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2009.12.06 4年目の甲山(その2)

(3)
転居後、年中、甲山を撮り続けていた私ですが、特に、この1週間は毎日
カメラを構えていました。

先日、近くに、マンション階段やフロアの塗装工事中の男性が居ました。

玄関ドアから飛び出した途端、「ワー、綺麗!」と大声をあげていた私は、
騒いだ恥ずかしさもあったので、言い訳半分に、言いました。

「4年前にここへ転居して来たのです。その時、写真を撮り洩れたのですが、
甲山の紅葉が、信じられないぐらい真っ赤で綺麗でした。4年前は、もっと
燃える色に思えたのですが、多分、転居出来た喜びでそう見えたのですよね。
その後、どうしても、あの燃えるような紅葉は見ることができませんから…。」

すると、その男性はこちらにやって来て、甲山を見ながら言いました。
「それも有るでしょうけど、あの山は、まだ紅葉していませんよ。まだ、
今年は冷え込みが来ていないので、もっと冷え込めば、真っ赤になりますよ。」
と…。

私は、あっ、そうかと思いました。
そうだ、4年前の引越の頃は、もっともっと寒かった。その年は、とっくに
冷え込みが、やって来ていたのだ。
冷え込みの具合によって、紅葉が美しい年やら、そうで無い年があると聞く。

引越しの年は寒かったが、それ以降、暖かい冬が続いた。
今年もまだ、セーターさえ着ていないぐらい暖かい。
なるほど、そうか。単純なことだったのだ。

つまり、4年前の紅葉は、私の心理的なものを加味した心象的美しさだけでは
無かったのだ。
本当に、燃える様に美しかったのだ。

私は、なにか嬉しく、ほっとしました。

私の4年間の甲山の写真は、保存している分だけでも、数百に上るでしょう。
そして、私の甲山フリークは、これからも、続くことと思います。





本当は、上の文章で、<完> のはずでした。


(2009.12.04写す)

ところが、その翌朝のことです。(12/4)
膝の水を抜きに整形外科へ行こうと家を出ると、目の前に、私が待っていた光景
に近似の甲山を、たまたま見たのです。


(2009.12.04写す)

これです、これです。
私が、4年前に見た甲山の風景に、近いシチュエーションです。

つまり、甲山には日が当たっていて、手前の街は、雲の下にあります。

もし、奥や廻りの山々も雲の下にあり、甲山だけに輝かしく日が当たると、4年前
に見た光景と、酷似します。
そして、その時、厳しい冷え込みの後で紅葉の色が際立ち、そして空気が冴え渡っ
ていたら、あの美しい甲山の再現となるのでしょう。

でも、この日の紅葉の美しさ!これで充分です。
私は、4年目にして、あの思い出の甲山の紅葉に再び巡り会いました。

< 完 >

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