺で名高いお店ゆえ、冷麺のみを食べに来られる方も多いようですが(わたしも一番最初に立ち寄ったときにはそうでした)、もしふところと胃袋に余裕がある皆さまは、ぜひ焼肉をご賞味いただくのもオススメしたいところです(ちなみに別府は、焼肉店の激戦区でもあるのです)。
地元大分産の上質な牛肉や豚肉は柔らかく旨味たっぷり。中でも牛ホルモンのとろけるような甘さと旨味は最高で、夜はもちろん真っ昼間であっても生ビールがぐびぐび進んで進んでもうリンダ困っちゃう〜、ということになるのであります。

わたしはチシャも一緒に注文して、焼いた肉をそれでくるんで食べたりもしたのですが、チシャについてくる特製辛味噌がまた美味くって。それでより一層、食もビールも進んでしまうのであります。そうやって焼肉とビールをたっぷり堪能したあとに、シメにいただく冷麺が、またたまらなく格別なのですよ、ふふふ。
皆さま、「アリラン」に出向く際にはどうぞ胃袋は軽く、財布は重めにして、「食都別府」を心ゆくまで堪能してみてくださいませ。
アリランのそばにある海門寺公園には、市営の共同浴場「海門寺温泉」も隣接しております。

「お湯かけ地蔵」が入り口近くに立つこの温泉、バリアフリーでシャワーも備えた近代的なつくりながら、地元の方々も憩う浴場内の雰囲気は古き良き共同浴場そのまま。ここでひとっ風呂浴びて汗を流したあと、「アリラン」で生ビールと焼肉、そして別府冷麺を楽しむというのもいいものです。
また、「アリラン」の真ん前には、テレビのバラエティ番組で取り上げられたこともあるという「腰掛けているように見える立木」もありますので、そちらもどうぞお見逃しなく。

*店舗などに関する情報は、2016年前半の時点に基づいたものとなっております。
別府にとってむしろ深刻だったのは、地震後の観光客の減少でした。地震の直後も、宿泊施設などは通常通り営業していたにもかかわらず、地震後の8日間で推定約11万人もの宿泊キャンセルが出て、13億円以上に上る経済的損失が発生したといいます。
このピンチを打開し、別府温泉は元気に営業中であることをアピールしようと別府市が製作し、先月(6月)の20日に公開したCM動画が、ネットでちょっとした話題になっているという記事が、BuzzFeedニュースに掲載されていました。
温泉地・別府が地震で激減した客呼び戻すCMを公開 女将も一肌脱いだ(BuzzFeed NEWS) *リンク切れの節はご容赦を。
全部で14ヴァージョンあるそれらのCMを、わたしもYouTubeで視聴してみました。いやー、これがやたらめったら面白くて面白くって。市長さんはじめ、出演しておられるのは皆さん、地元の方々だそうです。
『別府温泉の男達』CM動画フルバージョン
(動画タイトルは「男達」となっておりますが、「女将達」や「子ども達」「アヒル達」などの全14ヴァージョンをまとめた総集編であります)
ちょっと人を喰ったユーモアに溢れたそれらの動画に大笑いしながらも、どこか胸が熱くなるのを感じました。「ツラいときこそ笑え!」という別府観光の立役者・油屋熊八精神(?)を遺憾なく発揮した心意気に大拍手したい思いがいたします。
半年前の1月に出かけたばかりのわたしなのですが、また無性に別府に出かけたくなってまいりました。夏休みは難しそうですが、また必ず出かけようと思っております。
別府市のCMのような面白さやセンスはまるでないのですが(汗)、「第二の故郷」と言い切ってもいいくらい好きな場所である別府を微力ながら応援したい!ということで、当ブログではこれからしばらく、これまでわたしが別府で訪ね、味わってきたオススメの名所や穴場、そして美味いものを一つずつ取り上げてご紹介する記事を上げていきたいと思います。こんどの夏休みはもちろん、それ以降に別府へ出かけようという皆さまに、少しでもご参考になれば幸いです。そして、出かける予定のない皆さまが、これらの記事を目にして別府へ出かけてみようという気になっていただけたなら、これ以上の喜びはありません。
なお、記事中に掲げる写真はすべて、わたしがこれまで別府に行ったときに撮ってきたものであります。また、それら写真と紹介文の内容は、過去に当ブログにて綴った別府旅のご報告とかぶるところがございます。どうぞご容赦くださいませ。
第1回は何を取り上げようか迷いましたが、やっぱりつかみは美味いものでいこう、ということで、ご当地発祥の「とり天」と並んで別府を代表する味覚である「別府冷麺」を取り上げることにいたします。
別府冷麺は、戦後に旧満州から引き揚げてきた料理人により、朝鮮半島で食べられている冷麺を日本風にアレンジしたものがルーツだといいます。今では冷麺専門店をはじめ、焼肉店やラーメン店、食堂、居酒屋など、市内の各種飲食店で気軽に食べられている、別府のソウルフード的料理となっています。
麺はもっちりした食べごたえのものとシコシコした歯ごたえのものに、スープはしっかり系とさっぱり系に大別されるなど、トッピングを含めてそれぞれのお店ごとの個性や工夫があるようですので、いろいろと食べ比べてみるのも一興でしょう。
わたしが別府に来ると必ず立ち寄って食するのが、焼肉と冷麺のお店「アリラン」の別府冷麺であります。場所は別府駅から歩いてすぐのところにある、海門寺公園のそば。1950(昭和25)年創業の、別府冷麺黎明期からの老舗です(営業時間は11:30〜13:30LO、17:00〜23:00LO)。

