読んで、観て、呑む。 ~閑古堂雑記~

宮崎の某書店に勤める閑古堂が、本と雑誌、映画やドキュメンタリー、お酒の話などを、つらつらと綴ってまいります。

別府・オトナの遠足2014 (最終回)海を眺めながらの絶品海鮮料理、そして街角スイーツ

2014-03-29 23:13:34 | 旅のお噂
別府への「オトナの遠足」2日目の3月16日(日)。
亀川温泉で、体から出汁が出そうなあつ湯で温まる•••どころか茹だってしまいそうになりながらも、温泉情緒に浸ってきたわたくし。
ちょっと懐かしさを覚える商店街をしばし歩いたあと、海に向かって歩いていくことにいたしました。
前日まで、ちょっと冬に戻ったかのような冷え込みが続いていたのですが、この日は春らしい暖かさと、うららかな日差しの中で気持ちのいい風も吹いていて、湯上がりで火照っていたカラダにまことに心地よかったですね。
途中、別府競輪場を覗くと何かイベントをやっていて、食べ物を焼く美味しそうな匂いが漂い、家族連れで賑わっておりました。聞くところによれば、この競輪場の中にも温泉があるんだそうで、さすが「湯の上に浮かんだような」と形容されるような土地柄だけあるのであります。
20分ばかり歩いたでしょうか。海沿いを走る国道10号線に出ると、すぐそばに海を眺めることができる場所がありました。

晴れた空の下で穏やかに広がる別府湾、遠くに霞む高崎山•••。のどかな景色にわたくし、しばし我を忘れて見とれていたのでありました•••。

そうこうするうちにお昼の時間が近づいてまいりました。昼食を頂こうと、別府湾のすぐそばに立つホテル「晴海」の中にある「海鮮料理 えいたろう」に入りました。

中に入って目を奪われたのが、窓から見える景色でありました。

別府湾が一望できる素晴らしい眺めでありまして、これを見ながらの食事というだけでもとても贅沢なのでありますが、今回は用意していた旅費が余る見通しとなったこともあり、頂く料理もちょっとばかり贅沢させていただくことにいたしました。というわけで思いきって、お昼の定食の中から刺身と天ぷら、さらに海鮮釜飯がセットになった定食を注文いたしました。
別府湾の眺めを楽しみつつ待つことしばし、出てきた定食に目を見張りました。

いやはや、見た目だけでも食欲をたまらなくそそられましたね。さっそく、刺身をつまんで口に運びました。鮮度のいい身が舌に吸いつくようで、実に美味しかったですねえ。
そして天ぷら。こちらは程よくつけられたコロモがサクサクしていて、エビと野菜を引き立てていてこれまた美味でありました。

これは進みましたよ、生ビールも。•••って、また真っ昼間から飲んでいたわけなのですが。
食べているあいだ、テーブルの上で炊かれていた海鮮釜飯もついに炊き上がりました。フタを開けたらこれまた目を奪われましたねえ。

もうご飯が見えないくらいに、エビやカニ、帆立貝、イカなどの具がたっぷり。口に運ぶと、しっかりと出汁が染みたご飯が美味いのなんの。一粒も残してなるものか!とおコゲまで余さずに食したのでありました。
海を眺めながらの絶品の海鮮料理、大満足でした。
昼食を食べると温泉も無料で利用できる、とのことでしたので、しっかり浸からせて頂きました。この日3回目の入浴でございます。
さきほどまで食事しながら眺めていた別府湾の景色を間近にしながら、お湯に浸かることができる露天風呂、いやー、極楽気分でありました。もう家には帰りたくない!帰るのヤダ!って思いましたよ、ほんと。
ちょいと繁華街からは離れてはいるのですが、泊まりがけでゆっくりするにもいいかなあ、と思えたホテルでありました。

普段はそれほど、甘いものを食べたりはしないわたくしでありますが、旅先で気になるスイーツを見かけると妙に食べたくなったりもするのであります。この別府でも、なかなか絶品の街角スイーツにめぐり合うことができましたよ。
まずは初日、到着直後に食したのが「長すぎるエクレア」。列車での移動で小腹がすいておりましたので、別府駅前の通りから伸びているアーケード街の中になる洋菓子店「パティスリー夢の樹」で買ってみたのが、人気商品だというこの「長すぎるエクレア」でした。

その長さ、およそ30センチ!普通ではなかなか一人では食べきれないようにも思えたのですが、中のクリームと表面のチョコはコーヒー味で甘さも控えめで、ペロッと食べてしまったのでありました。
•••実は、これを写真に撮ろうと片手で握って持ち上げていたら、握っていた手元からボキッと折れてしまったのでありまして•••。こぼれたクリームが手についたりしてちょいと慌てるハメとなりました。ホント、我ながらバカですねえ。

