■Ron Nigrini / Ron Nigrini■
8 月に入ってようやく梅雨明けです。 昨日はそんな梅雨明けにふさわしい爽快な青空が広がりました。 そんな青空と梅雨明けを記念して、今日のレコードをピックアップしてみました。 ジャケットの写る空の青さはなかなかお目にかかれるものではありませんね。 この青空が風の強い冬の日のものか、高気圧の下降気流に圧倒されている真夏のものなのかを議論した人たちが、かつて存在したかどうかはわかりませんが、Ron Nigrini の軽装具合から、冬のものではないと思います。 その確信もあって、今日のセレクトとなった次第です。 かなり強引ですが。
さて、そんなアルバムは、Ron Nigrini の人当たりの良さ、誠実さ、音楽への情熱といったエッセンスがうまく溶け合った内容になっています。 カナダの Jackson Browne と言ったら、誰かに怒られてしまいそうですが、そんな表現がぴったりではないでしょうか。
さっそく各々の楽曲をレビューして見ましょう。 オープニングを飾る「Lost In Colorado」は、軽やかなフォークロックで、ペダルスティールがジャケットのような爽やかに響く曲。 つづく 「For Someone On The Road」はほんわかした二拍子です。 アップテンポのオールドタイム・ジャグといった趣。の「Signs」は、ラストにちょっとしたアイディアを忍ばせています。 「Simply Flowers」はRon Nigrini のギター弾き語りによるシンプルな曲。 彼の素朴で親しみやすいボーカルが堪能できます。 シンプルな二拍子「Letters」を挟んでA面ラスト「Horses」へ。 この曲は以前ブログで紹介した、Michal Hasek がカバーした曲のオリジナルにあたります。 A 面ラストを締めくくるにふさわしい雄大なスケール感と人なつっこい温もりを併せ持った名曲といえるでしょう。
B 面に移りましょう。 冒頭の「Think Of All The Good Things」は、54 秒しかない短い曲。 弾き語りのみの朴訥とした曲がすぐにフェードアウトしてしまうという大胆な展開です。 重なるようにアコギのシンプルな導入から「Red Clouds」が始まります。 アルバムのなかでは珍しく翳りとか孤独感を感じる落ち着いた楽曲ですが、センスのあるバックの演奏も含めて、アルバムの代表曲のひとつでしょう。 Dennis Linde 作の「Kitty Starr」もそよ風のような優しい楽曲。 フェードアウト間際のピアノの音色が新鮮に響きます。 つづく「Song Of The Sprit」は 1 分 12 秒という小曲。インタリュードのような扱いです。 そして、同郷の The Band の代表的な名曲「The Night They Drove Old Dixie Down」でアルバムは幕を閉じます。 Ron Nigrini がデビューアルバムにして、この曲をカバーし、ラストに持ってきた意味合いは決して軽いものでないはずです。 リスナーとして、それは判っているつもりですが、それを凌駕して、このカバーの出来は素晴らしいものがあります。 オリジナルの持つ埃っぽさや男臭さを完全に払拭せずに、Ron Nigrini の声質にあったアレンジが施されているといったところでしょうか。 このラストの充実さもあり、このアルバムはカナダの SSW を語るには外せないものになっています。
いつものように、Ron Nigrini の近況を調べてみました。 すると、公式ページがすぐにみつかり、すっかり白髪になった彼の近影を見ることもできました。 彼は 1975 年のこのデビュー作以降、2002 年の最新作「Songs From Turtle Island」まで、わずか 5 枚のオリジナル・アルバムしか発表していないようです。 かなりの寡作ということから、ビジネスとしての成功とはほど遠い音楽人生だったことが想像できますが、ヒットや成功・知名度といった要素が、音楽そのものにとってはたいしたことでないことを彼自身が良く知っているように思えてなりません。
■Ron Nigrini / Ron Nigrini■
Side-1
Lost In Colorado
For Someone On The Road
Signs
Simply Flowers
Letters
Horses
Side-2
Think Of All The Good Things
Red Clouds
Kitty Starr
Song Of The Sprit
The Night They Drove Old Dixie Down
Production : Dennis Murphy
Arrangement : Dennis Murphy and Ron Nigrini
Recording : Phil Sheridan at Thunder Sound , Toronto
All Songs written by Ron Nigrini except ‘Kitty Starr’ by Denis Linde , ‘The Night They Drove Old Dixie Down’ by J. Robbie Robertson
Ron Nigrini : lead vocals , acoustic guitars , dulcimers , background vocals
Paul Fortier : bass , background vocals
Ken Harris : harmonica , background vocals
Don Heard : electric guitar , acoustic guitar
Bob Moore : drums , percussion
Larry Good : banjo on ‘Horses’
Pat Godfrey : piano on ‘Kitty Starr’ and ‘For Someone On The Road’
Bob Lucier : pedal steel on ‘Lost In corolado’
Brent Orenstein : kalimba on ‘Red Clouds’
Kim Perry : feet on ‘Signs’
Live Bat and Tackle : Sarah Ellen Dunlop and Cheryl Roth) background vocals on ‘For Someone On The Road’ , ‘Signs’ and ‘The Night They Drove Old Dixie Down’
Attic Records LAT-1000
