■Dan Perry / With Every Breath I Take■
ポリスの大ヒット曲「見つめていたい」のオリジナルタイトルは「Every Breath You Take」でしたが、こちらは「With Every Breath I Take」です。 そんなことはどうでもいいのですが、今日取り上げた作品は CCM アーティストである Dan Perry が 1980 年前後に発表したアルバムです。 彼に関する詳しいプロフィールは全くもって不明ですが、このレコードを手にするに至ったきっかけについて触れておきましょう。
以前、ここで Dave Lafary という CCM アーティストをご紹介したことがありますが、彼のセカンド・アルバムと Dan Perry のこのアルバムは同じ Sounds Fantastic Records という超マイナー・レーベルから発売されていたのです。 このレーベルが複数のミュージシャンの作品をリリースしているとは予想していなかったので、発見した時には驚きました。 その独特のレーベル名、そしてデザインからすぐにピンときたのです。
その Sounds Fantastic はイリノイ州の Decatur という町を拠点とするレーベル。 ネットで調べても誰も言及していないので、豆粒ほどのローカルな存在だったのでしょう。 しかし、そこにはクリスチャン・ミュージックというひとつの芯は通っていました。
アルバムのサウンドは MOR に近いマイルドなテイストで、ホーンセクションも頻繁に登場し、かなりポピュラーな音づくりが施されています。 A-1 の「With Every Breath I Take」を聴くだけで、Dave Lafary のセカンドとの傾向の違いは明らかになりました。 この曲は軽やかで A&M のソフトロックのようなアレンジです。 それはそれで悪くない出来なのですが、個人的には CCM の醍醐味は、仰々しく盛り上がるバラードにあると思っています。そうした観点から好みの楽曲を挙げていくことにしましょう。
まず A 面では、ピアノを基調とした「He’s The Hand On My Shoulder」の素晴らしさが秀でています。 本当は生のストリングスを起用したかったと思われるシンセの音も繊細で、落ち着きのある曲調に彩りを加えていました。 つづく「If My People」は、もっと歌の力を前面に出した厳かな曲調。 オペラのテノールに歌わせたほうが良さそうな感じです。 ♪That’s why I love Jesus♪という決まり文句が誰にでも聞き取れる「You Gave Me Love」は音数の少ないシンプルなバラード。 素直な気持ちを忘れていないすべての人の心にも染み入ってくるメロディーが魅力です。
B 面に入りましょう。 典型的な CCM バラード「I’m Gonna See Jesus」はタイトルから想像できる仰々しさが癖になりそうです。 つづく「Praise The Lord」も同様の曲調。これもドラマティックに盛り上がるバラードで CCM ファンには堪えられない仕上がりです。 しかし、この世界で同名異曲はどのくらい存在しているのか、余計な心配をしたくなりますね。 ラストの「Comfort Ye My People」もピアノ系のバラードですが、やや冗長な感じなので、もっと短くまとめたほうがラストに相応しかったと思います。
どうしてこんな甘ったるい音楽が好きなのか理解できない、という人も多いと思います。 しかし、1980 年前後の CCM の多くが普遍的なメロディーと純粋な歌詞によって構成されるハイレベルな予定調和を目指しているところに僕は惹かれるのです。 そして、そこに含まれる純度の高い癒しの瞬間を発見することが、リスナーの喜びでありこの世界から離れられない理由なのでしょう。 Dan Perry の音楽にも 100% ではありませんが、その欠片がいくつか散りばめられていました。
■Dan Perry / With Every Breath I Take■
Side-1
With Every Breath I Take
He’s The Hand On My Shoulder
If My People
Fresh Surrender
You Gave Me Love
Side-2
I Need You
I’m Gonna See Jesus
Praise The Lord
Disappointment
Comfort Ye My People
Produced by Stephen Beck
Recorded and mixed ay Sounds Fantastic Studio, Decatur, Illinois
Engineer : Stephen Beck
Vocals : Susan Boroian-Moringer, Tom Christensen, Tom Laney, Lynn Mahin, Dan Perry
Guitars : dan Perry, Mark Scardello, Bob wilcott
Keyboards : Mark Gungor, Judy Laney, Steve McClarey, Dan Perry
Bass : Bob Wilcott, Lora Suter
Drums : Dennis Edwards, Tom Laney
Flute: wally Barnett
Recorder : Tom Laney
Trumpets : Brian Germano, Dave Hill, Bill Jean
Trombone : Cary Sheley, Jon Vanhala
Saxophones : Ralph Ball, Ron Clayton, Tim Hall, Tom Rundquist
Arrangers : Stephen Beck, Dan Perry
