聴くネタバレ映画・ドラマと英語日記

~元MC苅田三貴が見た映画やドラマを私情バンバンはさんでご紹介♪

赤いインクが示す意味

2011-06-25 21:49:39 | 邦画ヒューマン
山田 洋次監督が
昨年オマージュしたのを知り、ずっと見たかった


こちらを先に見てからにしようと思ったら
ついにBSプレミアムでO.A.してくれました



全くの同じタイトル



おとうと


恋人同士にも思えるような
美しくも悲しい姉弟愛="家族"を描いた
60年、市川 崑監督の作品です


日本を代表する女優岸 恵子さんが
時々とてつもなく可愛らしく思えます




小説家を父に持つげん(岸 恵子)は
リウマチで体の不自由な後妻(田中 絹代)の代わりに
家族の世話をしています。



中でも弟碧郎(川口 浩)は
手を煩わせてばかり


万引きをして警察に引き受けに行ったり
ビリヤードやボートで借金をしては
払わされたり…



しかも口が悪いので
いつも言い合いをしてばかり


けれどそんなおとうとが
ある日結核になり…



黒沢映画などでもお馴染みの宮川 一夫カメラマンが
初めて"銀残し"を試みた、語り継がれるヒューマンドラマです












この作品も現在BSプレミアムで行われている
山田 洋次監督が選んだ日本の名作100本のうちの1本。


放送のはじめと終わりに解説してくれるので
さらに作品を楽しめます


まず"銀残し"


私も言葉は聞いたことがあったのですが
今一つピンとこなかった。


でも作品を実際に見て教えてもらったら納得



これは現像手法の1つで
本来取り除くはずの銀を、あえて残しておく方法なんですね。

すると通常より全体的に渋い色になる。


ほら昔の写真などを見ると
ずい分赤とか鮮やかな色って暗くなってしまっていますよね


そういうのを意図的に行うのです。
では、何故



その1つは″コントラスト″を際立たせる為。





結核になった碧郎が喧嘩をして
お父さんのインクをこぼしてしまうシーンがあります。


そのインクの赤
全体的に暗いトーンなので、非常に目立ちます。


さらにこのシーンには深い意味があって
これは碧郎の吐血をを意味しているのだそう。



というのもこの後彼は咳をして
部屋から出ていくんだけど
物語の流れから、明らかに血を吐いている。


だけど描かれてはいない。


つまりこのインクが血をも表していたという事なんです

ひゃ~、深いですねぇ。


他にも碧郎が余命わずかになって
お姉ちゃんに着物を着るよう頼むんだけど
この着物の紫も鮮やかに活きています



こんな風に解説してもらえると
改めて創り手は様々な計算をしているんだと
感心させられますよね




ところで結局、
当たり前のこの時代にもげんは嫁にいかず
おとうとの世話ばかりだったにも関わらず
碧郎を亡くします。


そんな弟を前に
彼女は倒れ、
目覚めると同時に
エプロンをして働き始めるというラスト。


忙しくでもしていなければ辛すぎるという事なのでしょうが、
個人的には
もう少し余韻に浸りたかったなぁ


もちろんこれは完全なる私の好みです。

オマージュした山田監督はどう描いているのでしょう

それでは満を持して、現代の"おとうと"を鑑賞することにしましょう

家族が欲しかったら自分で作りなさい

2011-06-23 19:12:39 | 洋画ヒューマン
娯楽作品とは言い難く、
今年のアカデミー賞でノミネートされたものの受賞しなかったのは
納得しつつも…


"新しいタイプの家族の形"を描いていて
とっても面白かった

個人的には好きな部類の作品。

ご自身も精子提供を受けて出産している
リサ・チョロデンコ監督の10年の作品





キッズ✣オールライト



万人受けする内容ではないので
札幌ではディノスシネマズ札幌劇場のみで上映



主演のアネット・ベニング
ジョニ・ミッチェルの曲を歌うシーンが心に残り、
帰ってきたら早速YOUTUBEでチェックしてしまいました






アメリカ西海岸に暮らす
18歳のジョニ(ミア・ワシコウスカ)は
大学を控えて、間もなく1人暮らしをする予定


弟のレイザー(ジョシュ・ハッチャーソン)は
思春期真っ只中の15歳で
姉に、あるお願いをします。


″本当の父親を調べて欲しい″と。



実はこの姉弟にはパパがいなくて、
いるのはママ2人



もちろんママ2人でも
父親的存在の厳格なニック(アネット・ベニング)と
朗らかなジュールス(ジュリアン・ムーア)が
愛情たっぷりに育てているので、
幸せに暮らしてはいるのですが…


