『物語のはじまり~短歌でつづる日常』
という本を読みました。
著者は、松村由利子さん。
すっごく面白かった。
松村さんは、歌人。
若いときは、毎日新聞の記者として生活家庭部などで活躍されていたそう。
この本は、様々な短歌をとりあげて、
その解説などするだけでなく、
記者としての体験や、ご自身が感じてこられた辺りも織り込んであって、
とても面白い。
短歌と俳句のちがいについても書かれてあって、
短歌は、「五七五」のあと「七七」と続くので
物語を表せるというんですねぇ。
そういえば、まるでドラマを観るような
味わい深い短歌も多い。
この本では、その微妙な心もちなども解説してあって、
共に考えさせられます。
また、パッとすぐに分かる作品も。
たとえば、
しつかりと飯を食はせて陽にあてしふとんにくるみて寝かす仕合せ
河野裕子
こういうの、好きですねぇ。
うんうん、そうそう~ という感じ。
河野さんの作品では、こういう歌も。(別の本から)
エプロンの袖口に嵌めしゴムの輪の ほどよき締まりに午後を働く
わぁ~、いたく共感。
「このくらいかな」と袖口に通したゴム。
着てみたら、まさにピッタリだった。
ヨッシャ。
そんな気分で午後の仕事にとりかかるんですよ。
私は、短歌でも俳句でも、こんな風に、
自分の生活のちょっとした味わいや、ほんーのささやかな仕合せなど、
ポッと表したような作品が好きですね。
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