聴くネタバレ映画・ドラマと英語日記

~元MC苅田三貴が見た映画やドラマを私情バンバンはさんでご紹介♪

SCOOP!

2016-10-25 22:44:09 | 邦画ヒューマン
「まだまだ知らない世界が一杯あるなぁ」

それが見終わった後の率直な感想でした。

安定期に入っても、劇場に足を運んで
見られる本数には限りがあるので
その中から厳選したのは福山さんとリリーさんが共演している

SCOOP! 

とても対照的だった2人の役柄そして父になる(13)
感想を見直したら、おおこの時も妊娠中。

子供の父親としては当然そして父になる(13)の方が良いけど
なら、「ちゃんとする事」が本当に必要なのか?
大切なのか?って思わず考えてしまったもんね。
こちらのダークな2人は。
そう考えるとちょっと哲学的な映画でもあるかもしれません


数々のスクープを撮ってきた
伝説のカメラマン都城 静(福山 雅治)も今や借金まみれで、
ゴシップを追う中年パパラッチ。

そんな彼が「SCOOP!」
副編集長横川 定子(吉田 羊)の頼み…
いや、命令か?で新人記者行川 野火(二階堂 ふみ)と
コンビを組む事になります。

もちろん右も左も判らない彼女を育てると言う意味もあるのですが
横川はある事件をきっかけに落ちぶれていった静に
また返り咲いて欲しい思いもあって

一方、次期編集長を狙い、
彼女ともう1人の副編集長馬場(滝藤 賢一)は
何かと火花を飛ばしています

最初はちぐはぐだった静と野火。
時間を共にするうち次第にスクープを飛ばし、
ついにはとんでもない大事件をとらえ

「モテキ」「バクマン。」などの大根 仁監督最新作は
ダークな福山さんを筆頭に個性派俳優が脇を固めます



静と野火がくっつく辺りは
若干、中年の夢入ってるでしょう

私も若かりし頃年上好きだったけど
20歳離れてたらきつくない?な~んて突っ込んだ部分はあったものの、
夢のある映画でした。

と言うか、何かしら目標を持って一生懸命働きたくなる映画でした。

静が野火に「本当にカメラマンになりたかったのか判らない」と
もらしたシーンがありましたが
きっとやりたい事を仕事にしている方、した事がある方なら
一度は思った事があるのではないでしょうか。

嫌な所も理不尽な所も、もちろん好きな部分もある中で
とにかくひたすら突き詰めて進むしかない。

「自分は何者かになれる気がしていた」

そう、なれると思ってただ突き進んでいた。

でもふと立ち止まった時、
本当にこれが自分のしたかったものなのか…

そんな事を考えながらも
カメラしかなかった静は自分の最期をカメラに収めようとしました。

ここが最初に書いたまだまだ知らない世界という部分なんですが、
これってやっぱり「決定的瞬間を撮る」って職業だからかなぁ。

それともその道一筋っていう人は「解る」んでしょうか。

現在その真っ最中に居る大根監督は
(もちろん原作は原田眞人監督だから原田監督も)
自分とも何かしら重ねてこういうラストにしたのかなぁ。

良い、悪い、解る、解んないじゃなくて
なるほど、というのが素直な気持ちです。


ところでこの映画、語らずにいられないのはリリー・フランキーさんの怪演でしょう
「まあ日の当たらない社会で生きるちょっと変わり者なのね。」
くらいに途中までは思っていたけど、ラストのチャラ源と言ったら

同じ福山さんと共演したそして父になる(13)の父親役も抜群で
個人的には主役だったと思ったけど、今回もですよ。


精神疾患?ドラッグ?
″欧米では4%にサイコパスがいる″とも言いますが
娘に会わせてもらえないからって銃を撃ちまくるなんて
恐ろしすぎますよね…

でも、そうしそうな雰囲気を要所要所に出していた。
う~ん。リリーさん流石です

ちなみに静とチャラ源の過去。
何があったのか映画では語られずネットで話題になったそうですが、
個人的には知らない方がいいかと。

まあそういう私も調べたんだけど
正直知らない方が映画が面白かった気がします。

だって人なんてそんなもんじゃないですか
よく知っていると思っている人でも過去を全て知っている訳じゃないし
私も全て知られたくない。
もしかしたら旦那にでさえそうかも。

だから何があったのかは分らない中
2人の関係を想像していた方が物語にふくらみがあった気がします。

ジグソーパズルの最後のピースだけ
いきなり来た人にはめられちゃったみたいな…

という訳で出来れば過去を知らずに
色々想像している方の感想を聞かせて頂きたいところですが
知りたいあなたはこちらの雑誌にも書いてありますので
知った方が良かったか、良くなかったかなども教えて下さると嬉しいです

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週刊SCOOP!2016年10月30日号
(SPA!(スパ)臨時増刊) (デジタル雑誌)
扶桑社

産んだ、産んでないだけで決められる人生なんてない

2013-11-21 18:16:06 | 邦画ヒューマン
この手の題材は子供が居る人と居ない人で
大きく思う事が違うのではないかな~と思います。

そういう意味では、まだ居ないけどまもなく居る
"妊娠中"にこの映画に出会えたのはラッキーな事で
珍しく客観的に見た様な気が

主人公は心から望んでいるのに…不妊の女性。

そんな女性を抜群の安定感を見せる永作 博美さんが演じ、
タナダ ユキ監督の最新作は2作続けて同じテーマ


四十九日のレシピ


今年も残すところ1ヶ月ちょっとになりましたが
秀作が多いですね~。
こちらも胸に詰まるシーンが多く、大いに感動させられました。

対談で監督と脚本家の黒沢 久子さんが
同世代の女性の意見を聞いてみたいと話していましたが
まさに100人いれば100通りの意見があるでしょう


心から願っているのになかなか子供に恵まれない
百合子(永作 博美)

