一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

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横浜市庁の免震工事

2008年07月14日 13時43分53秒 | 住宅セミナー・住宅勉強会
▲現場の写真は公開不可とのことでしたので、頂いた資料でイメージして下さい。



みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水です。

2008年7月11日は、横浜市庁の耐震補強工事を見学に行きました。
写真は撮りましたが、公開不可ということですので、お見せできないのが残念です。

今回の耐震補強工事は、詳しくいうと免震工事です。

建物そのものの耐震補強ではなく、基礎に接する柱の一番下の部分をカットして、
そこに免震装置を付けたのです。

これは、深くて大きな地下ピットがあることや、杭基礎が既にあることなどから
基礎の柱の部分をカットして免震装置を入れていくことになったのです。
免震装置も2種類を合わせて使っています。

免震装置を入れるとどうなるか…今回の計画上は、


震度5までは、揺れを吸収して揺れを少なくすることで、
建物への被害を防ぎます。

震度6強になると建物が60センチ横にスライドしながら、揺れを吸収します。
といっても、大きくゆっくりと揺れることになるでしょう。
このスライドのときは、2種類目の免震装置が働くことになります。

建物が横に60センチスライドするのですから、地面に埋もれたままでは不可能
ですよね。

そのスライドする空間を確保するための地下ピットも造りました。


そういう内容を工事はまだ進行中ですが、事前にスライドで教えて頂いて
現場を案内してもらいました。

総工費は49億円。免震工事だけに関しては39億円です。
総工費が100億円になれば、建替えも考えたとのことでした。


みなさんが免震構造を希望されるのであれば、金に糸目は付けない!
という方でないと無理です。

免震装置を付けるまえに、優先順位としては、基礎や地盤、建物の耐震に費用を
掛けた方が費用対効果での効率が良いからです。
そのあと制震装置を付けるか、免震装置を付けるかどうかです。


ですから、免震装置にお金を掛けるのは最後ということになります。


木造住宅用の免震装置も発売されていますが、私は必要性を感じていません。
それより地盤の方が大切ですし、地盤が流れたら免震装置も役に立たないため、
地盤をまずしっかり確保できている前提が必要です。




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