紙の本と雑誌をこよなく愛するわたしではありますが、Webメディアから発信されている記事の中にも、紙の媒体に負けず劣らず質が良く、学ぶところの多いものが多々ございます。
ともすれば、情報の洪水の中で一過性のものとして忘れられてしまいがちなそれらの良記事を、少しでも広く長く共有したいということで、当ブログでは「この記事はいいぞ。」というカテゴリを設けて、これから時々、それらを取り上げてご紹介していくことにしたいと思います。
その第1回は、このところ自分を見失い気味だったわたしの気持ちに響き、ラクにしてくれた3本の記事をまとめてご紹介していきたいと思います。
まずはじめは、今月(6月)に著書『自分を好きになろう うつな私をごきげんに変えた7つのスイッチ』(KADOKAWA)を刊行された作家・岡映里さんと、同書の漫画パートを手がけた漫画家・瀧波ユカリさんの対談記事「『朝のニュースは見ない』 ネガティブ思考のやめ方」(日経WOMANオンライン「この人に聞きたい!」、6月15日掲載)であります。
「うつ」状態と、その対極の「躁」状態を繰り返す双極性障害と診断された岡さんと、昔から落ち込みやすい癖があったという瀧波さんが、互いの経験から生み出した、心をラクにする秘訣や考え方を語り合った対談記事の前編です。
母親の闘病などもあり、気持ちが沈みがちだったという瀧波さん。落ち込みやすい癖を変えるべく「ネガティブ思考をやめよう」と決意した瀧波さんは、「『今、自分が考えるべき問題』以外からは距離を置くようにしました」といいます。
「ニュースに振り回されるのが、心底嫌になったんです。で、もうやめようと。もちろん日々のニュースの中には考えるべき課題もたくさんあるけれど、差し迫って自分の今日や明日には関係ない。なんでもかんでも深く考えて落ち込むのをやめよう、って」
それを受けて、岡さんも次のように語ります。
「私も、朝のニュースを見るのをやめたんです。テレビをつけると、遠く離れた場所で起きたつらい事件の情報とかがワーっと入り込んでくるじゃないですか。テレビがなければ知り得ないような遠くのつらい事件とか。それを考え出すと、すごく心が疲れるんだと分かって」
瀧波さんはさらに、このように語ります。
「自分の世界の中に、無理やりつらいことを入れずに、うまく距離を取ればいいんですよね。そのためには、『自分を一番大事にする』という気持ちを真ん中に持つこと。『今、私はその話を聞きたくないから』と言えることが重要じゃないかなと」
お二人のこの一連のお話に、わたしは大いに共感いたしました。
もちろん、社会や政治の動きにしっかり関心を持つことはとても大事なことですし、幅広いことへの好奇心を持つことも、生きる上での大切な知恵であることは間違いありません。
しかし、日々洪水のごとく流れてくるニュースや情報(その中には、深刻でつらく悲しいことや、腹立たしくなってくるようなことも少なくありません)に気持ちを揺さぶられることは、それなりにストレスとなるのも事実でしょう。むろん個人差はあるのですが、気持ちが疲れ切り、参っている方にとってはなおさら、強い精神的な負担となるのではないでしょうか。
だから、日々流れてくるニュースや情報の洪水から、時には適切な距離を置いて自分の気持ちを守る、ということも、自分を見失わないために必要な、大切な生きる知恵だとわたしも考えます。そもそも、いかに重要な問題であろうとも、そのことに関心を持つことを押し付けがましく無理強いされるいわれはないのですから。
そんなこともあり、昨日(23日)に日本中を駆け巡った、フリーアナウンサーの若すぎる逝去のニュースについての過剰報道にも、努めて距離を置くようにしております。亡くなったご本人、そしてご家族などの当事者がつらい思いをなさっておられるであろうことはわかりきったこと。そっとしておいた上で静かに悼みたい、と思うのです。
対談記事の後編「自分の嫉妬心に気付いたら 体育会系の対処法がいい」(6月16日掲載)にもまた、実に有益なアドバイスがいっぱいです。岡さんの、