やっぱり遺伝上の父は気になる様で…





調べて、実際に会ってみるとその父
ポール(マーク・ラファロ)は
オーガニックレストランを経営していて、結構イイ奴

いつしか家族の仲に入っていくのですが…



21世紀の現代、家族の形は様々。
それでも、傷つけ、許し、受け入れ、愛し
絆を深めていくのは皆一緒です











もともと″同性愛″だから
何かが違うとは思っていなかったけど
改めて、
家族を想う気持ちは一緒なんだなぁと思います


だからこの映画は″家族映画″として秀逸なのでしょう



印象深いシーンが2つあって
まずはジュールスが許しを請う所。


彼女は長く一緒に居る中で、
自分の悪い部分を責められているような気になり、
ポールと浮気してしまうんですね。


もちろん謝ってもすぐに許される様な事ではないけど
彼女の立場は理解できた。


大事なのに
どうしてこんな傷つける真似をしてしまったのか
自分が情けないやら、嘆かわしやらで
後悔の嵐


けれど誰だって生きていたら
こんな経験1度や2度はあるでしょう。


あとは時間をかけて償っていくしかない。


逆の立場なら許す器を持ちたい





もう1つはニックがポールを締め出すシーン。


浮気がバレても、彼は家にやってきた。
そんなずうずうしい彼に、彼女は



″家族が欲しいんなら、自分で作んなさい″と。




最近本当に、家族って″作る″もんなんだなって
気がしてきたけど
その過程で疑問が浮かんだ。


親きょうだいも、旦那さん・奥さん・子供もどちらも″家族″

じゃあどちらかを優先させなければならない時
どちらを選ぶ



きっとそれなりの年齢になれば
多くの方が悩んだ経験あるんじゃないでしょうか。


私の答えは出ている。
それは自分の″作る″家族。


だってすでにある″家族″には守られてきたんだもん。
大人になったら今度は私が守る番。
それを後世に残していく事こそ責任なんだろうなぁと感じるのです


もちろん言うほど簡単じゃない。
煩わしくって、面倒臭くって、嫌になる時もあるでしょう。

だからこそ、愛おしいのです。
色んな困難を乗り越えるからこそ、情がわくのです。

愛か情か判らないなんて、そんなの愚問。
家族には全部存在するんだもん。

この映画にはそんな家族の絆がしっかり描かれていますよ

CSI:NY 6TH SEASON

2011-06-23 15:46:28 | 洋画クライムサスペンス・ミステリー
ちょうど昨年の同じ時期シーズン5が始まり、
チラッと見たのがきっかけで、すっかりはまり
1年間でちゃんと全部見終わり、
今回は満を持して、最新シーズンに突入しました


3つもシリーズがあるこのドラマだからできる
科学捜査班マイアミとの合同捜査トリロジーも見ごたえがありましたよ



CSI:NY 6TH SEASON

今年の頭からWOWOWでスタートし、全23話O.A.