そのうち夫浩之(原田 泰造)の浮気相手に
「子供ができたから別れてほしい」と言われてしまいます。

どちらにも決められない浩之を見て
彼女は子供の為には自分が身を引いた方が良いと考えるように…

そんな中、母の訃報が

あまりに突然だったのでびっくりすると共に
今こそ女性として聞きたい事があったのに…

そう、実は母と言っても乙美(荻野 友里)は継母で
良平(石橋 蓮司)の後妻だったので
自分では子供を産んでいないのです。


離婚届に判をおして実家に戻ると、
若い女の子に背中を流してもらっている父が

よくよく話を聞くとその女の子は
イモ(二階堂 ふみ)と言い
生前、乙美がボランティアをしていた依存症の施設にいて
自分が死んだ後の事を頼まれたというのです。

そして彼女が開いたのは
毎日暮らしていけるように料理や掃除など家事が描かれた
「四十九日のレシピ」でした。

そこには「四十九日には大宴会をやって欲しい」と書かれてあって…


果たして、子供が居ないのは人生に空白ができてしまう事のか
子供が産めないのは他人からとやかく言われるような事なのか
"暮らしのレシピカード"を通して
"母"や"女性"を問いかけるヒューマンドラマです






女性として生まれたからには避けて通れないのが"子供"の問題ですよね~。

正直、女性が社会進出するようになって
仕事も面白く思える人が増え、
気付けば結婚する年齢も、子供を産む年齢も遅くなった。

そこまで真剣に「産みたい」とか「産みたくない」とか考えてなくても
あれよあれよという間に
生物学的にタイムリミットを意識せざるを得ない年齢になってしまったという方も
増えているのではないでしょうか。

私もその1人で、幾ら同じ年代の人が沢山出産しているとは言え
高齢出産ではありますからね。

こう自分で認識し、言っている分には問題ないのですが
やっかいなのは他人からとやかく言われるって事。

この映画ではうるさかったな~珠子おばさん(淡路 恵子)

けれどこういう人を避けて通れるかって言うと
この世で生きている以上現実問題無理。

いつの時代もデリカシーの無い人はいるのです。

もちろん自分で意識的に「産もう」としていないなら
はいはいって流せるけど
この主人公百合子の様に欲しくて欲しくて仕方ないのにできない人が
ズケズケ言われたら…

言葉の暴力も甚だしいですよね。
大体、仲の良い人や本当に親身になっている人は
こういうデリケートな問題には突っ込んでこないと思う。
むしろ何も考えていない人こそ
適当に子供は居た方が良いとか何とか勝手な事を言うんですよね。

産んだら皆偉いのかって
イモの母親や浩之の不倫相手の様に
産んだだけのとんでもない母親だって居るのが現実。
それを「産んだ」「産んでない」だけで相手の人生を決めようとするのがおこがましいんですよ

だから、旦那と話してたんだけど、こういう人には
はっきり言ってしまった方がいいんじゃないでしょうか。

「欲しくて欲しくてたまらないのにできないんです。
 何も悪い事していないのに責められている様で
 こういう質問が1番辛いんです。」と。

これで少しは自分の認識不足を悔やむはず…


と、かなり百合子よりで熱く語ってしまいましたが
結局のところ、大切なのは私が改めて言うまでもなく
自分が納得、満足できるか。

乙美が沢山の人から慕われ、豊かな時間を過ごしたように
子供が居なくったって他人からあ~だこ~だ言われる筋合いもない。


一方、私は結婚願望も子供が欲しいとも昔は思っていなかったので
周りから「居た方がいいよ~」という言葉はうるさいな~と思っていたのですが
あら不思議。
あと2ヶ月足らずで生まれてくる我が子に会えるのが楽しみで仕方ありません。
人って変わるもの。

