■Richard Dobson / In Texas Last December■
今年もついに 12 月に入りました。 冬らしいアルバムを、と思って取り出したのが、Richard Dobson のアルバム。 タイトルに December とあるだけで、音的には特別に 12 月らしさはありません。 Richard Dobson はテキサス出身でスイスに在住のシンガーソングライター。 1980 年代からヨーロッパでツアーを始め、スイスの Brambus Records と契約したのを契機にスイスに移り住んだようです。 テキサスからスイスでは、言語も気候も大きく違うのに、彼がその決断をしたのは、やはり現役のミュージシャンへのこだわりなのでしょう。
さて、このアルバムは 1977 年に発表された彼のファースト・アルバム。 Butter Milk Records の最初期の作品だと思われます。 サウンド的には同時代のシンガーソングライター風味というよりはカントリーの部類に入るもので、けっして洗練されたものではありません。 個人的にも頻繁に針を落とすような作品ではありませんが、土埃の匂いのするカントリー好きな方には好まれる内容だと思います。
個人的なベストトラックはオープニングでタイトル曲の「In Texas Last December」です。 この曲は他の曲とは異なり憂いを帯びた曇り空のようなテイストです。 ミディアムな曲調のなかに、このアルバム唯一のピアノが薄くからむあたりの演奏も好みです。
アルバムは、ほのぼのした陽気な楽曲が多くを占めています。 典型的なカントリー・ワルツの「Learning To Forget You」、「Baby Ride Easy」、午後の休日のようなリラックスした「It’s Not Long」、「Bus Stop Coffee」、「In The Name Of Love」などがアルバムの輪郭を作り上げています。 そんななか、一人きりでの弾き語りのスワンプ「Close But No Cigar」や男臭い「Piece Of Wood And Steel」などが全体を引き締める役割を担っている感じです。 A 面ラストの「I’ve Got Twenty Dollar」は最もブルース色の強い楽曲で、後半に聴かれるエレキギターのソロは中々の熱演です。 こうした演奏を支えているバックミュージシャンの数も多いことから、Richard Dobson は Butter Milk Records の中心的な存在だったのではないかと思います。 Townes Van Zandt からのコメントをジャケット裏面に載せるあたりからも、ミュージシャン仲間での絆も深かったことが想像できます。
冒頭にも書きましたが、Richard Dobson は現役で活動を続けています。 公式ページを見ると、1995 年以降、スイスの Brambus Records から 8 枚ものアルバムをリリースしています。 その多作ぶりにも驚きますが、それは彼がヨーロッパでは一定の人気を維持している表れなのでしょう。
最語にこのアルバムがリリースされた Butter Milk Records というマイナー・レーベルについ少々。 このレーベルの作品としては、以前このブログで取り上げた Bruce D. McElheny の「For The Record」があります。 この作品も独特の佇まいと、彼の唯一のレコードであることも手伝って、なかなか捨てがたい魅力を持ったレコードになっています。 Butter Milk Records の作品は、この 2 枚しか持っていませんが、まだまだ埋もれた作品が眠っていそうな気配です。
■Richard Dobson / In Texas Last December■
Side-1
In Texas Last December
Learning To Forget You
It’s Not Long
Close But No Cigar
I’ve Got Twenty Dollar
Side-2
Baby Ride Easy
Piece Of Wood And Steel
Bus Stop Coffee
In The Name Of Love
Recorded at Rampart Recording Studio, Houston, Texas
`Bus Stop Coffe’ written by Dennis Sanchez
All Other Songs by Richard Dobson
Richard Dobson : acoustic guitar, vocals
Mickey White : acoustic guitar
Mike Sumler : acoustic guitar, background vocals
Tucker Bradley : background vocals
Rock Romane : background vocals, bass
Rey Bell : bass
Charlie Bickley : bass
Paul Hamilton : bass, electric guitar
Heck Doolin : electric guitar
Joe Lynch : alto saxophone
Joe Dugan : piano
R.D. Crabb : piano, pedal steel
Jerry Barnett : drums
Carson Graham : drums
Buttermilk Records