ここの別府冷麺は、そば粉が入ったつるつるシコシコ麺に、魚介系のあっさりしたスープ。トッピングには、自家製のキムチとチャーシュー、そして櫛形にカットしたゆで卵が乗っかります。

イリコだしをメインとした魚介系のスープは、さっぱりしていながら旨味も効いていて、つるつるシコシコの麺に良く合います。ひんやりとした麺とスープがノドを通る爽快感は格別ですし、トッピングされた自家製キムチの辛味と酸味も相まって、蒸し暑い夏でも食が進むこと間違いなしです。また、寒い時期には温麺を食してみるのもいいでしょう。
通常の冷麺のほかには、選べる辛さのビビン冷麺もあります。わたしは2辛をチョイスしてみましたが、唐辛子の辛味もキツくはなく、これまた食欲をそそってくれました。

冷麺で名高いお店ゆえ、冷麺のみを食べに来られる方も多いようですが(わたしも一番最初に立ち寄ったときにはそうでした)、もしふところと胃袋に余裕がある皆さまは、ぜひ焼肉をご賞味いただくのもオススメしたいところです(ちなみに別府は、焼肉店の激戦区でもあるのです)。
地元大分産の上質な牛肉や豚肉は柔らかく旨味たっぷり。中でも牛ホルモンのとろけるような甘さと旨味は最高で、夜はもちろん真っ昼間であっても生ビールがぐびぐび進んで進んでもうリンダ困っちゃう〜、ということになるのであります。

わたしはチシャも一緒に注文して、焼いた肉をそれでくるんで食べたりもしたのですが、チシャについてくる特製辛味噌がまた美味くって。それでより一層、食もビールも進んでしまうのであります。そうやって焼肉とビールをたっぷり堪能したあとに、シメにいただく冷麺が、またたまらなく格別なのですよ、ふふふ。
皆さま、「アリラン」に出向く際にはどうぞ胃袋は軽く、財布は重めにして、「食都別府」を心ゆくまで堪能してみてくださいませ。
アリランのそばにある海門寺公園には、市営の共同浴場「海門寺温泉」も隣接しております。

「お湯かけ地蔵」が入り口近くに立つこの温泉、バリアフリーでシャワーも備えた近代的なつくりながら、地元の方々も憩う浴場内の雰囲気は古き良き共同浴場そのまま。ここでひとっ風呂浴びて汗を流したあと、「アリラン」で生ビールと焼肉、そして別府冷麺を楽しむというのもいいものです。
また、「アリラン」の真ん前には、テレビのバラエティ番組で取り上げられたこともあるという「腰掛けているように見える立木」もありますので、そちらもどうぞお見逃しなく。

*店舗などに関する情報は、2016年前半の時点に基づいたものとなっております。