■Bill LaBounty / Promised Love■
夏らしいジャケットの代表格といえば、このアルバム。 AOR のなかでも、通に人気の高い Bill LaBounty が 21 世紀レコードから 1975 年に発表したファースト・ソロ・アルバムを取り出してみました。 Bill LaBounty といえば、Curb Record s時代の 3 作「This Night Won’t Last Forever」(1978)、「Rain In My Life」(1979)、「Bill LaBounty」(1982) が有名ですが、このファーストのみ未だに CD 化されていません。
あまり知られていませんが、Bill LaBounty はソロ・デビュー以前に Steve Eaton と Fat Chance というバンドを結成していました。 今から思うと、スーパー・グループのように思いますが、さほどの内容ではありません。 しかし、ここから巣立った2人がともに名盤を世に残すことになったことを考えると意義深いものを感じます。
1974 年に Steve Eaton が「Hey Mr. Dreamer」をリリースした翌年に発表された本作は、すでに Bill LaBounty の魅力であるセンチメンタルな男の哀愁が十分に感じられる作品となっています。
このアルバムには後に「This Night Won’t Last Forever」で再収録される曲が4曲収録されています。 全 9 曲ですから、その比率はかなり高いですね。 その中でも彼の代表曲のひとつ「Lie To Me」を「This Night」バージョンと聴き比べをしてみたところ、ほぼ同じだということが判明しました。 サックス・ソロの有無とかボーカルの微妙な違いはあるので、おそらくは「This Night」バージョンはオリジナルに手を加えたものか、別テイクだったのではないかと推測します。 憂いを帯びたバラード「Crazy」、「I Hope You’ll Be Very Unhappy With Me」に至ってはほぼ完全一致なのですが、このアルバムで聴くことのできるソウルフルなシルキー・コーラスが「This Night」バージョンでは切り落とされ、その代わりにストリングスなどで厚みを補充していることがわかりました。 これは、今回はじめて聴き比べて初めて発見できたことです。 残る 1 曲、「Open Your Eyes」はコーラスも含めて全く同じバージョンではないかと思います。
こうして耳慣れた 4 曲を聴き比べましたが、さすがに再録されるだけの楽曲のクオリティだという印象でした。 残る 5 曲については、まず「Take A Step (Yesterday Waltz)」が筆頭格でしょう。 ストリングスが緩やかに包み込む憂いを帯びたワルツですが、徐々に高揚するエモーションを抑える Bill LaBounty のボーカルが素晴らしく、個人的にはアルバムのハイライトです。 「Together」はディープなソウルのようなテイスト。 「Always Be Near」ノリのいいサザン・ロック風。 巷ではフリーソウル系として人気のナンバーだとか。 ふうん、という感じです。 「Pretty Little Angel」は軽快なサビだけが印象に残るがその他は凡庸な出来。 ラストの「Another Drunk」も、サウンドは悪くないのですが楽曲の出来はいまひとつ。 フェード・アウトしたかと思ったら、ゆっくりフェード・インしてくる感じは悪くないのですが、ほろ酔いセッションみたいな、緩さのほうが前面に出てしまっています。
Bill LaBounty の習作ともいえる本作から3年して、名盤「This Night Won’t Last Forever」が誕生することになるのですが、その際に Bill LaBounty がこのアルバムから 4 曲を選んだ経緯は判りません。 シングルがスマッシュ・ヒットしたので、アルバムの完成を急いだというのが、最も考えられるストーリーではないかと思います。 あまり夢がない話ですけど。
素敵な裏ジャケはこちらから。
■Bill LaBounty / Promised Love■
Side 1
Lie To Me
Together
Crazy
I Hope You’ll Be Very Unhappy With Me
Always Be Near
Side 2
Take A Step (Yesterday Waltz)
Pretty Little Angel
Open Your Eyes
Another Drunk
Produced by Jay Senter
20th century records T-492
夏らしいジャケットの代表格といえば、このアルバム。 AOR のなかでも、通に人気の高い Bill LaBounty が 21 世紀レコードから 1975 年に発表したファースト・ソロ・アルバムを取り出してみました。 Bill LaBounty といえば、Curb Record s時代の 3 作「This Night Won’t Last Forever」(1978)、「Rain In My Life」(1979)、「Bill LaBounty」(1982) が有名ですが、このファーストのみ未だに CD 化されていません。
あまり知られていませんが、Bill LaBounty はソロ・デビュー以前に Steve Eaton と Fat Chance というバンドを結成していました。 今から思うと、スーパー・グループのように思いますが、さほどの内容ではありません。 しかし、ここから巣立った2人がともに名盤を世に残すことになったことを考えると意義深いものを感じます。
1974 年に Steve Eaton が「Hey Mr. Dreamer」をリリースした翌年に発表された本作は、すでに Bill LaBounty の魅力であるセンチメンタルな男の哀愁が十分に感じられる作品となっています。
このアルバムには後に「This Night Won’t Last Forever」で再収録される曲が4曲収録されています。 全 9 曲ですから、その比率はかなり高いですね。 その中でも彼の代表曲のひとつ「Lie To Me」を「This Night」バージョンと聴き比べをしてみたところ、ほぼ同じだということが判明しました。 サックス・ソロの有無とかボーカルの微妙な違いはあるので、おそらくは「This Night」バージョンはオリジナルに手を加えたものか、別テイクだったのではないかと推測します。 憂いを帯びたバラード「Crazy」、「I Hope You’ll Be Very Unhappy With Me」に至ってはほぼ完全一致なのですが、このアルバムで聴くことのできるソウルフルなシルキー・コーラスが「This Night」バージョンでは切り落とされ、その代わりにストリングスなどで厚みを補充していることがわかりました。 これは、今回はじめて聴き比べて初めて発見できたことです。 残る 1 曲、「Open Your Eyes」はコーラスも含めて全く同じバージョンではないかと思います。
こうして耳慣れた 4 曲を聴き比べましたが、さすがに再録されるだけの楽曲のクオリティだという印象でした。 残る 5 曲については、まず「Take A Step (Yesterday Waltz)」が筆頭格でしょう。 ストリングスが緩やかに包み込む憂いを帯びたワルツですが、徐々に高揚するエモーションを抑える Bill LaBounty のボーカルが素晴らしく、個人的にはアルバムのハイライトです。 「Together」はディープなソウルのようなテイスト。 「Always Be Near」ノリのいいサザン・ロック風。 巷ではフリーソウル系として人気のナンバーだとか。 ふうん、という感じです。 「Pretty Little Angel」は軽快なサビだけが印象に残るがその他は凡庸な出来。 ラストの「Another Drunk」も、サウンドは悪くないのですが楽曲の出来はいまひとつ。 フェード・アウトしたかと思ったら、ゆっくりフェード・インしてくる感じは悪くないのですが、ほろ酔いセッションみたいな、緩さのほうが前面に出てしまっています。
Bill LaBounty の習作ともいえる本作から3年して、名盤「This Night Won’t Last Forever」が誕生することになるのですが、その際に Bill LaBounty がこのアルバムから 4 曲を選んだ経緯は判りません。 シングルがスマッシュ・ヒットしたので、アルバムの完成を急いだというのが、最も考えられるストーリーではないかと思います。 あまり夢がない話ですけど。
素敵な裏ジャケはこちらから。
■Bill LaBounty / Promised Love■
Side 1
Lie To Me
Together
Crazy
I Hope You’ll Be Very Unhappy With Me
Always Be Near
Side 2
Take A Step (Yesterday Waltz)
Pretty Little Angel
Open Your Eyes
Another Drunk
Produced by Jay Senter
20th century records T-492
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