日々雑感 ~写真と思い~

今日と言う日は、二度と来ない。 
だから今日を大切に・・そんな私のデジカメ散歩 

* もしも・・生まれ変わったら・・ *

2005年08月30日 | 詩・エッセイ・短歌・小説
                
お昼にけんつくさんのブログ「おっちゃんの道草」を開いて読んだ。
涙が流れた。 止まらなかった。

日曜の釣りが決まった木曜の夜「私も行こうかな・・」「おぅ、行こ行こ!」
私が行ったら喜びそうな夫が見えるからそう言った。 
土曜の夫のブログの、妹へ返したコメントに「トド参加の、釣り、4、5年ぶりのはず」と書いてあった。
私さえ覚えていなかったのに。 

いつか友人と早朝和歌山へ釣りに行った時、見送り寝て間も無い私にひと言メール。 
「きれいやで」夫が船から見た関空にかかる朝日のシャメールを送って来たのだ。 
赤く染まった空と波を吐く赤く染まった海・・。 (きれい・・)そう思った。
美しさを共有しようとするその思いにじーんときたことがあった。

「朝日が見たいな・・・」と言ったら(撮りたいな・・だろう)と言う笑いをした。

昨日のブログには「物足りない朝日・・トドさん残念」と書いてあった。
私の心お見通しである。 表現が面白くて笑った。
五時間の釣りで、はまち一本の成果。 何度か魚を逃がしたことも残念に違いなかったと思うのに、
最後には、「久しぶりのトドのクルージングでした」と書き止めてあった。

魚もさることながら、朝日が見られて写真が撮れたら、私が喜んだらそれで良かったのかなぁ。
明石海峡大橋の下通って写真撮れたし満足って私が喜んだからそれで良かったのかなぁ。
短い夫の文章の中には、溢れんばかりの思いが込められているような気がした。

世間で良く言われる。 
「今度生まれ変わっても、僕と(私と)一緒になってくれる?」と言うせりふ。

私は・・「いいえ、あなたとは一緒にならない」と答える。

三十代のとき、同じ質問をした、その時は可愛く当然の言葉を期待して。
「いいや、今度はもっと可愛げのある女と一緒になる・・」思いがけない返事が返って来た。
「うっそー」なんて言葉を発したかな。 (えー)って顔したかな。
それはそのようになって欲しいと言う夫の願い、夫から私への一生の課題だと受け取った。

私でなく、違った人と一緒になっていたら、もっとゆったりと豊かに暮らせていたと思う。
人には言えない、書けない夫婦の問題も色々とあった。 別れ話をした事もあった。
ごめんなさいと言う私を許したし、ごめんなさいと言えなかった時の私に「例え何度繰り返して
いたとしてもごめんなさいとその時また素直に言うのがほんまの人間やで」と私をさとして
そうして私を受け入れようとした夫。 全てを受け入れ、許してくれた夫。 
そんな時も交え、どれだけの年月を私達は重ねてきたであろう。

こんなに沢山の女性がいるのに、私一人で一生を終えるなんて申し訳ない。

誰でも、もし違った人と一緒になっていたら・・また違った人生を歩んでいたかも知れない等と
ちらっとでも思ったりしたことあるに違いない。 私だってある。 
この年齢になった時、もし生まれ変わってもあなたと一緒になりたい・・、
心からそう思えたら本物だと思うし素晴らしいと思うのだけれど。

年を重ねるほどに、いい人になって。 そんな夫に私はどんどん甘えて駄目な人になっている。
まるで老後のような夫婦二人の今、お互いに支えあって頑張ろうって励ましあって楽しんでいかないとね。

でも私は言う。 「もし生まれ変わってもあなたと一緒にはならないよ」と。
どうかやり直せるものなら、もっと心からもっとのびのびと生きて欲しいと思うから。
私はいい奥さんではなかったと思うから。

どうぞ生まれ変わったら、別な人と違った人生歩んでよね。

でも・・、もし、もしもよ。 誰もいなかったら・・?
(やさしいあなただからそんなこときっとないけれど・・)
その時は私でも辛抱してよね。 私、やり直すから。