聴くネタバレ映画・ドラマと英語日記

~元MC苅田三貴が見た映画やドラマを私情バンバンはさんでご紹介♪

南極に行く必要があった時代と受け入れた時代

2011-11-30 11:16:34 | 邦画ヒューマン
内容よりも何よりも
あまりに壮大なスケールに目を奪われ、
「これはどこで撮影されたんだろう」という事ばかり
気になっていました


そして、犬たちもここまでの演技ができるものなの


97年の「もののけ姫」に抜かれるまで
邦画で興行収入1位を保持していた大ヒット作




南極物語


タロとジロの奇跡の生還を描いた物語は
現在「南極大陸」というタイトルで
キムタク主演の連ドラとしてもO.A.中


一方、こちらは83年の蔵原 惟繕【これよし】監督作品。





昭和31年、世界が南極に足を踏み入れようとした時、
敗戦した日本は、復興の為にも
夢を持って南極観測隊を送り出します。

厳しい冬を乗り越えるために
15匹の樺太犬と共に。

吹き荒れるブリザードの中、
探検するには犬に頼る事が必要だったのです。


とは言え、犬だって南極は初めて

犬係となる地質学者の潮田 暁(高倉 健)と
越智 健二郎(渡瀬 恒彦)の
親身な訓練のもと乗り込んだのですが…



これ以上は無理だと
第2次越冬を断念せざるを得なくなり
犬達を置き去りにする事に



自責の念に駆られた潮田は
だんまりを決め、北大講師の職も辞めてしまいます。

もちろん、越智だって…



1年後。
2人が再び南極に行く機会に恵まれ、そこで見たのは



3年の歳月を費やし、
健さんが本当のブリザードにも襲われ、耳を負傷してまで作られた
空前の大ヒット作です














そりゃそうだ
そうですよね、あれだけの大自然


やっぱり本当に南極にも行ったんですよね~
ちょっとセットとかでどうにか出来るスケールじゃないですもんね。

でも、裏を返せば、″南極ロケ″


あまりに美しい自然が織り成す風景は
映像を見るだけでも価値があります


「炎のランナー」でオスカーを手にした
ヴァンゲリスの音楽もまた重厚で
美しさと厳しさを表現していました





そしてもう1つこの映画の重要な要素が
わんわん


何~~あの表情


思いっきりネタばれ警報ですが、
タロとジロだけが生き残ったというように
他の犬は様々な理由でいなくなってしまいます。


最初の難関、鎖を外せなかった…
アザラシとの戦いに敗れてしまった…
崖の下に落ちてしまったなど…


それをどうにもできずにただ見ている事しかできない
仲間の犬達のあの顔


痛々しすぎる~~

どうやってあんな顔させたんだろう


自然を前にした生き物の″無力さ″を感じるシーンは
犬の顔なくしてはありえない。

アカデミー賞ものの演技です





ちなみに現在放送されている連ドラの方は、
私は数話見て、リタイア


ではこの作品と比べて、著しく駄目な部分があるかと言えば
そういう訳ではない気がします。

単に″時代にあっていない″だけな気が…



某議員さんが事業仕訳で
「2位じゃ駄目なんですか?」と発言し
この部分だけ何度も取り上げられていますが、
実はこれ″時代″をすごく象徴した言葉だと思います。


今なら私も「1位にならなくてもいいんじゃない」と
蓮舫(あ、言っちゃった)さんの意見に賛成ですが、
戦争に負けた日本は1位じゃなきゃいけなかった。

もう世界に負けていないんだという事実が必要だった。


その1つが「南極に行く」事であり、
それを受け入れた成長期の日本だったんじゃないかという気がしてなりません。



つまり、先の事業仕訳に関して言えば
「1位に拘っている」時代ではもうないんだと。
いつまでバブルを引きずっているのか?
もっと他にやるべき事があるでしょと。


ただしこの時代は必要だった。

この映画の偉大さは
そういう時代があったと知る事ができる部分なのかもしれませんね

クリミナル・マインド 4TH SEASON

2011-11-25 16:59:54 | 洋画クライムサスペンス・ミステリー
を5つ付けているものは数あれど、
このドラマは6つ付けてもいいくらい
相当面白い


実際の事件からヒントを得ているからというのもあるのでしょうが、
見終えて、戦慄が走るとはまさにこの事


とてつもなく残虐なのに
身近でリアリティがある


いつもはひょいひょい飛ばすエンドロールも
呆然と眺めてしまいます…



クリミナル・マインド 4TH SEASON



10年にWOWOWで放送されたものを
撮りためていました
よしおか、ナイス


本国では08~09年にかけて、全26話O.A.されましたよ




前シーズン、シリアルキラーによって
メンバーのSUVに爆弾が仕掛けられたBAUチーム。


メンバーは助かったものの、
一緒に仕事をした仲間を失う惨劇から
物語は幕を開けます。


もちろん悲劇はそれだけではありません。
日々、全国各地で
凶悪なシリアルキラーが殺人を繰り返しているのです


そんな凶悪犯の行動をプロファイリングで予測し
追い詰めていくのが
バージニア州クワンティコに本拠地を構える
FBI行動分析課(=BAU:BEHAVIORAL ANALYSIS UNIT)