ウザイと同時に
こういううるさい人のいう事もまた一理あるのかも。

いつの日も、いつの年齢でも
一生懸命闘いながら、気楽に過ごしましょうね、女性の皆さんっ

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父親かて代えのきかない仕事だ

2013-10-07 18:21:16 | 邦画ヒューマン
これ、自分に子供が居て身につまされない人なんているんだろうか

私はまだ顔も見ていないのにお腹に居るだけで、
いやむしろお腹に居て
一緒にこの時間を共有したからこそなのか
視界がにじんで仕方ありませんでした。

ご覧になっていなくても
今年のカンヌ国際映画祭を賑わせたので
何となくだけは知っている方も多いのではないでしょうか、
"子供の取り違え"の話。


そして父になる



世界に通用するイケメン福山 雅治さんが主演である事も話題ですが、
子供を取り違えられた主人公だけになかり抑えた演技で、
バラエティ等で見るお茶目な笑顔はなし。

むしろ笑顔なら、私はリリーさんにやられましたよ

監督は誰も知らない(04)歩いても 歩いても(08)
是枝 裕和さんで、見事審査員賞を受賞しました


大手建設会社に勤める野々宮 良多(福山 雅治)は
みどり(尾野 真千子)と息子慶多(二宮 慶多)と
都心の高級マンションに3人暮らし。

仕事が忙しくあまり息子に構ってやれないものの、
躾は厳しくし、私立のお受験に合格した年。

みどりが里帰り出産した群馬県の病院から1本の電話が掛かってきて、
改めて話を訊きに行くと、
何と6歳になる慶多が取り違えられていたと言うのです


動揺を隠せない中、それでもこのままにしている訳にはいかず、
相手の家族、
つまり本当の血のつながった息子と会う事に…


本当の息子は斎木 琉晴(黄升)と言い、
群馬県で町の電気屋さんを営む
雄大(リリー・フランキー)とゆかり(真木 よう子)に
長男として育てられていました。

3人兄妹というのもあってか、家族は賑やかで
琉晴は行儀が良いというよりも元気一杯で
ストローは噛む、箸は持てないと
躾も良多が考えるのとは程遠いものでした。

それでも血がつながっているのは琉晴。
徐々に会う機会を増やし、
最終的にはどちらの子を育てるかを選ばなければならず…


果たして最終的に選択するのは
共に過ごした時間か、それとも血か
究極の選択を迫られる
第66回カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞した家族の物語です









この映画が"取り違え"の話だと知って
ずっと気になっていたのは「何故、起きたのか

ベビーブーム期ならまだしも、
現在の様な少子化状態で起きるものなのか引っ掛かっていました。

けれど観て納得。
ミスではなくわざとやったのです

ひょえ~~

それで振り回される家族はたまったものじゃないけど
何故やったのかは各々にご覧になってもうらうとして
これですんなりと大きな問題提起に参加する事ができました。

その問題とは
"6年間育てた子供と実の子供のどちらを取るのか"


私はね~、きっと育てた子供を選ぶんじゃないかと思います。
まあ、もちろん想像上の話で
本当にこんな事が起きたらきっと耐えられないでしょうが
ゆかりの言葉がすごく印象的だったんです。

これからますます自分に似なくなる、
よその子に愛情を持って育てられるのかと良多に尋ねられ、

「当たり前じゃない。
 "血"だなんだって騒ぐのは子供と繋がっている実感がない
 父親の話だけよ。」と。


なるほどね~、そうなのかもしれない

私はまだ顔も見ていない、話もできない
この世に生も受けていないたった数ヶ月お腹の中にいるだけのこの子でも
繋がっている気がするんです。

だから産んだのなら尚更。
世話をした時間、過ごした時間が多ければ多いだけ絆が生まれて
その子を手放すなんてできないんじゃないでしょうか。

もちろん母親だからとか父親だからとかじゃなくて
一緒に過ごしたら過ごした分思うのかもしれない。


そういう意味では良多がほとんど息子と一緒に居なくて
あまり優秀でなく自分に似ていないと感じた我が子より
実の息子を選ぼうとした理由が妙に納得できる気がします。


それに対し、雄大はいいお父さんだったな~

と言うのかリリー・フランキーさんが素晴らしい人間力を持っているんでしょうね。
ショッピングセンターの遊技場で
子供と一緒に転がっている姿や
お風呂で「ここ押してみな」って胸を押させ、
ぴゅーって口から水を出して顔にかけるシーンなんて抜群にイイ

大の大人なのに声を上げて笑っちゃったもん。
これは演技でできるもんじゃないね、
「父親かて代えのきかない仕事だ。」と本当に思っている人の行動でした


そんな訳で個人的には納得のいくラストになりましたが
あなたはどんな風にご覧になったのでしょうか。
是非子供のいらっしゃる先輩お父さん、お母さんのご意見もお聞かせくださいねっ

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そして父になる【映画ノベライズ】
宝島社

半沢直樹(平均視聴率28.74%)

2013-09-25 16:29:59 | 邦画ヒューマン
少し前まで、発する前にちょっとにやっとして言うのは
「今でしょ」

それが今は「倍返しだ
よく見ていなくて、雰囲気だけの人は「10倍返しだ

時期的にも流行語大賞にノミネートされそうな勢いですよね

そんなキャッチーなフレーズが世を賑わせたのは


半沢直樹


毎週日曜日21時からTBSで全10話放送されたこのドラマの
最終回の視聴率は
なんと平成になって1位の42.2%を記録

そこまでの数字を記録するほどの内容だった
な~んて書いたら怒られる

原作は池井戸 潤さんの「オレバブシリーズ」
TV化によって「半沢直樹シリーズ」と名前が改められましたが
第1作「オレたちバブル入行組」、第2作「オレたち花のバブル組」が
各々、第一部・第二部として放送されましたよ



バブル期に銀行に勤めれば一生安泰と言われた
1992年、産業中央銀行に入行した半沢 直樹(堺 雅人)。

(上戸 彩)と息子隆博(二宮 慶多)の3人家族の彼は
明確な理由から「上を目指して」バンカーになったのですが
ある試練が訪れます。

そもそも産業中央銀行は
2002年に東京第一銀行と合併し東京中央銀行になったのもあって
上層部の激しい派閥争いが繰り広げられているのです。

その争いは10年後の現在も止むことなく
半沢が融資課長を務める大阪西支店でも
支店長浅野 匡(石丸 幹二)は半沢を疎ましく思っていました。


そんな折、通常ならもっと時間を掛けて精査するはずの
"西大阪スチール"への5億円の融資があっという間に通り、
会社はあっけなく倒産したのです


本来なら、もっと調べるべきだと言った半沢を無視し
強引に融資を進めた浅野支店長に責任があるはずですが
実は"西大阪スチール"は計画倒産で
気が付けば半沢の責任にされていたのです

このままでは半沢は出向扱いになり
バンカーになった目的も果たせないままですが、
5億円を回収できればクビの皮一枚繋がる事に。


果たして型破りのバンカー半沢直樹は無事5億円を回収し、
「やられたら、倍返しだ」を実行する事が出来るのか

また東京に栄転し、ある目的を達成する事が出来るのでしょうか

バブル期入行世代の葛藤と苦悩を描き出し、
大いに共感を呼んでいる話題作は早くも映画化の話も出ています










実際に銀行に勤めている方は
「そこまでではないよ」とおっしゃるかもしれませんが
素人には判らず、盛り上がっているならO.K.

