読んで、観て、呑む。 ~閑古堂雑記~

宮崎の某書店に勤める閑古堂が、本と雑誌、映画やドキュメンタリー、お酒の話などを、つらつらと綴ってまいります。

飛行機に乗らなくても、休日に遊びに行く場所としてもいいんじゃないかなあ、と思えた宮崎空港

2021-02-16 22:19:00 | 宮崎のお噂
きょうは久しぶりに宮崎ブーゲンビリア空港、もとい、宮崎空港に行ってまいりました。・・・いえね、どうもいまだに〝宮崎ブーゲンビリア空港〟なる名称には馴染めないもんで(苦笑)。


きょうと明日の2日間、空港ビルへの納入業者向けの物産特売会が開催されるということで、仕事の合間を縫って訪れたというわけであります。
お菓子や畜産・水産加工品、生鮮食品、飲料などなど、宮崎をはじめ九州の物産品が市価よりも格安で買えるというこの特売会。訪れた時間帯が午後だったこともあってか、人気商品のいくつかはすでに売り切れてはおりましたが、それでも気になる商品を5品ほど、買ってまいりました。

それにしても、宮崎空港ってとくに飛行機に乗る用事がなくても、休日あたりに遊びに行くのにもいいんじゃないかなあ、ってあらためて思いましたねえ。
宮崎に伝わる神話を題材にした、藤城清治さんによるステンドグラスの大作が見下ろすロビーでは、さまざまな催しが随時行われていたり、絵画が展示されたギャラリーがありますし。




宮崎をはじめとする九州の美味しいものはいっぱい売られていますし、各種レストランでの飲食も楽しめますし。


航空大学での訓練に使われていた飛行機が展示されている展望デッキからの眺めもいいですし。
(ちなみにここで展示されている機体は、10年前の東日本大震災で仙台空港が被害を受けたため,訓練ができなくなった航空大学校の仙台分校に代わリ、本校である宮崎空港で訓練を行った時にも使用されたものだったとか)





それよりなにより、小さくても充実した品揃えの書籍・雑誌コーナーもありますしねえ。・・・ってここはウチの書店が納入してんだけど(笑)。


しかしながら、いつまでもダラダラ続くコロナヒステリーな世の中のせいで飛行機は減便されて利用客もガタ減りで、残念ながら空港内の利用客はまばらでありました(平日午後の時間帯ということもあったのでしょうが・・・)。何よりつらいのは、飲食店は軒並み短縮営業や休業を余儀なくされていることなんですよねえ・・・。
まったく、非日常と人の不幸が三度のメシより大好物なマスコミに脅され煽られるがまま、いつまでもコロナごときの「不安の奴隷」(発売中の『週刊現代』2月20日号に掲載されている、宮台真司さんと與那覇潤さん、宮沢孝幸さんによる対談記事に使われている言葉から。ついでながら、この対談はいまの全日本人必読だと思います)になったまま、「コロナ怖い怖いごっこ」にうつつを抜かしている場合じゃないでしょうよ。早くこんな狂った状況を終わらさなければ。
県内外の皆さまにおかれましては、早いとこ「不安の奴隷」から抜け出していただいて、宮崎空港をどんどん利用していただきたいものであります。花に囲まれた温水さんもベンチで待ってますので(笑)。




ということで今夜は、物産特売会で買ってきた、「新しき村」や「木城えほんの郷」で知られる木城町は石河内のお母さんグループ謹製の煮しめと、宮崎市にある奥松農園のミニトマト「恋とま」で晩酌いたしました。



地元・石河内で穫れた野菜を使ったという煮しめは、どの具にもしっかりと味が染みていて、まさに正統派のおふくろの味。何度でも食べたくなるような素朴な美味しさでした。「恋とま」も色がきれいな上に糖度も高く、大いに舌鼓をうったのでありました。

【わしだって絵本を読む】凝った仕掛けで何度でも楽しめる、安野光雅さんの『しりとり』

2021-02-13 10:46:00 | 本のお噂


『しりとり』
安野光雅さく・え、福音館書店(安野光雅の絵本)、2021年


昨年末に94歳でお亡くなりになった安野光雅さん。抒情的な雰囲気で多くの人に愛された『旅の絵本』シリーズや、数学・科学に対する造詣を生かした意表を突く発想の作品など、数多くの絵本を送り出してきたほか、本の装幀家としても活躍されました(個人的には、『吉里吉里人』をはじめとする井上ひさしさんの著作の装幀が印象に残っております)。
その安野さんの最新刊として、今年の2月はじめに刊行されたのが、この『しりとり』という絵本です。初出は、2018年6月の絵本雑誌『こどものとも』ですが、やはり今月はじめに出された『こどものとも』の最新号にも、安野さんの作品「なぞなぞ」が収められております。最晩年に至ってもなお、旺盛な創作活動に励んでおられたことに驚かされます。

最初のページに並んでいる「さる」「きびだんご」「すもも」などの16の絵から好きなものを一つ選んだら、ページをめくってその言葉につながる絵を探し当てて、さらに次のページへ・・・という、ちょっとひねった趣向の「しりとり」遊びが楽しめます。
最後は「りぼん」「ちょうちん」などの〝ん〟がつく言葉で終わるのですが、もし最後のページの言葉につながることができなかったら、そのまま最初のページの言葉へとつないでいって、さらに続きを進めていく・・・という凝った仕掛け。ちょっとしたゲーム感覚とともに、何度でも楽しむことができます。すっきりした水彩で描かれた、安野さんならではのユーモラスで温かな絵も魅力的です。

最晩年になってからも、こういう凝ったつくりの絵本を生み出した安野さんって、つくづくすごい方だったなあと思います。あらためて、お悔やみを申し上げます・・・。