園の廊下の壁に飾ってあった。
「月月に 月見る月は 多けれど 月見る月は この月の月」 仲秋の名月、長月にふさわしいお手製のタペストリー。
昨夕、ひろとから電話があった。 「大きな声でいっしょうけんめい歌うから 見に来てね!」夫と私へのお誘いである。
「福寿会」今回で4回目で皆出席。 初めての時、敬老会って言われ、(え?敬老?)まだ50代だったし少し抵抗があった。
教室にはいつも先生や園児たちの秋らしい工作がいっぱい溢れていて、私たちを笑顔にして迎えてくれる。
受付で、プログラムをもらって、腕にはティッシュで作った花をつける。
くまぐみさんの歌は「人間っていいな」「たきび」(たきびって・・季節感が・・)と思ったがその2曲。
この発表会は、じぃじやばぁばしか参加出来ない、事前登録。 親たちは誰として我が子の発表の姿を見ることが出来ない。
だから息子さん夫婦から頼まれてこの場に及んで、どうやって写すのかとか苦戦しながら撮っている人もいる。
ビデオやデジカメ、あるいは携帯で可愛い孫たちの姿を、我を忘れ皆さん一生懸命に撮っている、ニコニコ手を振りながら。
後で愛ちゃんから聞いたのだが、園児は歌っている最中おじいちゃんたちに手を振らないようにと言われていたそうだ。
聞かされていないじぃじやばぁばたちは、もう孫可愛さで気づくまで手を振るものだから園児も手を振る子も。
「じいちゃ~ん!」と声を出す子もいる始末。 けど、誰もが笑って、誰もがただただ癒されている、思いは同じだから。
最初幕が開いて0歳児の姿を見たときは、思わず涙が出た。
ひろとも1歳の少し前から入っていたので、こんな時があったとすぐにそんな頃が浮かんで重なった。
隣で一脚にハイビジョンのデジカメ動画を撮っている夫も、同じ思いで胸がいっぱいだったであろう。
みんな名前を呼ばれて手をあげたり拍手する子もいれば、誰の名前にも手をあげる子も、泣いている子もいる。
先生は本当にすごいなと思う。 1歳児、2歳児、そしていよいよひろとの組。
元気良過ぎた時もあったり、あまり何もせずにいたことも一度、しかしもう心配はいらないぐんと成長している。
ここまでのことを思いながら、ここまで育てていただいたことに感激で涙いっぱいになった。
「人間っていいな」の歌の中に、物悲しいような歌詞があって、親がここを歌いだすとなつめはいつも泣きだした。
だから私たちには、とても思い出深い歌なのである。
ひろとは大きな口をあけて、声が一番後ろまでしっかりと聞こえていた。 一生懸命さにまた涙。
一度、夫はビデオを不慣れで失敗、肝心なひろとの出番が撮れてなくて息子から残念がられたことがあった。
いくらスナップ写真を何枚も撮っても、親には聞きたい子供の声が聞こえない。 一発勝負なのでとても責任重大。
ひろとの出番が終わると、教室へかえるひろととハイタッチをして夫は会社へ出向いた。
人も少しづつ減ったので、私は隅の方で三脚をたてデジカメで最後まで動画を撮り続けた。
4歳児、5歳児となると、きりっとしていて落ち着いてさすがだ、その成長ぶりには目をみはるものがある。 所要時間1時間。
最後に、大人一人一人に園児からお菓子を入れた手作りの籠をもらった。
近くにいればこそ見てあげられるし、楽しませてもらえる。 祖父母は遠くで来てもらえない園児も多くいるはずである。
8GBのSDカードをマンションに届けた。 仕事に行く前の息子が、ひろとの組の歌をTVの大画面で確認して安心して行った。
私はお昼まで愛ちゃんと話しながら過ごした。 ゆいちゃんもご機嫌さん。
夕方待ち合わせて、ガストへ食事に。 小さな子供が少々賑やかでもそれ以上に学生や大人たちも賑やかで、
あまり迷惑になることはないので安心できるお店。
ひろともなつめも土曜は保育園をお休みにしているので、金曜は気持ちが違い、嬉しい夕食だったと思う。
7時過ぎ、外は真っ暗。 と言っても地下鉄は走り、スーパーやコンビニマンションの灯りで明るいのだけれど。
今日も猛暑日、暑かった~。 外はまだ蒸しかえるような暑い空気だ。
お店の前で別れた。 ひろとが大きな声で「今日は見に来てくれてありがとう!」 後ろを振り返りながら手を振った。
なつめが「明日またおいでね~! おでんパーティーやから!」