半沢が次々に悪い奴をやっつけていく姿は爽快で
大いに共感が持てましたよね~

そして世間のサラリーマンこそ
特に面白いと思っていらっしゃるって事は
やっぱり世の中理不尽な事が多いのかしら~

「この前言っていた事と真逆だろ。」
「お前の言った通りにやったんだよ。」
「え、その責任俺が被るの?」など…

普段は決して思っていても口に出せない事を
半沢は上司に向かってはっきり言い、
そして見事やっつけていくんだから、
そりゃ見ていて気持ちいいですよね~

インタビューで堺さんは「やられたら、微笑み返しだ」って言っていたけど
本当そう。
このドラマの様にやっていたら、即クビだよね

世の中のサラリーマンの皆様、お疲れ様です


結局、第一部では"西大阪スチール"の社長東田 満(宇梶 剛士)と
浅野が繋がっていて、計画倒産に手を貸していたんですよね。

浅野は借金があってそれを返す為に銀行を裏切っていた訳だけど、
東田のせいで自分も倒産してしまった
竹下 清彦(赤井 英和)と共にその証拠を掴み
見事「やられたら10倍返し」を果たしました


そして第二部は東京中央銀行本部に栄転して1年後のお話。

そもそも半沢は昔必要な時に手を貸してくれず
慎之介(笑福亭 鶴瓶)を自殺に追いやった銀行を恨んでいるのです。
それがまさに"産業中央銀行"

仕返しするために自分の就職先を選んだんだから
何とも切ない話ですが、
本部には慎之介を自殺に追い込んだ張本人であり
現在の常務取締役・大和田 明(香川 照之)がいて、
彼の目的はこの常務に復讐する事でした。

彼が昔行ってきた数々の悪行、
実は奥さんが多額の借金を作り、
家は借金まみれでだった事まで取締役会で暴き、最後には約束通りの土下座。

見事、倍返しならぬ100倍返しを達成しましたが…


お~っとまさかの日本では珍しいクリフハンガー

本来これだけの仕事をしたのだから
かなりの昇進が見込めたはずなのに出向

もちろん視聴率がよかったので早くから続編の案があったのでしょうが
日本のドラマではかなり思い切った最後になったのではないでしょうか。

きっと「半沢直樹2」か映画化で
何故島流しになったのか明らかになるのでしょうが
ずっと爽快にやっつけてきただけに驚きのラストになりました。

個人的には最初から最後までお姉キャラで
存在感を出していた片岡 愛之助さん演じる
黒崎 駿一スピンオフでも見たいものですが
さてあなたはどんな風にこの大ヒットドラマをご覧になったのでしょう


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Oh,My Dad!! (平均視聴率9.3%)

2013-09-21 16:36:43 | 邦画ヒューマン
今クールのドラマで断トツ人気なのは半沢直樹
私も見ていますが、実はこちらのドラマもなかなか面白かった

こんなダメ親父居てもらっては困るし
居たら奥さんが逃げても仕方ない、当然当然。

と最初は静観していたのですが、次第にイライラし
制作陣の思うツボにはまったと思ったら
今度は"親"ってものについて考えさせられてしまったのです。

実は深い部分もあったんじゃありませんか、このドラマ


Oh,My Dad!! オー・マイ・ダッド!!


か~んち(「トウキョウラブストーリー」)から
「事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ!」(踊る大捜査線)まで
数々の当り役、代表作がありますが
実はお父さん役って初めてなんですってね

そんな織田 裕二さんが初めて父親に挑んだ今作は
フジテレビで全11話放送されました


学生時代に科学者として世間に注目されながらも
その後18年間成果を上げられていない新海 元一(織田 裕二)、42歳。

5歳の息子光太(田中 奏生)が居るのに
一向に夢を諦める気配もなく、父親である自覚がない元一に
紗代子(鈴木 杏樹)はうんざりし
息子を残したまま、ついに家を出ていってしまいます


最初はちょっと怒って出ていったんだろうくらいの軽い気持ちでしたが、
いつまでもつながらない携帯電話、
家賃滞納やカードの督促状を目にし、
紗代子が本当に追い詰められていた事を知るのです。

そしてついに家をも追い出され
ホームレス状態のシングルファザーに…


そんな中、かつての恋人早坂 美月(長谷川 京子)と再会します。
仕事をバリバリこなし、身綺麗な彼女に
思わず見栄を張ってしまうのですが…


確かに人生夢がなければ味気ないもの。
けれど40過ぎて子供もいるのに夢を見続けるのは身勝手なのか


ダメ親父を通して、子供を育てる事、家庭を持つ事
そして夢を追いながら生きる事を考えさせられるヒューマンコメディです












結局視聴率はあまり良くなかったのですが、
何故私が最後まで見たかと言うと
生きて、子供を育て次の世代につないでいく
"根本"を考えさせられる部分があったからだと思います。

