■Dev Singh / Listen■
1960 年代後半のサイケデリックな雰囲気のジャケットで登場したのは、Dev Singh のアルバム。 デヴ・シンと発音するのでしょうか、明らかに英米系ではないこの名前ですが、彼はおそらくインドもしくは中東の血筋をひくアメリカ人ではないかと思います。 そのあたりの詳細はさておき、驚くべきことにこのアルバムは 1983 年以降の作品でした。 ライナーには具体的なレコーディング時期は明記されていませんが、’Woke Up This Morning’という曲が 1983 年に作曲されたというクレジットがあり、それが唯一の時代考証となっているのです。
さて、そんな奇妙な雰囲気に包まれたエキゾチックなアルバムですが、内容はライブの一発録音を編集したもので、アコースティックな臨場感にあふれるものとなっています。シカゴのスタジオに気心の知れたセッションマンを集めてレコーディングされと思われるこのアルバムは時にはフォーク調に、時にはブルースにと表情を変えつつもDev Singhの音楽性を十分に発揮した作品と言えるでしょう。
まず、オープニングの「Listen」はやや硬めの曲調で身構えますが、つづく「You’re The Center Of My Life」は典型的な R&B 基調となり、徐々にリラックス・ムードに。 「A Reason For Staying」は落ち着いた SSW 風の佇まいとなりアルバムは落ち着きを見せます。 そして迎える「Goin’ To The Country」は A 面のハイライト。 何となくBruce Cochburn のような曲を予想していたのですが、かなり的中していました。 ギターのアンサンブルは繊細で華麗とまでは言えないものの、なかなか聴かせてくれます。 ピアノの音色が奥深く染み込む「Nighttime Rider」はタイトル通りのアダルトな AOR ムードのミディアムに仕上がっていました。
B 面の「City Blues」は名前の通りのハードなブルース。 荒っぽいハーモニカのソロが印象的ですが、個人的な好みからは外れてしまいます。 つづく「Woke Up This Morning」は参加メンバーのTricia Alexanderの作曲。 この曲 はDev Singh のアカペラによるボーカルが堪能でき、とくに彼の声域の広さを実感することができます。 つづく「Love The One You’re With」は Stephen Stills の名曲カバー。 アイズレーやミーターズなど多くの著名ミュージシャンにカバーされた曲のようですが、今までそれほど意識したことがありませんでした。 一転してスロウ「The Last Date」は、ビターな弾き語り。 ラストの「What I Want」とともに、アルバムに深みと余韻を与える大人びたエンディングとなっており、Dev Singh の懐の深さを実感させるものとなっています。
さて、いつものように Dev Singh で検索すると彼の公式ページがヒットしました。 それによるとこの「Listen」はやはり 1983 年の作品ですが、なんと 6 枚目のアルバムだということが判明。 さらに驚いたのがデビュー作は 1965 年ということです。 Rampir Records というレーベルは彼のプライベート・レーベルのようですが、この他の作品にも接する機会があれば聴いてみたいと思えるような作品でした。
■Dev Singh / Listen■
Side 1
Listen
You’re The Center Of My Life
A Reason For Staying
Goin’ To The Country
Nighttime Rider
Side 2
City Blues
Woke Up This Morning
Love The One You’re With
The Last Date
What I Want
Produced by Doug Lofstrom and Dev Singh
Recorded live and edited by Mike Rasfeld, Acme Studios, Chicago
All songs by Dev Singh except ‘Woke Up This Morning’ by Tricia Alexander , ‘Love The One You’re With’ by Stephen Stills
Dev Singh : guitar, dulcimer, vocals
Tricia Alexander : harmonica, percussion
Alpha Stewart Jr. : congas
Doug Lofstrom : electric bass, piano
Steve Yates : electric guitar
Terrence Carson : 2nd vocal on ‘Listen’
Rampir Records R-104
1960 年代後半のサイケデリックな雰囲気のジャケットで登場したのは、Dev Singh のアルバム。 デヴ・シンと発音するのでしょうか、明らかに英米系ではないこの名前ですが、彼はおそらくインドもしくは中東の血筋をひくアメリカ人ではないかと思います。 そのあたりの詳細はさておき、驚くべきことにこのアルバムは 1983 年以降の作品でした。 ライナーには具体的なレコーディング時期は明記されていませんが、’Woke Up This Morning’という曲が 1983 年に作曲されたというクレジットがあり、それが唯一の時代考証となっているのです。
さて、そんな奇妙な雰囲気に包まれたエキゾチックなアルバムですが、内容はライブの一発録音を編集したもので、アコースティックな臨場感にあふれるものとなっています。シカゴのスタジオに気心の知れたセッションマンを集めてレコーディングされと思われるこのアルバムは時にはフォーク調に、時にはブルースにと表情を変えつつもDev Singhの音楽性を十分に発揮した作品と言えるでしょう。
まず、オープニングの「Listen」はやや硬めの曲調で身構えますが、つづく「You’re The Center Of My Life」は典型的な R&B 基調となり、徐々にリラックス・ムードに。 「A Reason For Staying」は落ち着いた SSW 風の佇まいとなりアルバムは落ち着きを見せます。 そして迎える「Goin’ To The Country」は A 面のハイライト。 何となくBruce Cochburn のような曲を予想していたのですが、かなり的中していました。 ギターのアンサンブルは繊細で華麗とまでは言えないものの、なかなか聴かせてくれます。 ピアノの音色が奥深く染み込む「Nighttime Rider」はタイトル通りのアダルトな AOR ムードのミディアムに仕上がっていました。
B 面の「City Blues」は名前の通りのハードなブルース。 荒っぽいハーモニカのソロが印象的ですが、個人的な好みからは外れてしまいます。 つづく「Woke Up This Morning」は参加メンバーのTricia Alexanderの作曲。 この曲 はDev Singh のアカペラによるボーカルが堪能でき、とくに彼の声域の広さを実感することができます。 つづく「Love The One You’re With」は Stephen Stills の名曲カバー。 アイズレーやミーターズなど多くの著名ミュージシャンにカバーされた曲のようですが、今までそれほど意識したことがありませんでした。 一転してスロウ「The Last Date」は、ビターな弾き語り。 ラストの「What I Want」とともに、アルバムに深みと余韻を与える大人びたエンディングとなっており、Dev Singh の懐の深さを実感させるものとなっています。
さて、いつものように Dev Singh で検索すると彼の公式ページがヒットしました。 それによるとこの「Listen」はやはり 1983 年の作品ですが、なんと 6 枚目のアルバムだということが判明。 さらに驚いたのがデビュー作は 1965 年ということです。 Rampir Records というレーベルは彼のプライベート・レーベルのようですが、この他の作品にも接する機会があれば聴いてみたいと思えるような作品でした。
■Dev Singh / Listen■
Side 1
Listen
You’re The Center Of My Life
A Reason For Staying
Goin’ To The Country
Nighttime Rider
Side 2
City Blues
Woke Up This Morning
Love The One You’re With
The Last Date
What I Want
Produced by Doug Lofstrom and Dev Singh
Recorded live and edited by Mike Rasfeld, Acme Studios, Chicago
All songs by Dev Singh except ‘Woke Up This Morning’ by Tricia Alexander , ‘Love The One You’re With’ by Stephen Stills
Dev Singh : guitar, dulcimer, vocals
Tricia Alexander : harmonica, percussion
Alpha Stewart Jr. : congas
Doug Lofstrom : electric bass, piano
Steve Yates : electric guitar
Terrence Carson : 2nd vocal on ‘Listen’
Rampir Records R-104
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