寒い朝である。 グレーの空だった。
「なんか今にも雪でも降りそうやね」 近畿は北部で大雪の由。
8時10分、ゆいちゃんを乗せてマンションを出たら、ドーム辺りから雨が降って来た。
「やっぱりね~、子供保育園へ連れて行くの寒いやろうね~」
「電話せい、このままなっちゃんたち保育園へ送ったろうか」
「雨が降って来たし、今ゆいちゃん乗せて帰る途中やねん、このままそっちへ回ろうか?」
「助かるわ、ゆいちゃんの後電話して頼もうかなって思うててん」
そのつもりで早い目に準備していたようだ。 帰り寄って、3人を乗せた。 近所でなければ時間的に無理だったが。
ゆいちゃんのお迎えの時はいつも私は後部座席でゆいちゃんを毛布にくるんでいる。
次女と孫がいるので私は、助手席でゆいちゃんを抱っこしたが、助手席・・こんな事は初めてだった。
雨が良く降って来た。 次女と孫たちが保育園の門へ入るのを見届けて車を走らせた。
「良かったなぁ、近所やからこそやし」 ほくほくで、次女から聞いたママ友さんの話を夫に話しながら帰った。
夫は帰るなり急いで支度をし、降りて行った。 と思いきや外でどこかのおばちゃんの声、何か話している。
えらい鼻声のおばちゃんだ。 一生懸命しゃべっている。 何かからまれてるんやろうか。
玄関の戸が開いて階段を上がって来る音。
「忘れ物したん?」
部屋へ入って来たのは次女だった。 (え? どないしたんやろ)
「もう~、なんでうちを忘れるんよ~信じられへん!」 「え~? あ~!」
「車にカバン置いてるから、携帯もないし連絡の方法もないし、途中のお店に行こうにも荷物ないし、ここまで帰って来たわ!」
雨の中小走りに走って帰って、えらい怒ってる。 そりゃぁそうだ、仮に私でも。
しかしだ、言われるまで全く気付かなかった。 夫も私も次女を連れて帰る、全く頭になかった、忘れていた、思いもしなかった。
「雨の中時間わからへんしお店に遅れたらあかんし、もう~! 信じられへん。 絶対引き返さへんと思ったし帰って来たわ」
「ごめん、ごめん! なんでやろ、送り届けたって完璧に安心して、気いつかへんかったわ」 笑ったが、笑っている場合じゃない。
「頼まんと自転車で連れて行った方がよっぽど良かったわ」 お店が近所なので間に合う時間で良かったけど。
「ほんま信じられへんわ、腹たつ」 風邪が完璧に抜けている訳ではないのに、冷たい雨の中を・・
えらい剣幕で出て行った。 苦笑いしながら気づかなかったから笑うしか無くて涙出た。
しかし・・ゆいちゃんと遊びながら、ある意味、背筋がぞっと・・
どう思い返してみてもなんで次女を乗せなあかん事に気づかなかったんやろ、不思議でたまらない。 それも夫婦して。
どう考えても(いや何も考えてへんかった) 次女にも言われたけど、ほんま何も考えてへんかった。
過去になんのCMだったか、ピクニックに行く為にお母さんがお弁当を作り荷物持って、いざ出かけようと子供たちと家を出た。
子供が 「お父さんは?」 「あ! 忘れた!」 って言うのがあって、(そんなことないわ・・)と思いながら見ていた事があったが・・
「チエは?」 「あ!忘れた!」 あったのだ、そんな事実が。
あ~、2人ともどないにしたんやろ、ええことした位で帰ったのよね。 ぼけもここまでは・・ある意味怖い。
展君が仕事で遅いし、長女もいるので、申し訳に夜は一緒に”かにすき”をした。 ちょっとご機嫌が治ったか?
これは一生言われるなぁ。 如月初日、面目なし
先週次女がインフルエンザで、孫たちをあずかっていたとき、ありがとうの意味でなつめが黙々と作ってくれた。
かたたたきけん(”た”が一個足りん!) してほしかったらこのひとつで してあげるよ
じぃじはこのひとつでしてもらっていた。 もうこんなことができるようになったんやなぁ。 4月からは年長さんだ。
今日のお弁当は・・のり巻きチキン、炒り豆腐、キノコと糸こんにゃくのすき煮、かまぼこ、ふき
和紙のひな飾り・・ゆいちゃんが籠に入れて遊んでたけど、おびなとめびなの顔寄せてる!! ゆいちゃんや!
思わず苦笑いした私 ”子供の声は天の声” 警告?