はっきり言って最初は否定的な事しか浮かびませんでした。

子供がいるのにいつまでも定職に就かず、
一向に叶いそうのない夢を追いかけ
奥さんにも苦労させる40歳男。

そんなの100%なしでしょ、と。

もちろん今だって99%なしだと思っているけど
ただ、全てこのダメ男、
つまりこのドラマでは元一が悪いのか


だって冷静に考えれば、
紗代子だって結婚する前に判っていた事じゃない
元一がいつまでも夢を追い続けるって。

たぶん最初は自分の都合のいい様に想像していたんでしょうね。
元一が立派に科学者になって、その奥さんになると。

ところがそんなに人生甘いもんじゃない。
科学者になれないどころか、
自分がパートで生計を立てながら、子育てもしなきゃいけない…

最終的には彼女もそれに気付き、
昔を思い出してやり直そうと努力し始めましたが、
もう我慢できないってなったという事ですよね。
結婚ってそんな簡単じゃないって、多くの先人が言っているよ


1番簡単なのはどうしても夢を追いたいなら
それを全て受け入れる奥さんを見付けるか(いるのか疑問だけど
最初から家庭や子供を持つのを諦めるか。

ただ
人生そんな簡単じゃないから、皆悩むんですよね


元一と対照的に描かれているのが美月で、
彼女は仕事ではキャリアを積みお金も稼いでいる。
けれど、"結婚"したいと思っている…

つまり、み~んな欲張りでどっちも欲しいって思っちゃうのが本当なんじゃないでしょうか。
その上で、モラルに照らし合わせ
我慢したり、妥協したりしながら生きている。

だから最初は元一にイライラしてしかいなかったけど
ドラマくらいは両方を叶えてもいいのかな~なんて思っていました

それなのに
元一は正社員になるテストに落ちてしまったのです

正直、ここで受かって紗代子ともやり直し
良かったよ良かったとハッピーエンドになると思っていた。

けれど現実社会ではこっちが普通。
この中でも社員に選ばれたのはたった1人だった様に
ほとんどの人が上手くいかないんですよね。

その時にどうするのか


結局元一は試行錯誤を繰り返し、変わろうと努力し、
夢だけでなく、ちゃんと"お金を稼ぐ"スタートラインに立ちました。

よく人は変われないという人がいますが
私はそうは思いません。
人間本気で変わりたいと思ったら変われるはず。

変わらないのはそれが自分の問題だって気付いていないから。
今回の元一もそうだったけど
自分で気付ければ道は大きく開けるはず。
この点は非常に共感を覚えました


加えて"子育て"ってものも考させられましたね。
きっとすでにした方なら、その大変さをご存知なのでしょうが、私はこれから。

「子供は自分の思い通りにいかない。」

充分解ってしようと思っていますが
現実となると、どこまで冷静でいられるのか…

このドラマ見ていたら、まさに、まさに
ここぞ~っていう時に邪魔するでしょ

すぐふてるし、物も壊すし

「僕何にも悪い事してないのに…」
ってママが居なくなって、今度はパパと離れて
挙げ句友達まで居なくなっちゃう自分の不幸を嘆いた光太には
大人の身勝手さを反省せざるを得ません

と、口で言うのは簡単。
自分もいつ何時同じ様な状況になるのかと思うと
ちょっと元一を応援したくなった時も…

いずれにしろ、1度失敗したってやり直しがきくのが人生。
描いていた完璧なハッピーエンドではなかったけど
新海家なりの幸せをそこにみた様な気がしました

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ロックじゃなきゃ…そんなのつまらん!

2012-12-31 17:04:12 | 邦画ヒューマン
きっと北海道以外の劇場だったら
客層もリアクションも違うのではないかと思いますが、
ここはホーム

終始温かい笑い声と
お母さんが子供を見守る様な
穏やかな空気に包まれていました


我らが北海道、江別が生んだ大スター
大泉 洋さん主演の最新作




 グッモーエビアン!


彼が演じているヤグは
それはそれはウザいキャラなんですが、
こっちのローカル番組で出ているキャラとほぼ一緒

だから北海道人は大爆笑だったんだけど
他はどんな感じだったんだろ


と若干笑に関しては共通じゃない部分もあるかもしれませんが
いえいえ、これはどこにでもある家族のお話なんです。


きっと多くの方に思いあたるところがあって
心が温かくなるはず

ちなみにタイトルの"グッモーエビアン!"は
"Good morning,everyone!"の事らしいです。



名古屋ではちょっと名の知れた
元パンクギタリストのアキ(麻生 久美子)は
17歳で母親に。

シングルマザーなので
中学生のハツキ(三吉 彩花)は必然的に
家事もこなすしっかり者

対照的でも2人は友達の様に
仲良くアパートで暮らしていました。


そんなある日。
約2年間、世界ツアーと称して海外をふらふらしていた
ヤグ(大泉 洋)が戻ってきます


彼はそれまでハツキの本当の父親の様に
一緒に暮らしていたので嬉しい反面
やたらと絡んでくるウザい部分や
きちんと仕事をしないところに不満を覚え、
そんな彼を笑って許しているアキにもまたイライラし…



もやもやする気持ちとは裏腹に
大親友のトモちゃん(能年 玲奈)はすぐに
「ヤグちゃんみたいなお父さんだったらいいな。」と言ってくるので
ついに気持ちが爆発してしまい…


"家族の数だけ、家族の形があっていい―"
吉川 トリコの人気小説を
助監督として数々の作品に参加してきた
山本 透監督が映画化しました











監督の山本 透さんは
さくらん(07)やじきた道中 てれすこ(07)アンフェア the answer(11)など
多くの有名作品に助監督として参加しているのですが
監督としてはキズモモ。(08)に次いで2作目。

