■Joseph Nicoletti / Joseph■
カリフォルニアというと陽気で明るい雰囲気から、能天気なハードロックとか爽やかな AOR をイメージしがちですが、人知れずマニアックな SSW が出没しているようです。 このブログでも以前に Jon Tabakin や Eric Relph といった奇才のアルバムを紹介してきましたが、今日取り上げる Joseph Nicoletti も同じカテゴリーに位置付けられるミュージシャンです。 とはいえ、彼ら 2 人に比類するほどのレベルかというとそれも微妙ということで、このアルバムを紹介しているサイトは Google で検索しても全く見つかりませんでした。
このアルバムが不幸なのは、1 曲目「Streetwise」の駄目さ加減が際立っていることです。 どうすればここまで格好悪くアレンジできるのかと思うほどの、いなたいロックナンバーですが、それを助長しているのが古臭い ARP っぽいシンセの音です。 つづく「Lifetime Fantasy Dancer」もタイトルからしてセンスが感じられないバラード。 いまひとつしっくりこないのは、Joseph Nicoletti のボーカルに粘り気があり、さらっとしたテイストが全くないからです。 最も近い声質とか歌い方は、つのだ☆ひろ、といってもいいくらいですから。 これが、Ned Doheny のようなボーカルだったら、全く違った風景が広がって見えることでしょう。 さて、こんな酷評を続けていたらアルバムはどんなひどいものになってしまうのかと心配になってしまいますね。 しかし、徐々に慣れてくると曲の出来も良く感じられてくるのが不思議なところです。 「Part-Time Believer」は、Bill Champlin あたりに歌わせたいアダルトなアップ。 ピアノの音に導かれて始まる「Lullaby」はA面を代表するバラード。 Joseph のボーカルも力みが抜けて、おおらかさを感じることができます。 子どもたちは未来だという「Children Are The Future」は、一気にメロウな AOR というムード。 おそらく、クラブ DJ がこのアルバムを聴いたら、この曲をチョイスするだろうなというクオリティです。 最初の 2 曲は何だったんだ!というA面ですね。
B 面に入ると、尻上がりに調子が上がってくるこのアルバムの特徴が如実に表れてきます。 「Night-Time Stars」は、サンバのリズムをベースにしたグルーヴ感あふれるミディアム。 サックスのソロや二人のパーカッション、弾けるベースなどインスト・パートの充実も光ります。 つづく「On The Wings Of Love」も、メロウなミディアム。 どこに出しても恥ずかしくないクオリティの爽やかなナンバーです。 「Music Man’s Lady」も同じ流れを汲んだミディアム。 この B 面の流れのスムースなところが、このアルバムのハイライトでもあり、最大の魅力となっています。 しかし、「音楽家の彼女」と言われても、どんな歌詞なのでしょうか。 ラストの「Gypsy」は、リズムがちょっとラテンな感じでリゾート感覚あふれるサウンドとなっています。 B 面は 4 曲しかなく、トータルで 15 分に満たないのですが、この B 面のサウンドが Joseph Nicoletti の真の姿なのです。 それだけに、1 曲目の「Streetwise」は残念です。 このアルバムを聴くには、A 面の 4 曲目「Lullaby」あたりから針を落とせば十分という気すらします。 それでは、20 分ちょっとで終わってしまいますけど。
最後にこのアルバムのクレジットをおさらいしておきましょう。 Joseph Nicoletti は、Eric Relph で有名というよりは MTV のセレブ・ドラマで有名なラグーナ・ビーチ出身とのことです。 この作品以外にレコードをみたことのない Starborne Records の創業者は Ed Taub という人物ですが、彼のこともよくわかりません。ただ、クレジットには、この両名がタッグを組んで Joseph Nicoletti という稀有な才能を世に送り出すと誇らしげに書かれています。 どれだけの人がこのレコードを手にしたかは知る由もありませんが、1977 年に発表されたこのアルバムは、ごく微量ながらも不思議なオーラを放っているように感じてなりません。
■Joseph Nicoletti / Joseph■
Side-1
Streetwise
Lifetime Fantasy Dancer
Part-Time Believer
Lullaby
Children Are The Future
Side-2
Night-Time Stars
On The Wings Of Love
Music Man’s Lady
Gypsy
Songwriter – Singer : Joseph Nicoletti
Arranger : Joseph Nicoletti
Producer : Joseph Nicoletti
Keyboards : Charles Otwell , Robert Cammack , Dev Donnelly
Lead Guitar : Greg Arregiuin Jawxillion
Bass Guitar : Ken Walters , Charles Ewing , Don Velazquez
Rhythm Guitar : Joseph Nicoletti
Drums : Tony Morales , Greg Edalatpour , John Ferro
Percussion : Alex Gutierrez , Paul Kriebick
Horns : Michael Morera
Lead Vocals : Joseph Nicoletti
Back-up Vocals : Colleen Harvey , Jiseph Nicoletti
Starborne Records S-2001
