一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

注文住宅を考えたら「住宅の考え方が180度変わる」住宅勉強会やセミナー、他では聞けない住宅や建築がわかるブログ。

全館冷暖房の注意点

2007年07月12日 13時15分03秒 | 住宅ノウハウ・実例
みなさんこんにちは、ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

全館冷暖房について、お話しましょう。

高級住宅には、集中方式の全館冷暖房がついていますが、私はお勧めいたしません。

なぜなら、日本のメーカー品は、熱交換器が付いていたり、ダクトがフレキシブルというグニャグニャ曲がるスパイラル状のものを使っています。フィルターは、2階の天井にあり、半年に一度交換しないといけません。

今、記述した部分のどこがいけないのでしょうか?

まず、熱交換器があるというのは、省エネルギーで良さそうなのですが、結露が起こり、そこに細かいホコリやダニの死骸、花粉などが付着してカビが発生することがあります。日本では、高性能のフィルターを使うことで、これをカットしようということですが、高性能であればあるほど清掃や交換が必要です。

半年に一度、本当に永遠に行うでしょうか?

スパイラル状のものは、内部に凹凸ができるので、そこにゴミが溜まり易く、そもそも問題があります。配管の中は清掃ができないのですから、いくらフィルターが高性能でも、半年に一度では、やはり溜まっていくのではないでしょうか。


給排気を集中コントロールして、全館冷暖房という考え方は、アメリカのビルで当初スタートしました。そこで、問題が発生しました。シックビル症候群という、現在のシックハウスと同様の問題点なのです。

ホコリやカビが吹き出だしてくるのですから、アレルギーのある人には特に問題となりました。

それらの問題をクリアーするために、私が見た限りでは、北米では日本とは似て非なる考え方で対応しています。うわべだけを真似をして、日本流に工夫をしたつもりでしょうが、問題を残しているのです。

これと同じようにうわべだけ真似をして、昔、社会問題になったことがあります。

2×4工法に断熱材を導入したまでは良かったのですが、日本独自の安易な考え方で断熱材の商品を造り、工事を行っために、約25年前には壁体内結露によるカビなどが大問題になったのです。


これは、24時間換気でも同じリスクがあります。
そのため、私は第三種換気で対応しています。


次回は、北米の考え方との違いをもう少し詳しくお話しましょう。





住宅設計 ミタス 一級建築士事務所のホームページ  

ALL contentsCopyright ® 2007 mitasu







コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする