読んで、観て、呑む。 ~閑古堂雑記~

宮崎の某書店に勤める閑古堂が、本と雑誌、映画やドキュメンタリー、お酒の話などを、つらつらと綴ってまいります。

NHKスペシャル『人体 ミクロの大冒険』プロローグ「ようこそ!細胞のミラクルワールドへ」を観て

2014-03-29 22:58:54 | ドキュメンタリーのお噂
NHKスペシャル『人体 ミクロの大冒険』プロローグ「ようこそ!細胞のミラクルワールドへ」
初回放送=2014年3月29日(土)午後9時00分~9時49分、NHK総合
テーマ音楽=葉加瀬太郎、音楽=羽毛田丈史
出演=山中伸弥、野田秀樹、首藤奈知子


細胞の働きから人体の不思議と生命の神秘に迫るシリーズ『人体 ミクロの大冒険』がスタートしました。とても楽しみにしていたシリーズであります。
プロローグでは、さまざまな細胞とその活動をリアルなCG映像を交えながら紹介し、細胞とはいかなる存在なのかを総説的に語っておりました。

冒頭。出口がない卵巣の壁を突き破ってなされる排卵から、膨大な数の中からたどり着いた精子との出会い、細胞分裂、そして子宮への着床•••という、生命誕生に至る一連の過程を描いたCG映像のリアルさには、のっけから引き込まれました。
そんな映像による再現を可能にしたのが、生命活動をリアルタイムで観察することができる「バイオイメージング」技術の進展。それによって捉えられた、血管における赤血球の挙動は興味深いものでした。
60兆個あるという全身の細胞の3分の1、20兆個を占める最多の細胞でもある赤血球。まるで「飛行機や新幹線」のごとく動脈を流れていったあと、宅配便のように個別の場所へと送り届けるモノは、酸素。
毛細血管を通る赤血球は、その形を楕円形から真ん中がくびれた形へと変化させます。赤血球の大きさは8マイクロメートルなのに対して、毛細血管の直径は5マイクロメートル。それゆえ、赤血球は形を変えながら一列となって、毛細血管を進んでいくのです。その時、血管壁をこすりあわせることで、酸素を供給するというしくみ。それは、何十億年もの進化の末に選びとられた形であり、適応能力でもあるとか。

時に一卵性双生児の姿をも、それぞれの状況に合わせて変えていく細胞は、遺伝子に記された「台本」を演じる「役者」。そして、それぞれの役目に特化したスペシャリストでもあるといいます。
それらが、互いにコミュニケーションを取りながら、人体を形づくり、生命を維持しているということを認識することができ、なんだかワクワクするものがありました。同時に、そんな(山中伸弥さんの言い方を借りれば)「細胞さん」に、なんだか畏敬の念すら湧いてきたのでした。
山中さんは、一番愛する細胞は何か?との質問に「心臓の細胞」とお答えになっていました。日々生まれ変わり続けている細胞がほとんどの中で、心臓の細胞は生まれたときからずっと一緒だから、というのがその理由でした(脳神経の細胞もずっと同じだとか)。やはり心臓の細胞って偉大なんだなあ、ということを再認識するとともに、大事にしなければなあ、という思いもいたしました。

次回からの本シリーズも、すごく楽しみであります。




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