前シーズンCSIチームから
カップルの子供が誕生したので、HAPPYになれるかと思いきや…

まさか車椅子の人が…






ニューヨク市警(=NYPD)に勤める
ドン・フラック刑事(エディ・ケイヒル)の恋人であり、
CSI(=科学捜査班)チームの同僚の死を悼むため
バーに集まった皆。


突然、そのバーに銃が乱射されます




そのせいでダニー・メッサー捜査官(カーマイン・ジョヴィナッツォ)は
車椅子生活に。
治る見込みは10%…


結婚して子供が生まれたばかりの
リンジー(アンナ・ベルナップ)は
何があっても彼を支えると言いますが…




一方、チームからはもう1組のカップルが


ステラ・ボナセーラ(メリーナ・カルカレデス)と
部下の研究員アダム・ロス(A.J.バックリー)。
けれどこちらは1夜限り



と、皆色々あるけれど
ニューヨクで起こる不可解な事件を解決するのは
マック・テイラー(ゲイリー・シニーズ)率いる彼ら


検視官シド・ハマーバック(ロバート・ジョイ)も協力して
今宵も最新科学を駆使して凶悪犯を追い詰めます











前シーズンクリフハンガーだったので、
みんなの生死が判ってスッキリしたものの
ダニーが車椅子になってしまったという
ショッキングなエピソードからスタート



しかも犯人はCSIメンバーを狙ったのではなく、
「自分たちの力を誇示したい」という安易な考えでやったら
たまたま居合わせたというんだから切ないですよねぇ。。

ただ、ほどんど治る可能性がないと言われていたけど…






また、シリーズを追う毎に
1つのお話の中で、みんなに見せ場がある
キャラ各々にファンがついている証拠でしょう


特に#6″つまづき″は全員が重要な役を演じていた
シドは恋愛ネタの次はおやじギャグ言っていたし…





ところで今シーズン
部下との1夜限りの恋を宣言したステラですが、
残念ながら、このシーズンで降板。


結局最後まで見ても辞める感じにはなっていないので
次に辻褄合わせするのかな。
最初から出演していてファンが多い人だけに
是非是非、納得のできる幕引きであって欲しいなぁと願います





そうそう今シーズンお熱いのは彼らだけじゃない

マックにも久しぶりに美しいお相手が

ただし、マックの元恋人ペイトン(クレア・フォラーニ)も
再び登場したので
シドもやきもきしているんじゃない



その他#2″ブラックリスト″にはアリーmy Loveのリチャード役でお馴染みの
グレッグ・ジャーマンが出ていたからびっくり
だっておちゃらけとは程遠いあんな役をしていたんですもの。
思わずに近づいて確認していましました



#11″セカンド・チャンス″では今年行われたグラミー賞の
ノミネート歌手train
大ヒットした♪Hey, Soul Sisterはとっても軽やかで素敵な曲



#19″贖罪″ではLOSTのマイケル役でお馴染みのハロルド・ペリノー
ゲスト出演だったんだけど、個人的にはベストエピソードかも

刑務所に行ったホークスが事件に巻き込まれ
死刑囚(=ペリノー)との微妙な駆け引きを交え
脱獄しようとする緊張感に加え、
人には言い難い過去が存在するものだと実感。

以前、殺人を目撃した事があるリンジーの深い言葉と
♪corinne bailey raeのlike a starが胸に沁みました




と、この様に豪華ゲスト出演陣も要チェックです





それにしてもこのシリーズは今までとてつもない数、
全部入れると500話以上放送している訳だけど、
ネタづまりしませんね~~。


#4″幻の女″ではついに以前と同じ重婚を扱っていたので
一瞬、「また?」って思ったけど
最後はちゃ~んと違った終わり方。
流石、人気シリーズだわ~と思わず拍手を送りたくなりました


もちろん他の作品からヒントを得ているものもあります。
#22″覗き見″はかの有名なサスペンスの神様ヒッチコック「裏窓」をオマージュ。





そして今シーズンの大きな事件としては
コンパスを使ってニューヨークを恐怖に陥れる″コンパス・キラー″。
基本1話完結のドラマですが、これは数話にまたがりました。


Bill Withersの♪Ain't No Sunshineに始まった
#9″マンハッタンヘンジ″で一応の解決をみせたのですが、
結局、犯人は奥さんを突然殺されて
自分も精神を患ってしまったからだったんですね。

連続した事件はきっとこの様に何かしらの被害者が加害者になる事があるのでしょう。
同情する部分は大いにあるけど
やっぱり犯罪はとめなければならないという
CSIチームの葛藤も痛かったなぁ。


この善とも悪とも、
良かったとも悪かったとも言えない終わり方もこのドラマの奥深さを表している所でしょう。



そうそう、
インタビューでマック役、ゲイリー・シニーズも語っていましたが
もちろんニューヨークの風景を見ているだけでも
見ごたえがあります。

実はほとんどがL.A.のスタジオで撮影されているのですが
年に何回かだけNYに行くのです。
その時は、やっぱりテンション上るそうですよ

私も死ぬまでに1度は拝みたい街並みです。



という訳で、しっかり人間関係を把握したおかげで
ますます楽しめるようになって見たこのシーズン

最後は何度かに渡って出てきたダニーの盗まれたバッチに絡めて
命が狙われてしまうクリフハンガーになりましたが…


気になるシーズン7は来年の冬に始まります。
それまで他のフランチャイズでも鑑賞する事にしましょうか

CSI:NY シーズン6
コンプリートBOX-1 [DVD]
角川書店

こんな告白聞きたくありません!?

