■西岡たかし / 田舎町のうまい酒■
いよいよ11月。 秋になると聴きたくなるアルバムということで、取り出したのが西岡たかしのソロアルバム「田舎町のうまい酒」です。 ご存知のとおり、西岡たかしは「五つの赤い風船」の中心メンバー。 グループ解散後はソロ活動を積極的に展開し、1970 年代には 1年に 1枚ペースでアルバムをリリースしていました。
このアルバムが発表されたのは、1979 年 9月、僕が高校一年生の時ということで、出会いはリアルタイムです。 ただ、貸レコードで借りてダビングしたカセットで聴いていたので、レコードを入手したのは、10年くらい前の中古レコード店でのこと。 ちょうど、その頃、持っていたカセットを全部処分してしまったので、見つけたときには躊躇なくレジに向かいました。
このアルバムを聴くきっかけになったのは、NHK FM ラジオでした。 番組名は覚えていませんが、西岡たかしがゲストに来て、スタジオライブを行ったのです。 そこで演奏されたのが、このアルバムに収録されている「秋」、「天草の思い出」、「あした」だったと思います。 いずれもセンチメンタルな楽曲で、多感な高校生だった自分にとっては季節感も含めて、じわっと響くものがありました。 今もその印象は変わりませんね。 ちょっと胸がキュンとしてしまいます。
アルバムは A面の完成度が高く、捨て曲がない一方、B 面はやや散漫になってしまっていると思います。 ギターの弾き語りでセルフ・アレンジの「あした」はフォーキーな名曲。 さりげないメッセージ性とシンプルさが同居した西岡ワールドの真骨頂だと思います。 「秋」や「天草の思い出」は、ドリーミーなポップとしては出色の出来。 特に「秋」はイントロのエレピ、シンセのメロ、薄く入る女性コーラスなど、槌田靖識のアレンジが冴え渡っています。 ごく稀に発見することのできる「完璧な曲」の部類に入れてもおかしくないと思っています。 「天草の思い出」も歌詞とメロ、アレンジの調和が見事ですね。 半分がポエトリー・リーディングとなっている「八千代旅館」は、旅情豊な曲。 つづく、「幸福」は我が子への愛情に満ち溢れた内容。 高校生の頃にはピンと来なかった歌詞も、3 歳の娘がいる今の自分には全然違って聴こえてきます。 この曲もいいですね。
B 面では、「不幸せのとなり」や「バーミリオン・カラー」といった曲が A面からの流れを考えると違和感を覚えてしまいやや残念です。 アルバムのタイトル曲でもあり、シングル曲でもあった「田舎町のうまい酒」は、しっとり系のワルツをバックに、饒舌な酒場での風景が描かれた曲。 本人が実際に、こんなおやじと酒を酌み交わした経験があるのか、全くのフィクションかはわかりませんが、西岡たかしの温かな人柄をよく表していると思います。
僕はこのレコードのことを 25年以上好きだったのに、なぜか西岡たかしの他のソロ作品をまったく聴いたことがありません。 自分でも何故なんだろうと思ってしまいますが、70 年代初期のソロアルバムは 10月 25日にビクターから紙ジャケで再発されたようです。 70 年代後期のアルバム「私の耳はロバの耳」、「モス」、「田舎町のうまい酒」、「らいふ」は CD化されていません。 きっと第 2弾があるのだと信じたいです。
それまでの間、この「田舎町のうまい酒」の音源を CD で聴くことができるのは、「西岡たかし・五つの赤い風船BOX」という 5枚組です。 この中には僕の好きな「あした」、「幸福」は入っていませんが、「秋」、「天草の思い出」、「八千代旅館」、「背中」、「秋と言えば」、「田舎町のうまい酒」が収録されています。 このボックスを買うか、オリジナルの復刻を待つか、新たな悩みが生まれてしまいました。
■西岡たかし / 田舎町のうまい酒■
Side-1
あした
秋
天草の思い出
八千代旅館
幸福(しあわせ)
Side-2
背中
秋と言えば
不幸せのとなり
バーミリオン・カラー
田舎町のうまい酒
Produced by 西岡たかし
Words & Music by 西岡たかし
Arranged by 西岡たかし Side-1 ①④ 、槌田靖識 Side-1②③⑤、Side-2①~⑤
Directed by 金子秀昭
Drums : 市原やすし、宮崎まさひろ
E.Bass : 金田一昌吾、高水健司
E. Guitar : 松原正樹、安川ひろし
F.Guitar : 西岡たかし、吉川忠英、金城良吾
G.Guitar : 杉本喜代志
Guitar Synthesizer : 矢島賢
Keyboards : 栗林稔、倉田信雄、鈴木宏二
Trumpet : 羽鳥グループ
Trombone : チャンピオン・グループ
S.Sax , A.Flute , Flute , Harmonica , Clarinet : 村岡健
Female Chorus : フィーリングフリー
Female Voice : 川島和子
Male Chorus & Hand Claps : 安川ひろし、槌田靖識、田余尾裕俊、田中孝行、金子秀昭
Recorded at Victor Studio , July 7-11 , 1979
ビクター SJX-20159
