聴くネタバレ映画・ドラマと英語日記

~元MC苅田三貴が見た映画やドラマを私情バンバンはさんでご紹介♪

「なんじゃあ、こりゃあ!?」

2012-09-08 18:59:05 | 邦画ヒューマン
すっかり忘れていたけど、
私、この原作を読んでいた

ああ、彼女の作品を映像化したら
まさにこんな感じだよなぁと
流れる緩やかな空気で思い出しました


三浦 しをんさんの直木賞受賞作。


まほろ駅前多田便利軒



″過去につらい経験のある男性2人の再生の物語″と
WOWOWの作品ガイドに書いてあったので
しんどいお話なのかと思ったら
結構スパイスが効いていて、笑える部分もありました


大森 南朋さん演じる
子供をおぶったお弁当屋さんとか

監督はそのお兄さん大森 立嗣さんです




まほろ市は神奈川にほど近い東京にあり
スーパーからデパート、商店街に歓楽街、
映画館と何でもそろっている住宅街

だからまほろ市で生まれた人は
ず~っと住み続けるか、
離れてもまた戻ってくる。


そんなまほろ市の駅前で
多田 啓介(瑛太)は
″多田便利軒″という便利屋を営んでいます。


お客さんの依頼を終えて戻っていたある日。
偶然、高校時代の同級生
行天 春彦(松田 龍平)に遭遇


十数年振りの再会なので、彼は覚えているかと尋ねるのですが、
覚えているも何も
高校の授業中、多田のせいで
行天は小指を切断する羽目になったのです
忘れる訳がありません


後ろめたい気持ちがあってなのか
「今日、泊めて」という突然の頼みもきく事に。


そのまま居ついてしまい
バツイチ男2人の奇妙な生活が始まります


″多田便利軒″にやって来る様々な人を通して
自分とも向き合いながら再生していく姿を描いたヒューマンドラマです
















この映画はドラマティックじゃない所が
いいな~と思いました


離婚を経験した多田に
依頼人として、美人で性格の良い人がやってきたり
行天の元奥さんが
刺された彼を発見して元鞘に戻ったり…



一切、ございません
時は淡々と流れていきます。


しかも依頼人は恋に落ちそうな人どころか
コロンビア人だと言い張るコールガール

演じている片岡 礼子さん、
イイ味出し過ぎてるんですけど~

「あ、気にしないで」じゃないから




生意気な子供も良かったな~
笑いながら、深く考えさせられたけど。

本来大人から受けなければならない愛情を
受けていないと、
何かしら、問題が起きてしまうんですよね~

それでも多田から少し受けて
変わっていくんですよね。
3人並んだ屋上のシーンは心が和みました


こういうシーンを見ても、改めて思う。

「今の時代、こういう人少なくなったのかも…」

そもそも便利屋さんって、どれくらい居るんだろうか…




いつしか機会が人にとって代わり
数字ばかりを気にして、製品は安さ求めてメイド・イン・チャイナ
どの田舎に行っても、チェーン店だらけの同じ風景。

働く誇りもなければ、
トラブルが起きれば責任のなすりつけ合い、
もしくは1人の人間が負えないほどの甚大さ…



″便利屋″を通して
人と人が一対一で向き合う大切さを
説いている気がしてなりません。


昔は″どれだけ深い友達がいるかが″大事って思っていたけど
もしかしたら、この依頼人たちの様に
何気なく出会う人とどう係われるのかもとっても重要なのかも
他人だから、仕事の付き合いだからなどの線引きなく…




そうそう、小学生にドラッグ運ばせる方法
怖いね~

こんな風にこれを入れてくるのかと、その切り口に舌を巻きました。

他の作品も見てみたいくなりましたよ
あ、原作も再びかな


ちなみに窓ガラスを粉々にされて、多田が
「なんじゃあ、こりゃあ!?」と言い、行天が
「似てないんですけど。」というシーンがありますが、
これは松田 龍平さんのお父さん優作さんへのオマージュだそうです。


この台詞があるドラマ「太陽にほえろ!」は
私は生まれていない時に始まったので知りませんでしたが
分かっている方はニヤリとしたはず。

う~ん、にくい演出です


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文藝春秋


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