山田 洋次監督が
昨年オマージュしたのを知り、ずっと見たかった
こちらを先に見てからにしようと思ったら
ついにBSプレミアムでO.A.してくれました
全くの同じタイトル
おとうと
恋人同士にも思えるような
美しくも悲しい姉弟愛="家族"を描いた
60年、市川 崑監督の作品です
日本を代表する女優岸 恵子さんが
時々とてつもなく可愛らしく思えます
小説家を父に持つげん(岸 恵子)は
リウマチで体の不自由な後妻(田中 絹代)の代わりに
家族の世話をしています。
中でも弟碧郎(川口 浩)は
手を煩わせてばかり
万引きをして警察に引き受けに行ったり
ビリヤードやボートで借金をしては
払わされたり…
しかも口が悪いので
いつも言い合いをしてばかり
けれどそんなおとうとが
ある日結核になり…
黒沢映画などでもお馴染みの宮川 一夫カメラマンが
初めて"銀残し"を試みた、語り継がれるヒューマンドラマです
この作品も現在BSプレミアムで行われている
山田 洋次監督が選んだ日本の名作100本のうちの1本。
放送のはじめと終わりに解説してくれるので
さらに作品を楽しめます
まず"銀残し"
私も言葉は聞いたことがあったのですが
今一つピンとこなかった。
でも作品を実際に見て教えてもらったら納得
これは現像手法の1つで
本来取り除くはずの銀を、あえて残しておく方法なんですね。
すると通常より全体的に渋い色になる。
ほら昔の写真などを見ると
ずい分赤とか鮮やかな色って暗くなってしまっていますよね
そういうのを意図的に行うのです。
では、何故
その1つは″コントラスト″を際立たせる為。
結核になった碧郎が喧嘩をして
お父さんのインクをこぼしてしまうシーンがあります。
そのインクの赤
全体的に暗いトーンなので、非常に目立ちます。
さらにこのシーンには深い意味があって
これは碧郎の吐血をを意味しているのだそう。
というのもこの後彼は咳をして
部屋から出ていくんだけど
物語の流れから、明らかに血を吐いている。
だけど描かれてはいない。
つまりこのインクが血をも表していたという事なんです
ひゃ~、深いですねぇ。
他にも碧郎が余命わずかになって
お姉ちゃんに着物を着るよう頼むんだけど
この着物の紫も鮮やかに活きています
こんな風に解説してもらえると
改めて創り手は様々な計算をしているんだと
感心させられますよね
ところで結局、
当たり前のこの時代にもげんは嫁にいかず
おとうとの世話ばかりだったにも関わらず
碧郎を亡くします。
そんな弟を前に
彼女は倒れ、
目覚めると同時に
エプロンをして働き始めるというラスト。
忙しくでもしていなければ辛すぎるという事なのでしょうが、
個人的には
もう少し余韻に浸りたかったなぁ
もちろんこれは完全なる私の好みです。
オマージュした山田監督はどう描いているのでしょう
それでは満を持して、現代の"おとうと"を鑑賞することにしましょう
昨年オマージュしたのを知り、ずっと見たかった
こちらを先に見てからにしようと思ったら
ついにBSプレミアムでO.A.してくれました
全くの同じタイトル
おとうと
恋人同士にも思えるような
美しくも悲しい姉弟愛="家族"を描いた
60年、市川 崑監督の作品です
日本を代表する女優岸 恵子さんが
時々とてつもなく可愛らしく思えます
小説家を父に持つげん(岸 恵子)は
リウマチで体の不自由な後妻(田中 絹代)の代わりに
家族の世話をしています。
中でも弟碧郎(川口 浩)は
手を煩わせてばかり
万引きをして警察に引き受けに行ったり
ビリヤードやボートで借金をしては
払わされたり…
しかも口が悪いので
いつも言い合いをしてばかり
けれどそんなおとうとが
ある日結核になり…
黒沢映画などでもお馴染みの宮川 一夫カメラマンが
初めて"銀残し"を試みた、語り継がれるヒューマンドラマです
この作品も現在BSプレミアムで行われている
山田 洋次監督が選んだ日本の名作100本のうちの1本。
放送のはじめと終わりに解説してくれるので
さらに作品を楽しめます
まず"銀残し"
私も言葉は聞いたことがあったのですが
今一つピンとこなかった。
でも作品を実際に見て教えてもらったら納得
これは現像手法の1つで
本来取り除くはずの銀を、あえて残しておく方法なんですね。
すると通常より全体的に渋い色になる。
ほら昔の写真などを見ると
ずい分赤とか鮮やかな色って暗くなってしまっていますよね
そういうのを意図的に行うのです。
では、何故
その1つは″コントラスト″を際立たせる為。
結核になった碧郎が喧嘩をして
お父さんのインクをこぼしてしまうシーンがあります。
そのインクの赤
全体的に暗いトーンなので、非常に目立ちます。
さらにこのシーンには深い意味があって
これは碧郎の吐血をを意味しているのだそう。
というのもこの後彼は咳をして
部屋から出ていくんだけど
物語の流れから、明らかに血を吐いている。
だけど描かれてはいない。
つまりこのインクが血をも表していたという事なんです
ひゃ~、深いですねぇ。
他にも碧郎が余命わずかになって
お姉ちゃんに着物を着るよう頼むんだけど
この着物の紫も鮮やかに活きています
こんな風に解説してもらえると
改めて創り手は様々な計算をしているんだと
感心させられますよね
ところで結局、
当たり前のこの時代にもげんは嫁にいかず
おとうとの世話ばかりだったにも関わらず
碧郎を亡くします。
そんな弟を前に
彼女は倒れ、
目覚めると同時に
エプロンをして働き始めるというラスト。
忙しくでもしていなければ辛すぎるという事なのでしょうが、
個人的には
もう少し余韻に浸りたかったなぁ
もちろんこれは完全なる私の好みです。
オマージュした山田監督はどう描いているのでしょう
それでは満を持して、現代の"おとうと"を鑑賞することにしましょう