2011-06-20 21:21:48 | 邦画ミステリー・サスペンス
今年度の日本アカデミー賞
「彼女がいなかったら、この映画は作らなかった」とまで
監督に言わしめた松 たか子さんが主演。


出演陣は悪人が総なめする中、
見事作品賞と
中島 哲也さんが監督賞を受賞した作品。




告白



原作は湊 かなえさんで、本屋大賞を受賞するなど
こちらも文学界では高評価

ただしラストが救いようのないお話だけに
内容については賛否両論あるようです




S中学1年B組の
担任森口 悠子(松 たか子)はシングルマザー。

"世直しやんちゃ先生"との異名を持つ
有名な教師桜宮 正義(山口馬木也)と
結婚するつもりで、妊娠も判ったのですが…



桜宮はHIVに感染している事が発覚

子供の将来を案じ、2人は結婚せずに
森口が1人で育てる事に。


もちろん女手1つなので大変な事もありますが
それはそれは大切に愛美(芦田 愛菜)を育てていたのです。

ところがその大切な娘を
1年B組の生徒に殺され…



中島監督に大絶賛されたように
松 たか子さんの嗚咽が痛い復讐劇です













人はすぐ物事について、理由を知りたがる。


どうして、私の事好きになったの?
どうして、あいつは部長の言いなりなんだ?

そして、監督はどうしてこの映画を撮ったの
延いては、この映画を通して何を伝えたいの



映像を操る方なら、
この原作を読んで、撮ってみたいと思うのは
想像に難くない。

むしろこの映画に関してはこちらの方が気になる。

"何を伝えたいのか"



これは原作者に訊かなきゃいけないですよね。

こんな極端な例をつなぎ合わせた
ストーリーをどうしたいの


ジャンルが"ミステリー・サスペンス"なだけに
意味なんてないよと言われればそれまでですが、
そこは人間の性。


"これを読んだ人はどう思う"と思うの??





もうこれは完璧な私のエゴですが、
世の中に何かしら創りだすアーティストには
前向きなメッセージを送ってほしい


悲惨な出来事を描くにしても
そこから何か学べるものを。


この映画、
というより原作には何があるの


親のエゴで
本来の子供達を見失わない様にする事?

いじめはいけない?

復讐は何も生まない?