だから観るまではどんなタッチの作品か
未知数だったのですが
一気に期待値が上りましたね~



もしかしたら、非難する人がいるかもしれない
家族の形を
こんな風に素敵に、普遍として描けるのは
やっぱりすごい事ですよ


特に印象的だったのは
小池 栄子さん演じる先生が
ハツキの家を訪ねるシーン。

ハツキは受験を控えていて
本来なら三者面談を行わなければならない。
ところが会社を休めず行けなかったので
先生自ら訪ねてきたのですが…


したり顔で正論を説く彼女に
「そんなのはつまらん」

この時のアキは超格好良かった


もちろんアキも言っていたけど
本当なら子供の為にしなければならない事が出来ていなくて
責められても仕方ない部分もある。

けれどしっかり働いて、子供を育て上げている人に
誰が文句を言えるの

確かに飲んだくれかもしれないけど
自分の稼いだ範囲内で、
自分を受け入れてくれる範囲内で楽しんで何が悪い


他人の顔色伺ってばっかりより
他人と比べてばっかりより、ず~っとず~っと良いじゃん。
格好良いじゃん。


親が思う子供の幸せは
必ずしも子供の幸せとは限らない。

親として大切なのは形はどうあれ
家族の有難みや大事さを伝える事なんじゃないかな。

その点この映画には大いに共感し
涙させられました


前半はおふざけの場面が多かったので
後半良い意味で裏切られました
こういう映画こそヒットして欲しいな

是非あなたも劇場でご覧ください
個人的に2012年邦画作品ベスト10入り

問題山積みの今日の先に美しい明日

2012-11-07 12:33:44 | 邦画ヒューマン
「冷たい熱帯魚」「愛のむきだし」など
個性的な作品で知る人ぞ知る園 子温【その しおん】監督

しかも、地震で起きた原発事故を描いたっていうんだから
絶対劇場で見たい


東日本大震災から1年8ヶ月近く経ちますが
そろそろ織り交ぜてくる監督が増えますよね。

来年1月に公開される山田 洋次監督
最新作「東京家族」でも無視はできないとおっしゃっていましたし…



それでもやはり描き方がドストレート





希望の国



その上、訴えてくるのは"原発"のみに止まらず
全ての物事に通じていると感じました。

この映画だけでなくよく耳にする
「国は何もしてくれない。」という台詞。

なら逆に訊きたい。
「自分は国の為に何をしているか。」


やってもらって当たり前の社会にいつからなったのか…

自分を守るのは結局は自分なのでは




東日本大震災から数年が経った
のどかで美しい長島県。

酪農を生業とする小野 泰彦(夏八木 勲)は
長年連れ添った妻智恵子(大谷 直子)と
つつましくも幸せに暮らしていました。


息子洋一(村上 淳)夫婦に手伝ってもらいながら。



そんなある日。
再び大地震が起き、大津波が押し寄せます


原発建設に反対していた泰彦の悪い予感が当たり
半径20㎞圏内が警戒区域に。

道路をはさんで向かいの鈴木家は
強制的に家を追われる事になったのに
小野家は避難区域外

それでも泰彦は危険を察し
洋一夫婦を無理やり避難させることにします。


そんな中、妻いづみ(神楽坂 恵)は
待望の第一子を授かるのですが…


一方、小野家にも
刻々と放射能の危険が迫り…




鬼才・園 子温監督が描いた
決して他人事ではない、原発に翻弄される家族の物語です















この映画を観る前と後で
大きく変わった考えがある。


"逃げなきゃいけない"




観る前までは、泰彦の年代の方は別として
これからを生きる若い人達は
"危険だ"と言われる場所から逃げた方がいい。


そりゃ仕事もあるし、簡単じゃないのは解るけど
自分たちの子どもがまた同じ苦しみを味わわなければならないのなら
何とか別の地に行く道を探った方がいいと思っていました。




けれど



たぶん、逃げたって同じなんですよね。
その場しのぎでしかない。
節電と一緒。


確かに今なら、放射能の影響が少ない地域はいくらでもある。
でも、もしこの様に
別の原発で事故が起こってしまったら…


一体、私達はどこに行けばいいんだろう…



皮肉を込めて監督は
「放射能と上手く付き合うしかない。」と
登場人物に言わせていましたが、それでいい訳ない。



根本的に変えなきゃいけない。

とは言え、今のエネルギーを鑑みたら
簡単に原発反対とは言えない。

何かそれに代わるエネルギーを生み出さない限り
他の問題が出てくる。


「原発反対」「反対」と言う前に
私達1人1人、何ができるのでしょう。


誰も為でもない。
結局、何か起きた時1番困るのは
国でも電力会社でもない、自分。
自分で自分の身を守る為に何ができるんだろう…


正直、私は皆目見当がつきません。
ねえ、あなたは何ができると思いますか

是非教えて下さい。




あ、これだけ見る人の心に重くのしかかりながら
好きなシーンもありました


「原発の町へようこそ」の看板と
津波で流された街で
小さな兄妹が登場するシーン。

"鬼才"ってこういう事をやってのけるんですよね~。
すごいっ

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そうするしかなかった時代

2012-09-27 12:11:48 | 邦画ヒューマン
″出来なくて、やらなかった″のではなく
″出来るのに、あえてやらなかった″というのは
大きな違いでしょう。
良い時も悪い時も。