カリフォルニアというと陽気で明るい雰囲気から、能天気なハードロックとか爽やかな AOR をイメージしがちですが、人知れずマニアックな SSW が出没しているようです。 このブログでも以前に Jon Tabakin や Eric Relph といった奇才のアルバムを紹介してきましたが、今日取り上げる Joseph Nicoletti も同じカテゴリーに位置付けられるミュージシャンです。 とはいえ、彼ら 2 人に比類するほどのレベルかというとそれも微妙ということで、このアルバムを紹介しているサイトは Google で検索しても全く見つかりませんでした。
このアルバムが不幸なのは、1 曲目「Streetwise」の駄目さ加減が際立っていることです。 どうすればここまで格好悪くアレンジできるのかと思うほどの、いなたいロックナンバーですが、それを助長しているのが古臭い ARP っぽいシンセの音です。 つづく「Lifetime Fantasy Dancer」もタイトルからしてセンスが感じられないバラード。 いまひとつしっくりこないのは、Joseph Nicoletti のボーカルに粘り気があり、さらっとしたテイストが全くないからです。 最も近い声質とか歌い方は、つのだ☆ひろ、といってもいいくらいですから。 これが、Ned Doheny のようなボーカルだったら、全く違った風景が広がって見えることでしょう。 さて、こんな酷評を続けていたらアルバムはどんなひどいものになってしまうのかと心配になってしまいますね。 しかし、徐々に慣れてくると曲の出来も良く感じられてくるのが不思議なところです。 「Part-Time Believer」は、Bill Champlin あたりに歌わせたいアダルトなアップ。 ピアノの音に導かれて始まる「Lullaby」はA面を代表するバラード。 Joseph のボーカルも力みが抜けて、おおらかさを感じることができます。 子どもたちは未来だという「Children Are The Future」は、一気にメロウな AOR というムード。 おそらく、クラブ DJ がこのアルバムを聴いたら、この曲をチョイスするだろうなというクオリティです。 最初の 2 曲は何だったんだ!というA面ですね。
B 面に入ると、尻上がりに調子が上がってくるこのアルバムの特徴が如実に表れてきます。 「Night-Time Stars」は、サンバのリズムをベースにしたグルーヴ感あふれるミディアム。 サックスのソロや二人のパーカッション、弾けるベースなどインスト・パートの充実も光ります。 つづく「On The Wings Of Love」も、メロウなミディアム。 どこに出しても恥ずかしくないクオリティの爽やかなナンバーです。 「Music Man’s Lady」も同じ流れを汲んだミディアム。 この B 面の流れのスムースなところが、このアルバムのハイライトでもあり、最大の魅力となっています。 しかし、「音楽家の彼女」と言われても、どんな歌詞なのでしょうか。 ラストの「Gypsy」は、リズムがちょっとラテンな感じでリゾート感覚あふれるサウンドとなっています。 B 面は 4 曲しかなく、トータルで 15 分に満たないのですが、この B 面のサウンドが Joseph Nicoletti の真の姿なのです。 それだけに、1 曲目の「Streetwise」は残念です。 このアルバムを聴くには、A 面の 4 曲目「Lullaby」あたりから針を落とせば十分という気すらします。 それでは、20 分ちょっとで終わってしまいますけど。
最後にこのアルバムのクレジットをおさらいしておきましょう。 Joseph Nicoletti は、Eric Relph で有名というよりは MTV のセレブ・ドラマで有名なラグーナ・ビーチ出身とのことです。 この作品以外にレコードをみたことのない Starborne Records の創業者は Ed Taub という人物ですが、彼のこともよくわかりません。ただ、クレジットには、この両名がタッグを組んで Joseph Nicoletti という稀有な才能を世に送り出すと誇らしげに書かれています。 どれだけの人がこのレコードを手にしたかは知る由もありませんが、1977 年に発表されたこのアルバムは、ごく微量ながらも不思議なオーラを放っているように感じてなりません。
■Joseph Nicoletti / Joseph■
Side-1
Streetwise
Lifetime Fantasy Dancer
Part-Time Believer
Lullaby
Children Are The Future
Side-2
Night-Time Stars
On The Wings Of Love
Music Man’s Lady
Gypsy
Songwriter – Singer : Joseph Nicoletti
Arranger : Joseph Nicoletti
Producer : Joseph Nicoletti
Keyboards : Charles Otwell , Robert Cammack , Dev Donnelly
Lead Guitar : Greg Arregiuin Jawxillion
Bass Guitar : Ken Walters , Charles Ewing , Don Velazquez
Rhythm Guitar : Joseph Nicoletti
Drums : Tony Morales , Greg Edalatpour , John Ferro
Percussion : Alex Gutierrez , Paul Kriebick
Horns : Michael Morera
Lead Vocals : Joseph Nicoletti
Back-up Vocals : Colleen Harvey , Jiseph Nicoletti
Starborne Records S-2001
I cannot find the music here in the USA>
Domo Arigato!
Joseph Nicoletti, Reflections of Tomorrow