8 月に入ってようやく梅雨明けです。 昨日はそんな梅雨明けにふさわしい爽快な青空が広がりました。 そんな青空と梅雨明けを記念して、今日のレコードをピックアップしてみました。 ジャケットの写る空の青さはなかなかお目にかかれるものではありませんね。 この青空が風の強い冬の日のものか、高気圧の下降気流に圧倒されている真夏のものなのかを議論した人たちが、かつて存在したかどうかはわかりませんが、Ron Nigrini の軽装具合から、冬のものではないと思います。 その確信もあって、今日のセレクトとなった次第です。 かなり強引ですが。
さて、そんなアルバムは、Ron Nigrini の人当たりの良さ、誠実さ、音楽への情熱といったエッセンスがうまく溶け合った内容になっています。 カナダの Jackson Browne と言ったら、誰かに怒られてしまいそうですが、そんな表現がぴったりではないでしょうか。
さっそく各々の楽曲をレビューして見ましょう。 オープニングを飾る「Lost In Colorado」は、軽やかなフォークロックで、ペダルスティールがジャケットのような爽やかに響く曲。 つづく 「For Someone On The Road」はほんわかした二拍子です。 アップテンポのオールドタイム・ジャグといった趣。の「Signs」は、ラストにちょっとしたアイディアを忍ばせています。 「Simply Flowers」はRon Nigrini のギター弾き語りによるシンプルな曲。 彼の素朴で親しみやすいボーカルが堪能できます。 シンプルな二拍子「Letters」を挟んでA面ラスト「Horses」へ。 この曲は以前ブログで紹介した、Michal Hasek がカバーした曲のオリジナルにあたります。 A 面ラストを締めくくるにふさわしい雄大なスケール感と人なつっこい温もりを併せ持った名曲といえるでしょう。
B 面に移りましょう。 冒頭の「Think Of All The Good Things」は、54 秒しかない短い曲。 弾き語りのみの朴訥とした曲がすぐにフェードアウトしてしまうという大胆な展開です。 重なるようにアコギのシンプルな導入から「Red Clouds」が始まります。 アルバムのなかでは珍しく翳りとか孤独感を感じる落ち着いた楽曲ですが、センスのあるバックの演奏も含めて、アルバムの代表曲のひとつでしょう。 Dennis Linde 作の「Kitty Starr」もそよ風のような優しい楽曲。 フェードアウト間際のピアノの音色が新鮮に響きます。 つづく「Song Of The Sprit」は 1 分 12 秒という小曲。インタリュードのような扱いです。 そして、同郷の The Band の代表的な名曲「The Night They Drove Old Dixie Down」でアルバムは幕を閉じます。 Ron Nigrini がデビューアルバムにして、この曲をカバーし、ラストに持ってきた意味合いは決して軽いものでないはずです。 リスナーとして、それは判っているつもりですが、それを凌駕して、このカバーの出来は素晴らしいものがあります。 オリジナルの持つ埃っぽさや男臭さを完全に払拭せずに、Ron Nigrini の声質にあったアレンジが施されているといったところでしょうか。 このラストの充実さもあり、このアルバムはカナダの SSW を語るには外せないものになっています。
いつものように、Ron Nigrini の近況を調べてみました。 すると、公式ページがすぐにみつかり、すっかり白髪になった彼の近影を見ることもできました。 彼は 1975 年のこのデビュー作以降、2002 年の最新作「Songs From Turtle Island」まで、わずか 5 枚のオリジナル・アルバムしか発表していないようです。 かなりの寡作ということから、ビジネスとしての成功とはほど遠い音楽人生だったことが想像できますが、ヒットや成功・知名度といった要素が、音楽そのものにとってはたいしたことでないことを彼自身が良く知っているように思えてなりません。
■Ron Nigrini / Ron Nigrini■
Side-1
Lost In Colorado
For Someone On The Road
Signs
Simply Flowers
Letters
Horses
Side-2
Think Of All The Good Things
Red Clouds
Kitty Starr
Song Of The Sprit
The Night They Drove Old Dixie Down
Production : Dennis Murphy
Arrangement : Dennis Murphy and Ron Nigrini
Recording : Phil Sheridan at Thunder Sound , Toronto
All Songs written by Ron Nigrini except ‘Kitty Starr’ by Denis Linde , ‘The Night They Drove Old Dixie Down’ by J. Robbie Robertson
Ron Nigrini : lead vocals , acoustic guitars , dulcimers , background vocals
Paul Fortier : bass , background vocals
Ken Harris : harmonica , background vocals
Don Heard : electric guitar , acoustic guitar
Bob Moore : drums , percussion
Larry Good : banjo on ‘Horses’
Pat Godfrey : piano on ‘Kitty Starr’ and ‘For Someone On The Road’
Bob Lucier : pedal steel on ‘Lost In corolado’
Brent Orenstein : kalimba on ‘Red Clouds’
Kim Perry : feet on ‘Signs’
Live Bat and Tackle : Sarah Ellen Dunlop and Cheryl Roth) background vocals on ‘For Someone On The Road’ , ‘Signs’ and ‘The Night They Drove Old Dixie Down’
Attic Records LAT-1000
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