1932年日本で初めてのトーキー作品
「マダムと女房」が世に送り出されてから約30年。

映画の中で台詞を耳にするのは当たり前になったのに
あえて、排した意欲作


裸の島


今年100歳で亡くなるまで
日本最高齢の監督だった新藤 兼人さん。

監督は独立プロの先駆者でもありますが、
実はこの作品を撮る前まで
その会社″近代映画協会″は資金繰りが悪化していた。

けれどこの作品が61年、モスクワ国際映画祭で
グランプリ(=最高賞)を受賞したり、
世界60か国以上で上映される大ヒットになったりして
会社も持ち直したんですって


ヒットしたのも納得。
台詞は一切ないのに、今見ても胸に迫るものがあります




瀬戸内海の小さな島に
トヨ(乙羽 信子)と千太(殿山 泰司)夫妻は
子供2人と暮らしています。


土は乾き、平らな部分などなく、
急な傾斜のある土地で
春は麦をとり、夏はサツマイモを植えながら。


とは言っても、この島に水はほとんどありません


だから彼らの生活は
大半が隣の島から水を汲んでくる事。
来る日も。
来る日も。
来る日も…



そんな厳しい自然の中で
今を必死で生きる女を
のちに監督の奥さんとなる乙羽 信子さんが体現し、
数十人のスタッフが合宿して撮ったヒューマンドラマです















″裸の島″というのは
″何もない島″という事なんでしょうか


最初に海に浮かぶその島が
映し出されるのですが、
ラストにもまた映るんです。


同じ島なんだけど
苛酷な状況をまざまざと見せつけられた後だから
全然違って見える。


改めて、何もない、
酷い所で暮らしているんだなぁと。
北の国からなんていい方だよ



あの、木の根っこを抜くシーンも
衝撃的でしたよね~

作物を育てるには非常に厳しい土地。
それでも、少しでも広げたいから
抜いたんでしょうけど、
くさりの様なものをひっかけて
夫婦2人でぐるぐる回って、抜いていたのには驚きでした。
いや、ショックに近い状態でしたね。

生きる事がそんなにも大変なのかと。



ショックと言えば、パシッーンですよ


今の時代ならあり得ないですよね。
水をこぼしただけで
倒れるほど頬をひっぱたくなんて


まあ、でもその認識が甘いんでしょう。
たたくほど、水が貴重だという事なんですね。

しかもこのシーンがあるからこそ
ラストがより感動的


裸の島には物だけでなく、人も居ない。
当然お医者さんも居ないのです。
だから息子が熱を出した時、
わざわざ隣の島まで迎えに行ったのですが…


間に合わなかった


幼い息子を亡くした母親。
悲しみがどれほどのものか
それはやはり亡くした人でなければ分からないでしょう…


全身で表現している乙羽さんと、
それをただ黙って見ているしかない殿山さんの表情に
胸が痛みました。

そのまま、また元の生活に戻るのも。

そう言えば同じ60年に作られたおとうともまた
同じ様なラストでしたね。

働く事で気を紛らわす。
食っていくだけで精一杯の時代、
そうするしかなかったのかもしれません


裸の島 [DVD]
角川映画

踊る大捜査線(平均視聴率18.2%)

2012-09-15 16:12:33 | 邦画ヒューマン
ついに15年の幕を閉じる
最後の劇場版が公開されたので
最大限楽しむために、TV版もチェ~ック


すごいね~、このシリーズ。
改めてしっかり見ると
確実に歴史に名を刻んだドラマだって判りますよね。


#1″サラリーマン刑事と最初の難事件″でセブン(95)
モーガン・フリーマンブラピに例えられたら
それだけで、やられた~って感じです


踊る大捜査線



しかもこのシリーズがすごいのは
連ドラを見ていなくっても、映画が面白いって事

当時は珍しかった有名人のゲストも取り入れているし、
アメリカンドラマ


思わず、CSI:クリ・マイ
混ざっちゃってるねって突っ込んだけど


本広 克行監督(演出)の下には
今や海猿シリーズをヒットさせている
羽住 英一郎さんがADについていて
こんな所からもフジテレビは
21世紀型メジャーの成功例だと感じます




サラリーマンから刑事になった
元東京都知事と同じ名前の
青島 俊作(織田 裕二)は
湾岸署、通称"空き地署"刑事課強行犯係に赴任してきます。

やる気満々で来たにも関わらず
所内には盗犯係の恩田 すみれ(深津 絵里)しかいなく
少々拍子抜け


とりあえず現場に向かうのですが
警視庁(=本庁)のエリート刑事に馬鹿にされるわ
捜査一課管理官室井 慎次(柳葉 敏郎)の
運転手をさせられるわで、納得のいかない状況。


挙げ句、同じ所轄(=支店)の巡査長
和久 平八郎(いかりや長介)からも
余計な事に首を突っ込むなと釘を刺されてしまいます


人に感謝されたいから、
人の役に立ちたいからと転職してきたのに
これじゃあサラリーマンと同じじゃないかあ


所轄の現実直面し、戸惑い、
政治的な縦割り社会に反発を覚えながらも
成長していく刑事ドラマ。

現在も歴代興行実写収入No.1の座を守るシリーズの幕開けです













このドラマの魅力の1つは一杯あるけれど
1つは間違いなく
青臭青島刑事の熱さですよね


若干押し付けがましい"正義"を
これでもか~と説くから引きそうになるんだけど
もうひと押しくるから、感動する。
ああ、あなたは本当に純粋な人なのねと。



でも、そんな人だからこそ触発される部分もあって
ずっと青島に大人しくしろと言っていた
副署長までもが、室井に思わず
「人の部下をなんだと思ってるんだ」と
啖呵を切っちゃうんだよね