もちろん細かい部分では
見方次第で、いくらでもあるしょう。
でも、大テーマは


あくまで原作の一部という事なので
もし更生のお話だとしたら、
やっぱり最後は少年が立ち直る所まで描いてほしかった。


だって私は思うもん。

「何にだって意味を見いだせる」って。



確かに断片的に見れば
世の中理不尽なことが紛れもなく起こる。

でもその後の向き合い方によって
起きていない時より
有意義な時間を過ごせるんじゃないかな


それで諦めたって
人生は続くんだもん。
希望は持ち続けたいし、続けて欲しいと願います。



そんな訳でこの映画は
作品としては素晴らしいと思うけど
好きか嫌いかで言えば、嫌いです

某映画雑誌でワースト1に選ばれた理由、
悲しきかな私には解ります

1%の実話と監督の愛でできたお話

2011-06-18 22:43:34 | 邦画コメディ
私なりの山下 敦弘監督特集第3弾は
1%実話を基にした06年の作品。


十八番(おはこ)のブラックユーモアを
全編に散りばめ、
報知映画賞監督賞を最年少で受賞した



松ヶ根乱射事件



こちらもWOWOWでO.A.されたのを
大事に撮ってありました


見ているものは同じなんだけど
人とは″違う角度″で見ているのだと、改めて思います


最初のシーンで度肝を抜かれます





1990年代の寒い季節の田舎町・松ヶ根。
誰もが知り合いの様な街で
ある女性の遺体が発見されます


ところがその女性
池内 みゆき(川越 美和)は生きていて、
ひき逃げされ、意識を失っていただけ


翌日、戻った彼女が
恋人西岡 佑ニ(木村 祐一)と喫茶店に行くと…




ひき逃げした犯人
鈴木 光(山中 崇)がいたのです

そこから光は2人に脅される事になり…



一方、出来損ないの光に対し、
双子の弟光太郎(新井 浩文)は警官で
間もなく恋人と結婚しようとしていて…



そんな2人の父(三浦 友和)は
愛人を作り、さらにその愛人の子春子を孕ませ…


ダメなんだけど何だか憎めない、
要領が悪い人間の行く先は…













最初のシーンでの痛いユーモアにも
充分驚かされたけど、
最後も何とも言えない、
微妙な終わり方ですよね~~




思いっきりネタばれ警報ですが、
ラストは光太郎が銃を乱射してTHE END


えっ


えっ



タイトルやみんなのダメっぷりから想像して
最後は誰かがブチ切れて
あたり一面を血の海にするのだと思っていた私。


けれど実際は
光太郎が誰もいないところに何発か撃っただけ。




お~っと。


だめだ、だめだ。


″撃っただけ″なんて思わず書いちゃったけど
警官が必要もないのに
銃を抜いたら、充分問題だ


危ない、危ない


すっかり山下ワールドに引きずり込まれ、
冷静さを失ってしまいました




とは言え、ダメ人間が出てくる割に
嫌な気持ちにはならないし、
むしろ愛おしいやら、同情してしまう。


それはきっと監督が
″空回りする人、要領の悪い人に魅かれる″から
(″AERA「ニッポンの映画監督」″より)
なんでしょうか



それほど彼の描く世界は独特なんですよね~




木村さんのキャラなんて、相当の悪なのに
盗んだ金塊を換金する時、
行員に「身分証は?」と言われて、
診察券をだしてるんだもん


いるいる~
だから、それじゃあ無理だって。

しかも″しぶや泌尿外科″
細かいっ

行員もちょっと怖いからそれで許してんのね。
はは。


こんな風にブラックユーモアはもちろん、
細かい笑いもたくさんあって、
これは真剣に、「映画を見るぞ~」という気持ちで向き合う映画ですね。

そうすれば、まだまだ新しい発見があるはずです

ジョーイ 2ND SEASON

2011-06-18 16:08:30 | 洋画コメディ、コメディタッチ
これで本当の本当に終わり

フレンズが10シーズンで
こちらはあっさりこのシーズンで


04~05年に全22話O.A.されたスピンオフ



ジョーイ 2ND SEASON



ついに売れなかった役者ジョーイも大成功
スターへの切符を手にしました



前シーズン
マンションの管理人であり、
親友のアレックス・ジュリア・ギャレット(アンドレア・アンダーズ)と
ベッドインしたジョーイ・トリビアーニ(マット・ルブランク)


まさか付き合う事にはならないと思ったのですが、
彼女に別の男性が現れると…



一方、姉ジーナ(ドレア・ド・マッテオ)の
息子マイケル(パウロ・コンスタンツォ)には
父親の存在が明らかになり…



フレンズから数えると12年、
ついにジョーイ・トリビアーニともお別れです













ジョーイのおとぼけぶりは変わっていないのに
面白さが全然違うという事は
改めて、フレンズの他のメンバーが
素晴らしい俳優だったと証明されますよね



ほっとんど変わらない
オーソドックスなボケとツッコミなのにね。
コメディの奥深さを感じます




とは言え、深く考えなければ充分笑えるし、
パウロという魅力的な俳優を
知る事が出来たので、それだけでも収穫


今後は救命医ハンクでの活躍を楽しみにしましょう



ラストは遺伝上の父であり
ジョーイの親友でもあるジミーとジーナが
目出度くゴールイン


ジョーイもアレックスと良い関係を築けてめでたしめでたし
L.A.でようやく何かをつかんだのでした。




ところで、毎回エピソードの終わりに
「いらっしゃいませ」って聞こえるなぁと思っていたら、
やっぱりそうなんですって


プロデューサーがケビン・S・ブライトという方なのですが、
この方にちなんで
「ブライトさん、いらっしゃいませ!」と言っているんだって。

空耳じゃなかったのね。
これから見る方は、是非ここもチェックして下さいね

当時の子供達は今、この出来事について何を語る!?

2011-06-17 22:52:42 | 邦画ヒューマン
マイ・バック・ページ悪人と大絶賛し、
改めて彼について調べていたら、
そうそうこの映画にも出演していましたよね


公開された当時、実話に基づいていると知って
ずい分斬新な事をする人もいるものだなぁと感じたのを
思い出しました


見たいと思った矢先、ラッキーにも地上波でO.A.



