一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

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住宅リフォームでの大切な考え方(2)

2016年01月29日 15時09分38秒 | 住宅ノウハウ・実例
 
▲まずは、この写真です。 


 前回 の続きです。


この写真には、二つの問題が生じていました。

ひとつ目は、見にくいですが、

窓の右上の壁に換気ダクトの穴を開けています。
本当は、もっと上の位置に開ける予定でしたが、梁が出てきたのです。

もし、職人さんに任せていると
3つの選択肢のどれかを任せることになります。


1)梁を気にせず、そのまま設計通り穴を開けてしまう。(梁に穴が開きます)

2)梁の下に穴を下げて開ける(写真の状態です)

3)従来のダクト穴を使用し、ダクトをそこに接続して
  壁の穴を開ける場所を変えない。


1)以外は、今回、設計変更ということになります。

但し、1)を選択すると、構造的な問題が大丈夫か?

という大切な検討が必要です。

似た例で、例えば、

エアコンを取り付けるために、既存の家に新規に穴を開ける場合、
筋交いに穴を開けてしまっているケースは珍しくありません。
構造的に良いわけがありませんね。

既存の家に新規で穴を開ける場合は、慎重に推測と
確かめを行いながら、穴明けを行います。

新築工事の時には、壁をふさぐ前にエアコンの穴を
開けておいてもらった方が良いのですが

面倒なので、多くの業者は他のもっともらしい理由を付けて、
行わないでおこうとします。


今回の現場に話しを戻すと、事前の設計位置に付けた場合、
梁の欠きが大きくて構造的に不可です。

もし、開けてしまった場合は、補強が必要になります。


現場のケースによっては、大丈夫な場合もあります。
現状の荷重の掛かり方や、火打ち梁や耐力壁の関係、
現在の梁の大きさから判断します。

大丈夫な場合というのは、必要以上に大きな梁が入っている場合です。
横からの大きな梁をそのまま水平方向に伸ばしたことにより、
大きな梁が入っている場合です。

具体的な数字の例ですが、高さ12センチあればOKの梁でも、
横に使っている高さ30センチのものが伸びて入っている場合もあります。


今回は、1)は不可なので、2)か3)の選択になります。

3)は、既存の換気ダクトが、外に出て欲しくない箇所から
排気が出ていたため、変更したいというご希望だったのです。

そのままというのは、できれば、避けたいですね。


そうすると、2)は、どうなのかです。

梁の下に穴を開けた場合、
換気扇フードが、それに伴って下がってくる可能性があるので
使い勝手や、圧迫感がどうなるか

ということを検討しなければなりません。
使用する人の慎重によっても、大きく変わりますね。

梁の下まで下げると、何cmの位置にフードがくるか計算して、

使用する人の一番高い身長の人が、使用するとどうなるかを
検討します。

フードのデザイン、接続方法によっても変わりますので
当然、換気扇の設備図面を見て検討します。

OKであれば、工事上の問題や、変更すべき点は何か
部材の発注関係は、問題ないのか、等をその場で考えます。

今回は、下げるとフードも下がりますが、

使用上は問題のないことを確認して、
お使いになる人の了解を得ましたので

工事業者と、収まりや変更すべき点を確認しあい
部材発注変更までその場で行いました。

検討すべき時に現場確認したため
工事は、予定を遅らせることなく進みました。

もう1点の問題点は、私が勉強会でもいつも伝えていることです。
私の住宅勉強会に出られた人や、ホームページをよく読んでいる人は

写真を観ただけで、お分かりの人もいらっしゃるようです。

次回にコメントいたしますね。



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ご意見があれば、お気軽にどうぞ!


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