「自分を大事にすることは、得意なことや才能を謙遜せずに認めることだと思うんです。そして、欠点を受け入れて、できないことや恵まれなかったことで自分を裁くのをやめること」
というお言葉と、瀧波さんの、
「『誰とでも仲良くしよう』って無理に思う必要はないですよね。自分と合わない人には必要以上に接触しないと決めることができれば、『誰にでもいい人』でいる必要はなくなるし、嫌な相手を遠ざけることもできる」
もまた、自分を見失い気味だったわたしを勇気づけてくれました。
もう1つご紹介するのは、ライフネット生命の会長(今期限りで退任されるとのことですが)兼CEOにして、書評家としてもご活躍の出口治明さんが、さまざまなお悩みに答えるという「おしえて出口さん!」(Wedge)6月16日掲載の相談へのご回答です。
「人は生まれながらにして境遇に差がある」という意識から、「他人と自分を比較する」ことが避けられない、という相談者の方に、出口さんは、
「『済んだことを愚痴る。人をうらやましいと思う。人にほめてほしいと思う。人生を無駄にしたければ、この3つをたくさんどうぞ』という言葉がとても好きです」
と前置きした上で、
「比較する時間があったら、人は人、自分は自分ということですから、自分が楽しい人生を送るためにはどうしたらいいんだろうかと、自分の夢のほうに考えを集中するほうが、人生を幸せに送れると思います」
とアドバイスを贈っておられます。このお言葉にも、とても気持ちがラクになりました。
職場などでの顔の見える人間関係に加えて、SNSにおける不特定多数とのつながりの中で、ついつい他人を意識しすぎて窮屈になり、あげく自分を見失っていたところが、このわたしにもありました。それだけに、「人は人、自分は自分」というお言葉が、すごく気持ちに響いてまいりました。
そう。人は人、自分は自分。これからはもっと自分を大事にしながら、やりたいことやるべきことに集中していきたいと思っております。よりよい未来をたぐり寄せるためにも。
ともすれば、情報の洪水の中で一過性のものとして忘れられてしまいがちなそれらの良記事を、少しでも広く長く共有したいということで、当ブログでは「この記事はいいぞ。」というカテゴリを設けて、これから時々、それらを取り上げてご紹介していくことにしたいと思います。
その第1回は、このところ自分を見失い気味だったわたしの気持ちに響き、ラクにしてくれた3本の記事をまとめてご紹介していきたいと思います。
まずはじめは、今月(6月)に著書『自分を好きになろう うつな私をごきげんに変えた7つのスイッチ』(KADOKAWA)を刊行された作家・岡映里さんと、同書の漫画パートを手がけた漫画家・瀧波ユカリさんの対談記事「『朝のニュースは見ない』 ネガティブ思考のやめ方」(日経WOMANオンライン「この人に聞きたい!」、6月15日掲載)であります。
「うつ」状態と、その対極の「躁」状態を繰り返す双極性障害と診断された岡さんと、昔から落ち込みやすい癖があったという瀧波さんが、互いの経験から生み出した、心をラクにする秘訣や考え方を語り合った対談記事の前編です。
母親の闘病などもあり、気持ちが沈みがちだったという瀧波さん。落ち込みやすい癖を変えるべく「ネガティブ思考をやめよう」と決意した瀧波さんは、「『今、自分が考えるべき問題』以外からは距離を置くようにしました」といいます。
「ニュースに振り回されるのが、心底嫌になったんです。で、もうやめようと。もちろん日々のニュースの中には考えるべき課題もたくさんあるけれど、差し迫って自分の今日や明日には関係ない。なんでもかんでも深く考えて落ち込むのをやめよう、って」
それを受けて、岡さんも次のように語ります。
「私も、朝のニュースを見るのをやめたんです。テレビをつけると、遠く離れた場所で起きたつらい事件の情報とかがワーっと入り込んでくるじゃないですか。テレビがなければ知り得ないような遠くのつらい事件とか。それを考え出すと、すごく心が疲れるんだと分かって」
