Reflections of Tomorrow

シンガーソングライターを中心に、知られざる未CD化レコードを紹介していくページです

Scott Alarik

2006-10-24 | SSW
■Scott Alarik / With The New Prairie Ramblers■

 Swallowtail Records 特集の最終回です。 ステレオの不調によりレコードを聴くことができなくなり、投稿に間が開いてしまいました。 
 前回に引き続き、アルバムの主人公は Scott Alarik です。 品番は ST-12、発表年は 1983 年ですが、僕はこの作品を Swallowtail Record の最終リリースだと考えています。 その理由は、単純に ST-13 以降の作品が見つからないからというものなのですが、すでに 10 年近く探していて見つからないのですから、あながちいい加減な推測ではないと思っています。 また、前回に続いて Scott Alarik の作品となっているあたりも、前作「Stories」が他レーベル作品の再発だということを差し引いても、不自然なような気がします。 思い込みですかね。

 さて、そんなアルバムの内容ですが、前作よりもさらに単調で淡い世界が繰り広げられています。 ミディアムな曲調で、サビには男臭いけど優しいハーモニーが重なってくるという曲のオンパレードで、聴いているほうはかなり退屈してしまいます。 ちょっとしたアクセントがあればいいのにと思ってしまいます。 A 面では、(どこにあるのかは知りませんが)ヘネピン地方の秋を歌った「Hennepin County」や、ゆったりしたまさにプレイリー(大草原)というイメージの「Even The Hardest Old Sailors」などがいい感じ。 「The Curse Of Shawnee Gold」では、Peter Ostruoshko と Bob Douglas による珍しいツイン・マンドリン・ソロが楽しめます。
 B 面に入っても曲調には大きな変化はなく、ミネソタの大男たちの優しい歌声と演奏が果てしなく繰り広げられます。 きっとライブは素敵なのでしょうが、もっとアッパーな二拍子やワルツが無いと、少し厳しいかなあと思います。

 さて、そんなことで、ほぼ時代順で自分の持ってる Swallowtail Records のレコードを取り上げてきましたが、約束どおりに調べた完全版(?)ディスコグラフィーも掲載しました。 自分は 12 枚中で 6 枚を持っていることになるのですが、1 枚目と4 枚目の John Roberts & Tony Barrand に関しては、すでに CD で入手することができるようです。 想像するに、かなりトラッドなフォーキーではないかと思います。 Correctones String Band や Cranberry Lake は、ジャグバンドっぽいサウンドではないでしょうか? 残された Bill Steele は分かりませんが、タイトルが子どもっぽいですね。 
 こうして並べてみて、どのアルバムが一番好きかと問われたら、やはり最初に出会った Swallowtail Records 作品だという思い入れも含めて、Bill Destler になります。
 もう、10 月も後半。 僕は、週末は八ヶ岳の紅葉を楽しんできました。 ニューヨーク州イサカの街はすっかり葉が落ちてしまっているのでしょうか。

 もしも将来、イサカを訪れることがあったなら、このささやかなレーベルのことを街の人に尋ねてみたいと思います。 1970 年代に 10年以上も存続した素敵なレーベルのことを。 きっと、多くの人が「いったい何のことかい?」という顔をすると思います。 でも、もし、「あー、そのことなら向かいの喫茶店のマスターに聞いてごらん」 みたいなことになったとしたら、僕は不思議な高揚を感じながら、その古い店のドアを開けることでしょう。

 

■Scott Alarik / With The New Prairie Ramblers■

Side-1
Silk And Lace
Hennepin County
Home To Me
Even The Hardest Old Sailors
The Curse Of Shawnee Gold
Make Your Needs Known

Side-2
Maryanne
Anna Lee
Aboard The Sea Porpoise
Star Of the Country Down
All Thy Names Are One

All Songs written by Scott Alarik
Except ‘Maryanne’ and ‘Star Of the Country Down’ traditional
‘Home To Me’ by Tom Paxton , ‘All Thy Names Are One’ by Bob Zentz

Scott Alarik : lead guitar and vocals
Peter Ostruoshko : harmony vocals , fiddle , mandolin , twin mandolin , twin fiddle
Tim Hennessy : harmony vocals , second guitar
John Foster : harmony vocals , double bass , cello
Bob Douglas : mandolin

Produced by Peter Ostruoshko and Scott Alarik
Executive Producer : Phil Sharpio
Recorded at Studio M ; KSJN Minnesota Public Radio St., Minnesota

Swallowtail Records ST-12

■Swallowtail Records Discography■

ST-1 Spencer The Rover Is Alive and Well / John Roberts & Tony Barrand
ST-2 Bill Vanaber / Bill Vanaber
ST-3 September Sky / Bill Destler
ST-4 Across The Western Ocean / John Roberts & Tony Barrand
ST-5 Before Man Learned To Fly / John Bailey
ST-6 Blackeyed Suzie / Correctones String Band
ST-7 Chocolate Chip Cookies / Bill Steele
ST-8 Old-Time Jugband Music / Cranberry Lake
ST-9 Goin’ Home / Papa John Kolstad
ST-10 Lowdown Symph/ Cranberry Lake
ST-11 Stories / Scott Alarik
ST-12 With The New Prairie Ramblers / Scott Alarik



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ども (きよ)
2006-10-24 13:27:45
なんともマニアックなSwallowtail Records 特集、毎回楽しく読んでました。

先日Bill Destlerをゲットし、その内容の素晴らしさに歓喜しております。



Bill Steeleの『Garbage』というアルバムを持っています。Bay Recordsからのリリースでこちらはカリフォルニアのレーベル。

同姓同名なのかな??
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Unknown (MILKWOOD)
2006-10-29 09:52:37
お持ちのBill Steele 気になりますねえ。 今度ブログにアップしてください。
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