こういうユーモアを持たせつつ
ジーンとさせるのがこのドラマの真骨頂ですよね



個人的にはストーカーの件【くだり】が好きだな~


ストーカー規制法が制定されたの自体2000年なので
いち早く、世の中の流れを取り入れている事になりますが、
つまりはまだ認知されていない概念ですよね。


それを視聴者に解らせるために
スリーアミーゴスに
青島と真下(ユースケ・サンタマリア)が
説明する形式をとるのですが…



最高


織田裕二さん以外″ストーカー″のアクセントも違うし
ストーカー役の伊集院 光さんも
気持ち悪くて良かったです


ちなみにこのエピのタイトルは
#5″彼女の悲鳴が聞こえない″

毎回個性的な副題が付けられていますが
今月1日にO.A.されたTHE LAST TVのタイトルは
″サラリーマン刑事と最後の難事件″

第1話の″最初″が″最後″になっているんですね~。
このタイトルを見ただけでも、ジーンとしてしまいました


今は亡きいかりや長介さんの
「だめだ、こりゃ」にも


拳銃社会ではない日本の警察が
銃を携帯する重みも知られて、興味深かったです



という訳で、準備は万全
満を持して、WARNER MYCAL CINEMASに行きます


同時に、この一連の流れを知って見ると
また違った発見もあるかもしれないので
映画版も鑑賞したくなりました


とりあえず、今日21時からTHE MOVIE3が放送されるので、こちらを見ようかな



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「なんじゃあ、こりゃあ!?」

2012-09-08 18:59:05 | 邦画ヒューマン
すっかり忘れていたけど、
私、この原作を読んでいた

ああ、彼女の作品を映像化したら
まさにこんな感じだよなぁと
流れる緩やかな空気で思い出しました


三浦 しをんさんの直木賞受賞作。


まほろ駅前多田便利軒



″過去につらい経験のある男性2人の再生の物語″と
WOWOWの作品ガイドに書いてあったので
しんどいお話なのかと思ったら
結構スパイスが効いていて、笑える部分もありました


大森 南朋さん演じる
子供をおぶったお弁当屋さんとか

監督はそのお兄さん大森 立嗣さんです




まほろ市は神奈川にほど近い東京にあり
スーパーからデパート、商店街に歓楽街、
映画館と何でもそろっている住宅街

だからまほろ市で生まれた人は
ず~っと住み続けるか、
離れてもまた戻ってくる。


そんなまほろ市の駅前で
多田 啓介(瑛太)は
″多田便利軒″という便利屋を営んでいます。


お客さんの依頼を終えて戻っていたある日。
偶然、高校時代の同級生
行天 春彦(松田 龍平)に遭遇


十数年振りの再会なので、彼は覚えているかと尋ねるのですが、
覚えているも何も
高校の授業中、多田のせいで
行天は小指を切断する羽目になったのです
忘れる訳がありません


後ろめたい気持ちがあってなのか
「今日、泊めて」という突然の頼みもきく事に。


そのまま居ついてしまい
バツイチ男2人の奇妙な生活が始まります


″多田便利軒″にやって来る様々な人を通して
自分とも向き合いながら再生していく姿を描いたヒューマンドラマです
















この映画はドラマティックじゃない所が
いいな~と思いました


離婚を経験した多田に
依頼人として、美人で性格の良い人がやってきたり
行天の元奥さんが
刺された彼を発見して元鞘に戻ったり…



一切、ございません
時は淡々と流れていきます。


しかも依頼人は恋に落ちそうな人どころか
コロンビア人だと言い張るコールガール

演じている片岡 礼子さん、
イイ味出し過ぎてるんですけど~

「あ、気にしないで」じゃないから




生意気な子供も良かったな~
笑いながら、深く考えさせられたけど。

本来大人から受けなければならない愛情を
受けていないと、
何かしら、問題が起きてしまうんですよね~

それでも多田から少し受けて
変わっていくんですよね。
3人並んだ屋上のシーンは心が和みました


こういうシーンを見ても、改めて思う。

「今の時代、こういう人少なくなったのかも…」

そもそも便利屋さんって、どれくらい居るんだろうか…




いつしか機会が人にとって代わり
数字ばかりを気にして、製品は安さ求めてメイド・イン・チャイナ
どの田舎に行っても、チェーン店だらけの同じ風景。

働く誇りもなければ、
トラブルが起きれば責任のなすりつけ合い、
もしくは1人の人間が負えないほどの甚大さ…



″便利屋″を通して
人と人が一対一で向き合う大切さを
説いている気がしてなりません。


昔は″どれだけ深い友達がいるかが″大事って思っていたけど
もしかしたら、この依頼人たちの様に
何気なく出会う人とどう係われるのかもとっても重要なのかも
他人だから、仕事の付き合いだからなどの線引きなく…




そうそう、小学生にドラッグ運ばせる方法
怖いね~

こんな風にこれを入れてくるのかと、その切り口に舌を巻きました。

他の作品も見てみたいくなりましたよ
あ、原作も再びかな


ちなみに窓ガラスを粉々にされて、多田が
「なんじゃあ、こりゃあ!?」と言い、行天が
「似てないんですけど。」というシーンがありますが、
これは松田 龍平さんのお父さん優作さんへのオマージュだそうです。


この台詞があるドラマ「太陽にほえろ!」は
私は生まれていない時に始まったので知りませんでしたが
分かっている方はニヤリとしたはず。

う~ん、にくい演出です


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まほろ駅前多田便利軒
文藝春秋