そして2日目。海を見ながらの昼食を終え、再び別府駅前へと戻ると、何かデザートのようなものでも食べたくなりました。
そんなわけで、やはりアーケード街の中にあるジェラート屋さん「ジェノバ」で、ジェラートを選ぶことにいたしました。種類がいろいろとあって迷った末に「ヨーグルトラズベリー」を選びました。甘酸っぱさが食後にピッタリでなかなかいけましたよ。

ヨーグルトラズベリーもさることながら、お店のご主人が上にちょこんと乗っけてくださったジャージー牛乳アイスの濃厚なおいしさがまた絶品で、こちらもあらためて買って味わったのでありました。いやー、頬っぺたが落ちそうでしたなあ。
•••えー、再度申し上げますが、普段のわたくしはけっして、甘いものをたくさんは食べないクチなのでありまして•••。旅先でだけ、「スイーツ男子」に変貌するのであります。

かくて、昨年に続いての別府への「オトナの遠足」はあっという間に終わったのでありました。やはり、別府を訪れるには1日ちょっとでは足りなさ過ぎますね、ええ。それだけ、歩きたい場所や味わいたいものがたくさんある街なんですよ、別府は。
叶うことなら、3~4日ぐらい時間をとって、じっくりと滞在してみたいですね。またゆっくり過ごしたくなるような飲み屋さんもつくることができましたし。

食べて飲んでばかりだったような今回の別府旅。帰宅して体重を量ってみたら、しっかり2キロは増えておりました。しかも、個人的には黄信号である60キロ越えでしたし。そのあとずっと、食べる量を控えている日々を送っておりまして•••おかげで60キロは割ることができました。よかったよかった。


NHKスペシャル『人体 ミクロの大冒険』プロローグ「ようこそ!細胞のミラクルワールドへ」を観て

2014-03-29 22:58:54 | ドキュメンタリーのお噂
NHKスペシャル『人体 ミクロの大冒険』プロローグ「ようこそ!細胞のミラクルワールドへ」
初回放送=2014年3月29日(土)午後9時00分~9時49分、NHK総合
テーマ音楽=葉加瀬太郎、音楽=羽毛田丈史
出演=山中伸弥、野田秀樹、首藤奈知子


細胞の働きから人体の不思議と生命の神秘に迫るシリーズ『人体 ミクロの大冒険』がスタートしました。とても楽しみにしていたシリーズであります。
プロローグでは、さまざまな細胞とその活動をリアルなCG映像を交えながら紹介し、細胞とはいかなる存在なのかを総説的に語っておりました。

冒頭。出口がない卵巣の壁を突き破ってなされる排卵から、膨大な数の中からたどり着いた精子との出会い、細胞分裂、そして子宮への着床•••という、生命誕生に至る一連の過程を描いたCG映像のリアルさには、のっけから引き込まれました。
そんな映像による再現を可能にしたのが、生命活動をリアルタイムで観察することができる「バイオイメージング」技術の進展。それによって捉えられた、血管における赤血球の挙動は興味深いものでした。
60兆個あるという全身の細胞の3分の1、20兆個を占める最多の細胞でもある赤血球。まるで「飛行機や新幹線」のごとく動脈を流れていったあと、宅配便のように個別の場所へと送り届けるモノは、酸素。
毛細血管を通る赤血球は、その形を楕円形から真ん中がくびれた形へと変化させます。赤血球の大きさは8マイクロメートルなのに対して、毛細血管の直径は5マイクロメートル。それゆえ、赤血球は形を変えながら一列となって、毛細血管を進んでいくのです。その時、血管壁をこすりあわせることで、酸素を供給するというしくみ。それは、何十億年もの進化の末に選びとられた形であり、適応能力でもあるとか。

時に一卵性双生児の姿をも、それぞれの状況に合わせて変えていく細胞は、遺伝子に記された「台本」を演じる「役者」。そして、それぞれの役目に特化したスペシャリストでもあるといいます。
それらが、互いにコミュニケーションを取りながら、人体を形づくり、生命を維持しているということを認識することができ、なんだかワクワクするものがありました。同時に、そんな(山中伸弥さんの言い方を借りれば)「細胞さん」に、なんだか畏敬の念すら湧いてきたのでした。
山中さんは、一番愛する細胞は何か?との質問に「心臓の細胞」とお答えになっていました。日々生まれ変わり続けている細胞がほとんどの中で、心臓の細胞は生まれたときからずっと一緒だから、というのがその理由でした(脳神経の細胞もずっと同じだとか)。やはり心臓の細胞って偉大なんだなあ、ということを再認識するとともに、大事にしなければなあ、という思いもいたしました。

次回からの本シリーズも、すごく楽しみであります。