ブタがいた教室


若手から中堅への階段を上り、
人気・実力ともに備えた妻夫木 聡さん主演、
前田 哲監督の08年の作品。


ヒロインには"コドモのコドモ"で
第82回キネマ旬報ベストテン新人女優賞を受賞した
くりくりお目目の甘利 はるなちゃん





4月、新任の星先生(妻夫木 聡)は
6年2組の子供達に

「これから豚を飼育して、1年後みんなで食べようと思います。」と提案


当然、子供達からは驚きの声が


それでも、星先生の真摯に命と向き合う態度を
自然に感じ取り
協力して育てていく事になります。


最初はあたふたしていた
掃除やえさやりにも慣れ
″Pちゃん″という名前まで付け可愛がるまでに。

ところがこの頃から雲行きがあやしくなります…





そもそもこの豚は″食べる為に″飼い始めたのです。
それがすっかりクラスの一員になり
「食べるなんてかわいそう」という話になり…




果たして6年2組の子供達は
最終的にブタを食べるのでしょうかそれとも…



まだ″食育″なんて概念がなかった1990年に
実際に行われた授業の1つを基にしたストーリーです














まずは妻夫木君について。
悪くないですよねけどあんまり色がない。

個人的にはやっぱり負の部分を演じた時に
本領を発揮するんだそうなぁと思います


以上



内容については
2つに分けて考えた方がいいかなと感じるのですが、
この事実を″映画化した″という事実は
素晴らしいと思います



こういう出来事があったと知る
きっかけにもなるし、
私も含めて知らない人が
考える機会を持てますからね。


私が言うのもおこがましいですが
非常に有意義な事だと思います





一方、この実際にやった先生に関しては…





″えげつない″



これが私の感想です



当時だって賛否両論あって、答えは出ていないし、
今後も出るものじゃない。


もっと言えば、自分の子供か?
その先生との信頼関係はどれくらいなのか?とか
様々な事情が絡んでくればさらに複雑になる。


それを充分解った上での、私の率直な思いです。



つまり根本的に
仕事で豚を飼っている人と
子供達では、豚に対する向き合い方が違う訳ですよ。


もちろん一生懸命育てて下さっているのは
理解できますが、
あくまでビジネスなんですよ。

もしその豚が一銭ももたらしてくれないなら、
同じ様に飼うのか?


けれど子供達は違う。
見返りを求めていないんです。
程度の差はあれ、親が子供を想うように
無心に育てている。

そんな動物を食べろだなんて
あまりにも残酷だと思いませんか



劇中の子供達は
大人用と別の、結論ののっていない台本が渡され、
本気で議論したそうですが、
そりゃ、みんな泣きますよ。


食べ物の有り難さ、命を頂くという意味を学ぶのに
本当にそこまでしなければならないのか、
私にはやっぱり疑念がぬぐえません。

単純に養豚家の手伝いをして
どんな風に育てているのか、
肌で感じるのじゃ駄目だったのでしょうか

私には解りません。

是非、実際に育てた子供達、
もちろん今は私と同じ位の年齢でしょうが、お話を伺ってみたいものです

CSI:科学捜査班 2ND SEASON

2011-06-16 17:59:20 | 洋画クライムサスペンス・ミステリー
このシリーズが紹介されるとき
よく″1話完結だから″
人気があるというのを目にします。


けれどこれはむしろ1話完結でありながら
″1話完結に収まらない″ところが
魅力なんだろうなぁと思います




CSI:科学捜査班 2ND SEASON


つまり事件としては1つのエピソードで
何かしらの結論が出る。

けれどしばらく経ってから
それが他の事件に繋がったり
事件に登場人物が自分と重ね合わせてしまったり…

″科学″がメインで、
プライベートがあまり描かれない分、
ほんの少しのシーンで
たくさんの含みを持たせているのも、大人心をくすぐります


このシーズンは01~02年にかけて、全23話O.A





欲望が渦巻く
アメリカ西部にあるネバダ州最大の街ラスベガス

昔に比べ、ファミリーで安心して遊べるようになったとは言え
日々、欲に絡んだ凄惨な事件が起きています


そんな事件に対し
証拠を武器に立ち向かうのが
CSI=(科学捜査班)



推理をはさまない様、部下に指導し
いつも冷静な態度を取っているのは
主任のギル・グリッソム(ウィリアム・ピーターセン)