瀧波さんはさらに、このように語ります。
「自分の世界の中に、無理やりつらいことを入れずに、うまく距離を取ればいいんですよね。そのためには、『自分を一番大事にする』という気持ちを真ん中に持つこと。『今、私はその話を聞きたくないから』と言えることが重要じゃないかなと」
お二人のこの一連のお話に、わたしは大いに共感いたしました。
もちろん、社会や政治の動きにしっかり関心を持つことはとても大事なことですし、幅広いことへの好奇心を持つことも、生きる上での大切な知恵であることは間違いありません。
しかし、日々洪水のごとく流れてくるニュースや情報(その中には、深刻でつらく悲しいことや、腹立たしくなってくるようなことも少なくありません)に気持ちを揺さぶられることは、それなりにストレスとなるのも事実でしょう。むろん個人差はあるのですが、気持ちが疲れ切り、参っている方にとってはなおさら、強い精神的な負担となるのではないでしょうか。
だから、日々流れてくるニュースや情報の洪水から、時には適切な距離を置いて自分の気持ちを守る、ということも、自分を見失わないために必要な、大切な生きる知恵だとわたしも考えます。そもそも、いかに重要な問題であろうとも、そのことに関心を持つことを押し付けがましく無理強いされるいわれはないのですから。
そんなこともあり、昨日(23日)に日本中を駆け巡った、フリーアナウンサーの若すぎる逝去のニュースについての過剰報道にも、努めて距離を置くようにしております。亡くなったご本人、そしてご家族などの当事者がつらい思いをなさっておられるであろうことはわかりきったこと。そっとしておいた上で静かに悼みたい、と思うのです。
対談記事の後編「自分の嫉妬心に気付いたら 体育会系の対処法がいい」(6月16日掲載)にもまた、実に有益なアドバイスがいっぱいです。岡さんの、
「自分を大事にすることは、得意なことや才能を謙遜せずに認めることだと思うんです。そして、欠点を受け入れて、できないことや恵まれなかったことで自分を裁くのをやめること」
というお言葉と、瀧波さんの、
「『誰とでも仲良くしよう』って無理に思う必要はないですよね。自分と合わない人には必要以上に接触しないと決めることができれば、『誰にでもいい人』でいる必要はなくなるし、嫌な相手を遠ざけることもできる」
もまた、自分を見失い気味だったわたしを勇気づけてくれました。
もう1つご紹介するのは、ライフネット生命の会長(今期限りで退任されるとのことですが)兼CEOにして、書評家としてもご活躍の出口治明さんが、さまざまなお悩みに答えるという「おしえて出口さん!」(Wedge)6月16日掲載の相談へのご回答です。
「人は生まれながらにして境遇に差がある」という意識から、「他人と自分を比較する」ことが避けられない、という相談者の方に、出口さんは、
「『済んだことを愚痴る。人をうらやましいと思う。人にほめてほしいと思う。人生を無駄にしたければ、この3つをたくさんどうぞ』という言葉がとても好きです」
と前置きした上で、
「比較する時間があったら、人は人、自分は自分ということですから、自分が楽しい人生を送るためにはどうしたらいいんだろうかと、自分の夢のほうに考えを集中するほうが、人生を幸せに送れると思います」
とアドバイスを贈っておられます。このお言葉にも、とても気持ちがラクになりました。
職場などでの顔の見える人間関係に加えて、SNSにおける不特定多数とのつながりの中で、ついつい他人を意識しすぎて窮屈になり、あげく自分を見失っていたところが、このわたしにもありました。それだけに、「人は人、自分は自分」というお言葉が、すごく気持ちに響いてまいりました。
そう。人は人、自分は自分。これからはもっと自分を大事にしながら、やりたいことやるべきことに集中していきたいと思っております。よりよい未来をたぐり寄せるためにも。