今年もついに 12 月に入りました。 冬らしいアルバムを、と思って取り出したのが、Richard Dobson のアルバム。 タイトルに December とあるだけで、音的には特別に 12 月らしさはありません。 Richard Dobson はテキサス出身でスイスに在住のシンガーソングライター。 1980 年代からヨーロッパでツアーを始め、スイスの Brambus Records と契約したのを契機にスイスに移り住んだようです。 テキサスからスイスでは、言語も気候も大きく違うのに、彼がその決断をしたのは、やはり現役のミュージシャンへのこだわりなのでしょう。
さて、このアルバムは 1977 年に発表された彼のファースト・アルバム。 Butter Milk Records の最初期の作品だと思われます。 サウンド的には同時代のシンガーソングライター風味というよりはカントリーの部類に入るもので、けっして洗練されたものではありません。 個人的にも頻繁に針を落とすような作品ではありませんが、土埃の匂いのするカントリー好きな方には好まれる内容だと思います。
個人的なベストトラックはオープニングでタイトル曲の「In Texas Last December」です。 この曲は他の曲とは異なり憂いを帯びた曇り空のようなテイストです。 ミディアムな曲調のなかに、このアルバム唯一のピアノが薄くからむあたりの演奏も好みです。
アルバムは、ほのぼのした陽気な楽曲が多くを占めています。 典型的なカントリー・ワルツの「Learning To Forget You」、「Baby Ride Easy」、午後の休日のようなリラックスした「It’s Not Long」、「Bus Stop Coffee」、「In The Name Of Love」などがアルバムの輪郭を作り上げています。 そんななか、一人きりでの弾き語りのスワンプ「Close But No Cigar」や男臭い「Piece Of Wood And Steel」などが全体を引き締める役割を担っている感じです。 A 面ラストの「I’ve Got Twenty Dollar」は最もブルース色の強い楽曲で、後半に聴かれるエレキギターのソロは中々の熱演です。 こうした演奏を支えているバックミュージシャンの数も多いことから、Richard Dobson は Butter Milk Records の中心的な存在だったのではないかと思います。 Townes Van Zandt からのコメントをジャケット裏面に載せるあたりからも、ミュージシャン仲間での絆も深かったことが想像できます。
冒頭にも書きましたが、Richard Dobson は現役で活動を続けています。 公式ページを見ると、1995 年以降、スイスの Brambus Records から 8 枚ものアルバムをリリースしています。 その多作ぶりにも驚きますが、それは彼がヨーロッパでは一定の人気を維持している表れなのでしょう。
最語にこのアルバムがリリースされた Butter Milk Records というマイナー・レーベルについ少々。 このレーベルの作品としては、以前このブログで取り上げた Bruce D. McElheny の「For The Record」があります。 この作品も独特の佇まいと、彼の唯一のレコードであることも手伝って、なかなか捨てがたい魅力を持ったレコードになっています。 Butter Milk Records の作品は、この 2 枚しか持っていませんが、まだまだ埋もれた作品が眠っていそうな気配です。
■Richard Dobson / In Texas Last December■
Side-1
In Texas Last December
Learning To Forget You
It’s Not Long
Close But No Cigar
I’ve Got Twenty Dollar
Side-2
Baby Ride Easy
Piece Of Wood And Steel
Bus Stop Coffee
In The Name Of Love
Recorded at Rampart Recording Studio, Houston, Texas
`Bus Stop Coffe’ written by Dennis Sanchez
All Other Songs by Richard Dobson
Richard Dobson : acoustic guitar, vocals
Mickey White : acoustic guitar
Mike Sumler : acoustic guitar, background vocals
Tucker Bradley : background vocals
Rock Romane : background vocals, bass
Rey Bell : bass
Charlie Bickley : bass
Paul Hamilton : bass, electric guitar
Heck Doolin : electric guitar
Joe Lynch : alto saxophone
Joe Dugan : piano
R.D. Crabb : piano, pedal steel
Jerry Barnett : drums
Carson Graham : drums
Buttermilk Records
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