手話ができたり、ジェット・コースターでストレス解消していたりと
謎が多い人物



一方、彼を補佐する
キャサリン・ウィロウズ(マージ・ヘルゲンバーガー)は
元ストリッパーのシングルマザーで情熱的


さらにいつもライバル意識を持っている
ウォリック・ブラウン(ゲイリー・ドゥーダン)と
ニック・ストークス(ジョージ・イーズ)


グリッソムの元教え子サラ・サイドル(ジョージャ・フォックス)などが
各々の得意分野をもちより
最新科学を駆使して今宵も凶悪犯を追いつめます











このドラマを見る楽しみはストーリーだけじゃない


もちろん10年経っても色あせない
しっかりしたプロットの内容にも魅せられていますが
密かに楽しみにしているのは
まだ売れていない頃の出演者を見つける事



特に#8″倒錯の館″には
THE O.C.でお馴染みキルスティンケリー・ローワン
ジュリー役のメリンダ・クラークが。

2人とも存在感をアピールしていたんだけど
特にケリー・ローワンはキルスティンと正反対の
嫌な奴を演じていて驚かされました

過度な抑圧が引き起こした事件という
内容もとっても面白かったし


ちなみにこのエピソードは
100話までの中でマージの1番のお気に入りだそう




#11"女が男を殺す理由"には
デスパブリー役でお馴染みマーシア・クロスが。

このエピはラストがとても良かった

最後、サラは事件を鑑みて色々思う所があって
好意のある誰かに電話したんです。

でも、結局次の回でもすぐには判らない。


最初にも書いたけどこの"含み"が
素敵なんですよね~
大人ドラマ


ネタばれ警報になりますが
この先、グリッソムは耳が聴こえにくくなります


そもそも彼が手話を教えてもらったのもお母さん
幼い頃に"耳硬化症"になった母と会話するため
必然的に覚えたんですよね。

そして遺伝でグリッソムもこの病気が発症してしまった…




それをすごく当たり前に受け止めている彼が
ラストのシーンで映し出されていて
とてつもなく恰好よかった

私はキャラではやっぱりグリッソムのファンだなと
このエピソードを見て確信しました。



もちろんすぐに聞こえなくなる訳ではありませんが
今後、彼の耳が
どのようにストーリーに関わっていくのかも気になる所です

ビバリーヒルズ高校白書 1ST SEASON

2011-06-12 14:23:36 | 洋画青春・ロードムービー
CSI:科学捜査班がサスペンスの
フレンズがコメディのなら
間違いなくこちらは青春ドラマの金字塔。



流行に左右されるティーンが主役なだけに
今見ると古いな~
ファッションがダサいなぁと思うけど
プロットがしっかりしているから、充分現代にも通用する


だからリメイクもされたんでしょうけど





ビバリーヒルズ高校白書 1ST SEASON


当時は今ほど選択肢がなかったから
私も相当はまりました
結構内容も覚えていました


日本ではパイロット版と1話を1つのエピソードにしているので
全23話(日本では全22話)
90~91年にかけてFOXでO.A.


ちなみに前年に行われたオーディションには
7万人も集まったそうです




ミネソタ州からビバリーヒルズに引っ越してきた
双子の兄妹
ブランドン(ジェイソン・プリーストリー)と
ブレンダ・ウォルシュ(シャナン・ドハーティ)


アメリカ有数の高級住宅街とあって
今までとは何から何まで違って戸惑う事ばかり


けれど友達ができれば変わります



ブロンド美人でウェストビバリー高校の女王様
ケリー・テイラー(ジェニー・ガーズ)

母親は女優でケリーの元彼
スティーブ・サンダース(イアン・ジーリング)


