Reflections of Tomorrow

シンガーソングライターを中心に、知られざる未CD化レコードを紹介していくページです

Ric Masten

2010-02-11 | SSW
■Ric Masten / Time Like These■

  数多くの作品を残している Ric Masten が 1977 年に発表したライブ盤。 正式なタイトルは、「Time Like These with Ric Masten」という作品です。 彼のディスコグラフィーが紹介されたサイトを発見しましたが、ほとんどの作品がライブアルバムという珍しいミュージシャンであることが判りました。 彼は、A Stand-up Poet, A Teller of Tales と称される人物であり、音楽家というカテゴリーにあてはまらない活動を行っていたようです。 僕には朗読している詩の内容は聞き取れませんが、ときおり爆笑がおこる様子からはシニカルな風刺や批判が盛り込まれているように感じます。 単純なお笑いではないですね。

  Ric Masten はその朗読を、Poem や Rap と表現してアルバムのクレジットに明記しています。 あらかじめ完成された作品の朗読が Poem、即興性の高いおしゃべりを Rap として区別しているのではないかと思いますが、定かではありません。 こうした Poem と Rap によって、アルバムを通して聴くのは辛いものがあります。 さだまさしのライブを日本語のわからない外国人が聴いて笑えるわけがありません。 
  そのなかで純粋に楽曲として聴けるのは、 A 面では「Down In The Kitchen」、「My Youngest Daughter」くらいです。
  B 面は Poem/Rap が少ないのでそれなりに向き合える内容になっています。 とくに「In A Telephone Booth」、「Clarity」、「Happening Again」と続く3 曲はオーソドックスなギターの弾き語りとなっています。 ライブ録音なのに拍手がフェードアウトせずに、カットアウトされる粗雑さは残念ですが。 Poem を挟んで始まる「Lonliness」はしんみりしたバラードで、切なさが染み込む仕上がりです。 ラストの「Stand Up In The Boat And Sing A Song Cause We’re Going Over The Falls」は、タイトル通りの陽気なミディアムでした。

  このアルバムには珍しく販売価格がジャケットに印刷されています。 その値段は5.25 ドル。 4 枚以上まとめて買うと、5 枚目からは 1 枚につき4.00 ドルというボリューム・ディスカウントもついてくるというアイディアも面白いですが、正直言って効果があったのかは微妙でしょうね。 

  アメリカの吟遊詩人とも言える Ric Masten の作品はこれしか持っていませんが、他の作品まで手を出すことにはならないと思います。  モノクロームの海辺が美しいジャケットだったことが購入動機でしたが、日本人には不向きの作品でした。 彼の魅力はネイティブ・アメリカンにしか伝わらないのでしょう。

■Ric Masten / Time Like These■

Side 1
Down In The Kitchen
Fred And Grace
Marvin
My Youngest Daughter / In My Own Funny Way
Captain Happy

Side 2
In A Telephone Booth
Clarity
Happening Again
Dancers And Whales / Lonliness
Stand Up In The Boat And Sing A Song Cause We’re Going Over The Falls

Production Supervisor : Ralph J.Hall
Recording Engineer : Howard Larman

Recorded live at the Unitarian Universalist Society , in Sepulveda, California
Distributed by Unitarian Universalist Records




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