日々雑感 ~写真と思い~

今日と言う日は、二度と来ない。 
だから今日を大切に・・そんな私のデジカメ散歩 

* おだまき(苧環) *

2011年05月10日 | 花や木

永澤寺の境内に、静楚かつ気品を漂わせ咲いていたおだまき(苧環)

「しづやしず しづのおだまき 繰り返し 今を昔に なすよしもがな」

おだまきの花を見ると、必ずと言っていいほどこの歌が口をつきます。
いつの頃からそうなのか、意味を知ってか知らずか(いえ、知らない)しづやしづを義経に恋焦がれていた静御前の
舞に重ねていて、おだまきにおだまきの花を重ねていた事は確かです。

「鎌倉」の歌の中に出てくる「しずのおだまき、くりかえし」の正確な意味が解りません。
「しずのおだまき」は「くりかえし」の枕言葉という人もいます。「しず」とは静香御前?
「おだまき」は植物のおだまき?等良く解りません。詳しい方教えてください。

と言う問いに対してベストアンサーに選ばれた方の記事がありましたので引用させていただきました。

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この歌は静御前が捕らわれて鎌倉に送られ、鶴岡八幡宮の社頭で、頼朝以下が見る中、白拍子の舞を舞ったときの
歌の一部だと思います。
正確には、「しづやしづ しづのをだまき 繰りかへし 昔を今に なすよしもがな」です。
これには本歌があって、伊勢物語32段の「いにしへの しづのをだまき 繰りかへし 昔を今に なすよしもがな」の歌とされています。
見てお分かりのように初句のみ違っていますが、後は同一です。静御前の名前の「静(しづ)」に、「倭文(しづ)」を掛けています。
語句を説明すると、いにしへの=昔の 倭文=唐から輸入された「綾」に対して、日本古来の織物。
麻などの糸を青や赤に染めて横糸にして乱れ模様にした織物。
をだまき(苧環)=つむいだ麻糸などを内側を空にして球状に巻いたもの。糸玉。 糸を順々に巻きつけておいて、端から
引き出すので、糸を巻きつけ、また繰り出すので、「繰りかへし」の序詞(意味を持つ)となっています。
よし(由)=方法・手段・理由・わけ等 もがな=終助詞=願望の意味を表し、~であればなあ、~があればなあ

本歌の「いにしへの しづのをだまき 繰りかへし 昔を今に なすよしもがな」から。
昔の倭文の織物の麻糸をつむいで巻き取った苧環(糸玉)から糸を繰り出すように繰り返しながら、(楽しかった)昔を
今にする方法があればなあ

静御前の「しづやしづ しづのをだまき 繰りかへし 昔を今に なすよしもがな
倭文や倭文、倭文の織物の麻糸をつむいで巻き取った苧環(糸玉)から糸を繰り出すように繰り返しながら、
(義経様が「静や静」と呼んでくれた)昔を今現在にする方法があればなあ

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植物のおだまきは別名、イトクリソウとも言われているそうで、歌のおだまきとはまんざらでもないのですね。
歴史が大の苦手だった私、ひとつ勉強になりました。 
今度この花を見たら、静御前の思いを感じつつ口にしてみたいものです。