地2号無線機送信機の復元作業 修復作業記録 その5(平成31年01月07日) 内部清掃と欠落部品の修復作業
今回は本機があまりに錆と汚れが目立つため、徹底的な清掃作業を行った。
頑固なアルミ錆には、キッチンのシンクで使用するステンレスタワシが大変有効であった。
全体が汚れが目立ったので、丹念に隅々まで清掃を実施し、清掃は不完全ではあるがこれで終了するこことした。
正面右下のコイルパックを初めて外してみたが、やはりここも一部のコイルが外されていた。
抵抗器は2W型の少し大きめなL型抵抗器が採用されているが、一部の抵抗器は運用影響により焦げているのが判る。
米軍の資料の中に、日本陸軍ではこのような設計ミスによる部品の損傷をメーカーまでフィードバックする機構がなかったと断定していたがまさに事実のようですね。
[a1] Reports of the U.S. Naval Technical Mission to Japan, 1945-1946 米海軍対日技術調査団報告書
概要からの抜粋
メンテナンス手順
失敗の大部分は真空管と抵抗器によるものであった。
同じ抵抗器が絶えず故障しているが、設置された機器や同じモデルの後の生産で設計や定格を変更することについて何もしていないようである。
真空管の平均余命には大きな変化があり、それが大きな問題の原因であった。
ところで、本機には個々の部品のプレートはあるが、肝心の銘板が欠落している。
このため、製造メーカーが特定できないが、内部の中の部品の一部である高圧用雲母蓄電器に日本通信工業株式会社と明記されている。
このことから、本機は日本通信工業株式会社自体か親会社の住友通信工業(日本電気株式會社)が製造したものと思われる。
なお、続日本無線史には日本電気で地2号無線機を数百台生産したとの記録がある。
地2号無線機受信機と送信機
http://minouta17.web.fc2.com/army_ti-2.html
広島戦時通信技術資料館及は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/
参考文献
日本無線史 9巻 1951年 電波管理委員会
続日本無線史第一部 昭和47年2月 続日本無線史刊行会
魅惑の軍用無線機 ラジオライフ別冊 昭和59年11月 三才ブックス
グランパーズ・シャック Grandpa’s shackのオークション情報
ケンさんのホームページ http://kawoyama.la.coocan.jp/tubestorypentodestube.html
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