Reflections of Tomorrow

シンガーソングライターを中心に、知られざる未CD化レコードを紹介していくページです

Joe Droukas And His Crazy Man Band

2006-04-16 | SSW
■Joe Droukas And His Crazy Man Band / Goodbye Joe Drake■

 このブログを開設してから温めていた企画があります。 今日は、その企画第 1 弾を 3日連続で(毎日というわけではありませんが)スタートしたいと思います。
 その企画は、「レーベル特集」です。 この Joe Droukas でレーベルが分かる人はかなりの通だと思いますが、これから紹介するレーベルは Sweet Fortune Records です。 「何か身に覚えがあるな」という方もいるかもしれません。 その方はおそらく、Sweet Fortune の歌姫 Susan Pillsbury を通じてなのではないでしょうか? もちろん、彼女のアルバムも後日取り上げますのでお楽しみに。
 Sweet Fortune Records は 1973 年に、たった3枚のアルバムしか残さなかったマイナーレーベルです。 ディスコグラフィーは以下のとおりです。
 ① SFS-801 Joe Droukas And His Crazy Man Band / Goodbye Joe Drake
 ② SFS-802 Bob Sanders / Scraps And Napkins
 ③ SFS-804 Susan Pillsbury / Susan Pillsbury
 ちなみに、SFS-803 は欠番です。 10 年以上探しましたが、見つからずに僕は欠番だと判断しました。 同レーベルでは、「Inner Space」や「Expedition」というソウル系らしきグループがシングルをリリースしているので、どちらかのグループのアルバムが予定されていたのだと推測します。 

 さて、話はこのアルバムに移りましょう。 このアルバムは、Joe Droukas のファーストアルバムです。 彼は 1975年にソロ名義で Southwind というレーベルからセカンドアルバム「Shadowboxing」を発表しています。 このアルバムもいつか取り上げるかもしれませんが、ちょっと先になるかもしれません。 そんな Joe Droukas ですが、実は、Sweet Fortune Records 出身でセカンドアルバムを残すことができたのは、彼だけなのです。 レーベル名「甘い幸せ」とは見事に対照的です。
 アルバムはファンキーなピアノが印象的なナンバー「Thyroid Eyes」で始まります。 この曲でJoe Droukas の男臭いボーカルが判明します。 ジャケットの顔から予想したとおり、スワンプ系のサウンドですが、僕にとって、あまり好みの声ではないのですが、この曲はアルバムの冒頭を飾るにはかなりいい曲で、イントロの感じは、「Faces」の名曲「Stay With Me」に雰囲気が似ているように思いました。
 以降、A 面はスワンプ調とカントリー調の曲が交互に出てくる展開です。 なかでも明るめのスワンプ「Red Roses」は Hugh McCracken と David Spinozza の控えめなサポートが光ります。 そして、レーベルタイトルにもなったと思われる注目の曲「Sweet Fortune」が続きます。 この曲からレーベル名が生まれたと推測されるので、かなり期待したいところですが、この曲は特にこれということのない普通の曲で、かなり拍子抜けしてしまいます。 
 B 面は、すべての Musician に捧げるとコメントされたナンバー「Crazy Man Band」で始まります。 これもノーマルなミディアムナンバー。 彼のような声質は、もっと R&B のようなサウンドが似合うと思うのですが。 つづいて Toots Thielman によるノスタルジックなハーモニカで始まる「With My Back To The Wind」が始まります。 この曲は早世したすべての人に捧げるという曲なのですが、さきほどの曲といいこの曲といい Joe Droukas は捧げる相手が大げさすぎですね。 

 ラストのアルバムタイトル曲「Goodbye Joe Drake」は、他の曲が全部4分未満だったのに対し、唯一 5 分ある曲です。 全編ピアノの伴奏に Joe のボーカルが味わい深く重なるラストにふさわしい楽曲です。 歌詞カードがないので何とも言えませんが、楽曲説明のショートコメントによると、この曲は自身の原点回帰を歌った曲のようです。 というのも彼の本名は、Joe Droukas なのですが 1969 年まで、Joe Drake と名乗っていたようなのです。 移民の多いアメリカでは、母国名を英語っぽい表記に名前を変える人が多いことは知っています。 Joe Droukas もおそらく、そうだったのかそれに近い事情によって、長い間 Joe Drake と名乗っていたようなのです。 それを 1969 年に本名に戻したことを歌にしたのが、この曲「Goodbye Joe Drake」だったのです。



■Joe Droukas And His Crazy Man Band / Goodbye Joe Drake■

Side-1
Thyroid Eyes
Yankee Trader
Indian Song
Sunday Song
Red Roses
Sweet Fortune

Side-2
Crazy Man Band
With My Back To The Wind
Goodbyes
Something Strange
Goodbye Joe Drake

All Songs Written by Joe Droukas
Produced by Eddie Jason

Ken Ascher : keyboards , moog
Joe Droukas : acoustic guitar
Marc ‘Sparky’ Elbaum : flute
Joe Grimm : Bari Sax
Marky Markowitz : trumpet
Rick Marotta : drums
Hugh McCracken : electric and acoustic guitar
Paul Prestopino : banjo and dobro
Alan Raph : trombone
David Spinozza : electric guitar
Toots Thielman : mouth harp
Stu Woods : bass

Singers : Lori Burton , Bob ‘Mad Dog’ Power , Dennis Ferrante
Arrangements by Eddie Jason and Joe Droukas
Horn Arrangements by Ken Ascher

Recorded at The Record Plant , New York City

Sweet Fortune Records SFS-801



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