のちにブレンダと…
ドラッグやお酒の問題がつきまとう
ディラン・マッケイ(ルーク・ペリー)など…



恋愛、両親の離婚、レイプや
薬物中毒という社会問題を交えながら
ビバリーヒルズを舞台に
思春期ならではのエピソードを描く青春ドラマです














何回目の再放送なのかは分らないけど
私は学生時代にNHKで見ていました。


当然、吹き替え。
だから字幕版で聴くとなんだか不思議な気分

ず~っとブログに書き込んでくれている人に
初めて会うみたいな
「ああ、あなた本当はこんな声(顔)だったのね」と




内容に関して言えば
高級住宅街に暮らす″普通の子″が
主役というのが面白いんですよね

いや、普通の子どころじゃありませんね。
とてつもなく良い子


ビバリーヒルズに暮らす子供達は
親が桁違いのお金持ちな分、
忙しかったり、構ってもらえなかったりで愛情に飢えている

それでお酒やドラッグ、パーティー三昧と
好き放題…



ブレンダとブランドンもその誘惑に
いつ負けてもおかしくないのに
結構な確率で打ち勝っている


その葛藤が面白い

当然今となれば、私は親目線で見ているんだけど
そんな普段は常識的な2人も
道を外すからひやひやもの


夫婦で久しぶりに外泊したら
家で大パーティーが行われていたり
ブレンダがディランと付き合いだして、
妊娠検査薬を使っていたり…



さて、この子達は
これからどんな失敗をし、
どんな人生を歩んでいくんでしょう




ちなみにこのドラマの原題は
″Beverly Hills,90210″
この″90210″というのはビバリーヒルズの郵便番号

双子ちゃんたちが高校にいるシーズン3までが
「高校白書」
卒業してからのシーズン4以降が
「青春白書」という邦題です

リアルなピロートーク!?

2011-06-06 20:50:03 | 邦画コメディ
優れた監督のものを見たら、
次から次へと見たい映画が出てくると思う


まずは当然、その監督が撮った過去の作品ですよね。
相当昔にWOWOWで放送していたものを
しっかりDVDにおとしていました



リアリズムの宿



現在マイ・バック・ページが好評公開中の
山下 敦弘監督が
同じく脚本家の向井 康介さんとタッグを組んでいた
03年の作品。


これは何度も観た方が面白い
噛めば噛むほど味が出る"スルメ"の様な映画です




東京に暮らす坪井 小介(長塚 圭史)は
駆け出しの脚本家。

友達の俳優船木 テツオ(山本 剛史)に誘われて
旅行にいこうとするのですが
当日テツオは寝坊


そこで同じく誘われた駆け出しの映画監督木下 俊弘(山本 浩司)と共に
なんとなく鳥取県を旅する事になります



そもそも2人は友達ではないので
かみ合わないところが一杯あり、
宿もどこか知らなかったので、行き当たりばったり…


そんなよく解らない状況の中、
さらによく解らない出来事が



2人並んで日本海を眺めていたら、
裸同然の女の子が駆け寄ってきたのです


事情を訊くと
その女の子川島 敦子=敦っちゃん(尾野 真千子)は
何故かこの寒空の下、泳いでいて
カバンごと着替えも盗まれたしまったらしい


そこから2人の男と1人の女の
奇妙な旅が始まり…



伝説の漫画家つげ義春のコミックを原作にした
山下節のオフビートな笑い満載の青春コメディです












この映画の真骨頂は、
やっぱり1時間10分ごろの
2人が布団を並べてしている会話ですよね~



あんなたわいもない会話を
あれだけ面白くできるのって才能ですよね


実際あんな悲惨な宿があったら
私なら泣いちゃうけど
一歩引いたら、結構笑える。


まるで自分も一緒に寝そべっているテンションで
楽しくて、くすくすなってしまいました


最初はぎこちなかった2人も
時間を共にするうちに
最後は一緒に仕事をしようという話まで出て
徐々に仲良くなっていくのも良いですよね

人ってそんなもん


こういうシーンを見ていると
監督の人間観察力に舌を巻きます


最初に木下が船木に
坪井の年を訊くところも


年下って判ったら、急に偉そうにしてんだよね。
あは。

いるいる、こういう人。
なんなんだろうね




ところで″わっかる~″と共感する部分がある反面
同じ位疑問符が浮かぶ所もある。


喫茶店で居合わせた人に話しかけられる時、
DVDか何か買いに来た人、
あれ山下監督だけど、何で

何で彼が出演したの
そもそもあのDVDは何なのさ



そして1番引っかかるのはオチ
物語の中で芥川 龍之介「蜘蛛の糸」が引用されている。





これ自体は
『ダメ男が、せっかくつかんだ唯一の救いを
 エゴで結局失ってしまった』というストーリーでしょうけど、
(ん?いいんですよね

蜘蛛の糸=敦っちゃん
という意味なの

2人に舞い降りた幸運の光が
不思議な女性で、
正体が判って、現実に戻ったと??

ん~~?解んない。
誰か解る人いたら、教えて下さい



とまあ、わかんない所もあるけれど
ミステリアスな魅力を持っている作品には違いありませんよ