Sounds Fantastic Records NR11946
ポリスの大ヒット曲「見つめていたい」のオリジナルタイトルは「Every Breath You Take」でしたが、こちらは「With Every Breath I Take」です。 そんなことはどうでもいいのですが、今日取り上げた作品は CCM アーティストである Dan Perry が 1980 年前後に発表したアルバムです。 彼に関する詳しいプロフィールは全くもって不明ですが、このレコードを手にするに至ったきっかけについて触れておきましょう。
以前、ここで Dave Lafary という CCM アーティストをご紹介したことがありますが、彼のセカンド・アルバムと Dan Perry のこのアルバムは同じ Sounds Fantastic Records という超マイナー・レーベルから発売されていたのです。 このレーベルが複数のミュージシャンの作品をリリースしているとは予想していなかったので、発見した時には驚きました。 その独特のレーベル名、そしてデザインからすぐにピンときたのです。
その Sounds Fantastic はイリノイ州の Decatur という町を拠点とするレーベル。 ネットで調べても誰も言及していないので、豆粒ほどのローカルな存在だったのでしょう。 しかし、そこにはクリスチャン・ミュージックというひとつの芯は通っていました。
アルバムのサウンドは MOR に近いマイルドなテイストで、ホーンセクションも頻繁に登場し、かなりポピュラーな音づくりが施されています。 A-1 の「With Every Breath I Take」を聴くだけで、Dave Lafary のセカンドとの傾向の違いは明らかになりました。 この曲は軽やかで A&M のソフトロックのようなアレンジです。 それはそれで悪くない出来なのですが、個人的には CCM の醍醐味は、仰々しく盛り上がるバラードにあると思っています。そうした観点から好みの楽曲を挙げていくことにしましょう。
まず A 面では、ピアノを基調とした「He’s The Hand On My Shoulder」の素晴らしさが秀でています。 本当は生のストリングスを起用したかったと思われるシンセの音も繊細で、落ち着きのある曲調に彩りを加えていました。 つづく「If My People」は、もっと歌の力を前面に出した厳かな曲調。 オペラのテノールに歌わせたほうが良さそうな感じです。 ♪That’s why I love Jesus♪という決まり文句が誰にでも聞き取れる「You Gave Me Love」は音数の少ないシンプルなバラード。 素直な気持ちを忘れていないすべての人の心にも染み入ってくるメロディーが魅力です。
B 面に入りましょう。 典型的な CCM バラード「I’m Gonna See Jesus」はタイトルから想像できる仰々しさが癖になりそうです。 つづく「Praise The Lord」も同様の曲調。これもドラマティックに盛り上がるバラードで CCM ファンには堪えられない仕上がりです。 しかし、この世界で同名異曲はどのくらい存在しているのか、余計な心配をしたくなりますね。 ラストの「Comfort Ye My People」もピアノ系のバラードですが、やや冗長な感じなので、もっと短くまとめたほうがラストに相応しかったと思います。
どうしてこんな甘ったるい音楽が好きなのか理解できない、という人も多いと思います。 しかし、1980 年前後の CCM の多くが普遍的なメロディーと純粋な歌詞によって構成されるハイレベルな予定調和を目指しているところに僕は惹かれるのです。 そして、そこに含まれる純度の高い癒しの瞬間を発見することが、リスナーの喜びでありこの世界から離れられない理由なのでしょう。 Dan Perry の音楽にも 100% ではありませんが、その欠片がいくつか散りばめられていました。
■Dan Perry / With Every Breath I Take■
Side-1
With Every Breath I Take
He’s The Hand On My Shoulder
If My People
Fresh Surrender
You Gave Me Love
Side-2
I Need You
I’m Gonna See Jesus
Praise The Lord
Disappointment
Comfort Ye My People
Produced by Stephen Beck
Recorded and mixed ay Sounds Fantastic Studio, Decatur, Illinois
Engineer : Stephen Beck
Vocals : Susan Boroian-Moringer, Tom Christensen, Tom Laney, Lynn Mahin, Dan Perry
Guitars : dan Perry, Mark Scardello, Bob wilcott
Keyboards : Mark Gungor, Judy Laney, Steve McClarey, Dan Perry
Bass : Bob Wilcott, Lora Suter
Drums : Dennis Edwards, Tom Laney
Flute: wally Barnett
Recorder : Tom Laney
Trumpets : Brian Germano, Dave Hill, Bill Jean
Trombone : Cary Sheley, Jon Vanhala
Saxophones : Ralph Ball, Ron Clayton, Tim Hall, Tom Rundquist
Arrangers : Stephen Beck, Dan Perry
Sounds Fantastic Records NR11946