いよいよ11月。 秋になると聴きたくなるアルバムということで、取り出したのが西岡たかしのソロアルバム「田舎町のうまい酒」です。 ご存知のとおり、西岡たかしは「五つの赤い風船」の中心メンバー。 グループ解散後はソロ活動を積極的に展開し、1970 年代には 1年に 1枚ペースでアルバムをリリースしていました。
このアルバムが発表されたのは、1979 年 9月、僕が高校一年生の時ということで、出会いはリアルタイムです。 ただ、貸レコードで借りてダビングしたカセットで聴いていたので、レコードを入手したのは、10年くらい前の中古レコード店でのこと。 ちょうど、その頃、持っていたカセットを全部処分してしまったので、見つけたときには躊躇なくレジに向かいました。
このアルバムを聴くきっかけになったのは、NHK FM ラジオでした。 番組名は覚えていませんが、西岡たかしがゲストに来て、スタジオライブを行ったのです。 そこで演奏されたのが、このアルバムに収録されている「秋」、「天草の思い出」、「あした」だったと思います。 いずれもセンチメンタルな楽曲で、多感な高校生だった自分にとっては季節感も含めて、じわっと響くものがありました。 今もその印象は変わりませんね。 ちょっと胸がキュンとしてしまいます。
アルバムは A面の完成度が高く、捨て曲がない一方、B 面はやや散漫になってしまっていると思います。 ギターの弾き語りでセルフ・アレンジの「あした」はフォーキーな名曲。 さりげないメッセージ性とシンプルさが同居した西岡ワールドの真骨頂だと思います。 「秋」や「天草の思い出」は、ドリーミーなポップとしては出色の出来。 特に「秋」はイントロのエレピ、シンセのメロ、薄く入る女性コーラスなど、槌田靖識のアレンジが冴え渡っています。 ごく稀に発見することのできる「完璧な曲」の部類に入れてもおかしくないと思っています。 「天草の思い出」も歌詞とメロ、アレンジの調和が見事ですね。 半分がポエトリー・リーディングとなっている「八千代旅館」は、旅情豊な曲。 つづく、「幸福」は我が子への愛情に満ち溢れた内容。 高校生の頃にはピンと来なかった歌詞も、3 歳の娘がいる今の自分には全然違って聴こえてきます。 この曲もいいですね。
B 面では、「不幸せのとなり」や「バーミリオン・カラー」といった曲が A面からの流れを考えると違和感を覚えてしまいやや残念です。 アルバムのタイトル曲でもあり、シングル曲でもあった「田舎町のうまい酒」は、しっとり系のワルツをバックに、饒舌な酒場での風景が描かれた曲。 本人が実際に、こんなおやじと酒を酌み交わした経験があるのか、全くのフィクションかはわかりませんが、西岡たかしの温かな人柄をよく表していると思います。
僕はこのレコードのことを 25年以上好きだったのに、なぜか西岡たかしの他のソロ作品をまったく聴いたことがありません。 自分でも何故なんだろうと思ってしまいますが、70 年代初期のソロアルバムは 10月 25日にビクターから紙ジャケで再発されたようです。 70 年代後期のアルバム「私の耳はロバの耳」、「モス」、「田舎町のうまい酒」、「らいふ」は CD化されていません。 きっと第 2弾があるのだと信じたいです。
それまでの間、この「田舎町のうまい酒」の音源を CD で聴くことができるのは、「西岡たかし・五つの赤い風船BOX」という 5枚組です。 この中には僕の好きな「あした」、「幸福」は入っていませんが、「秋」、「天草の思い出」、「八千代旅館」、「背中」、「秋と言えば」、「田舎町のうまい酒」が収録されています。 このボックスを買うか、オリジナルの復刻を待つか、新たな悩みが生まれてしまいました。
■西岡たかし / 田舎町のうまい酒■
Side-1
あした
秋
天草の思い出
八千代旅館
幸福(しあわせ)
Side-2
背中
秋と言えば
不幸せのとなり
バーミリオン・カラー
田舎町のうまい酒
Produced by 西岡たかし
Words & Music by 西岡たかし
Arranged by 西岡たかし Side-1 ①④ 、槌田靖識 Side-1②③⑤、Side-2①~⑤
Directed by 金子秀昭
Drums : 市原やすし、宮崎まさひろ
E.Bass : 金田一昌吾、高水健司
E. Guitar : 松原正樹、安川ひろし
F.Guitar : 西岡たかし、吉川忠英、金城良吾
G.Guitar : 杉本喜代志
Guitar Synthesizer : 矢島賢
Keyboards : 栗林稔、倉田信雄、鈴木宏二
Trumpet : 羽鳥グループ
Trombone : チャンピオン・グループ
S.Sax , A.Flute , Flute , Harmonica , Clarinet : 村岡健
Female Chorus : フィーリングフリー
Female Voice : 川島和子
Male Chorus & Hand Claps : 安川ひろし、槌田靖識、田余尾裕俊、田中孝行、金子秀昭
Recorded at Victor Studio , July 7-11 , 1979
ビクター SJX-20159
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