著書も多数ある伝説のプロファイラー
デヴィッド・ロッシ(ジョン・マンティーニャ)や
冷静なチームのリーダーアーロン・ホッチナー(トーマス・ギブソン)を中心に
精鋭メンバーが大活躍



昔は要注意人物としてマークされていた
元ハッカーのペネロープ・ガルシア(カースティン・ヴァングスネス)と
絶妙なコンビなのは
男気溢れるイケメンデレク・モーガン(シェマー・ムーア)


IQ187という天才なので、時々凡人には解らない発言をする
Dr.スペンサー・リード(マシュー・グレイ・ギュブラー)をフォローするのは
語学も優れた才女エミリー・プレンティス(パジェット・ブリュースター)と
ママになったマスコミ担当ジェニファー・ジャロウ(A.J.クック)


チームが一丸となってプロファイルし、
一件でも多く事件を未然に防ぎます
















#17″悪魔祓い″でのホッチナーの言葉。

「人間は誰でもむごい事ができる。
 でもそれを何と呼ぶかは判らない。」



タイトルにあるように
次々と殺人を犯す人が″悪魔祓い″だと言い張ったのに対し、
メンバー各々の「悪魔を信じるか」との問いに対する
答えなんだけど…




なんだかこのドラマを凝縮した台詞に思えました


こういうドラマに登場する事件も
本当に世の中で起きているのも、決して他人事ではない。
普通の人が殺人鬼になり得るんだよね~、
残念ながら



それを見事に表しているのが#11″ありふれた狂気″

犯人は妻と子供のいるごく普通のサラリーマン。
確かに家族構成が女だらけ
仕事ではうだつが上がらず
いつも誰かから、ぐだぐだ言われていると
ストレスがない訳じゃない。

でも、そんな人世の中にたくさんいますよね
というか、むしろ全く我慢していない人の方が少ないでしょう。

そんなよくいる人が、突然殺人鬼へと豹変したのです

その描き方が別格

犯人を主人公としても切り取っているので
共感を持ってしまう部分すらあるのです


#23″トラックキラー″でも同じ気持ちになりました


自分もあんな事件にあったら
分かんないよなぁ…

しかもこちらのエピは2段オチ




とまあ内容が内容だけに、気分が落ち込みそうだけど
そんな事全然ありません

結構笑えるシーンもあるし
今回は#2″エンジェル・メーカー″のエミリーがMVP


リードはあまりに頭がいいので
時々びっくりする知識がペラペラ飛び出す。
そう、それはまるでPCのように


そんなリードのほっぺをいきなり人差し指で、つん

「人間みたい」


あはは



最近はモーガンとペネロピ(私はこう言い張る)の絡みだけでなく
エミリーも好きになってきました

人気ドラマだから当たり前なんだけど
本当にキャラが皆魅力的です



さて、今シーズン最後もクリフハンガー
せっかく惨劇にはようやくピリオドを打てたのにね
どうなる、ホッチ

西川美和が産んだ兄弟

2011-11-23 13:38:36 | 邦画ヒューマン
ディア・ドクターを見た時に、
期待の持てる監督さんだわと鑑賞。

この作品自体も数々の賞を受賞していたので
解り易いかと思ったら
意外と解んなかった


でもスパッと切り捨ててしまうのは
勿体ないので、改めて見てみましたよ





ゆれる


おっヒロインは現在NHKで放送中の
カレ、夫、男友達の主演真木 よう子さんだったんですね


現在注目されている若手監督の1人
西川 美和さんの06年の作品。
企画には、彼女の師匠是枝 裕和さんの名前も連なっています。





母の一周忌の為
早川 稔(香川 照之)の住む
故郷に帰ってきた(オダギリ ジョー)

猛が写真家として東京で気ままに暮らしているのに対し、
稔は地方で、家業のガソリンスタンドを継ぎました。
運転はできないけど


そのガソリンスタンドには
昔、猛の彼女であり
今は稔のお嫁さん候補でもある
幼馴染の川端 智恵子(真木 よう子)も働いています。




そして法事の翌日。
3人で渓谷に出掛けたのですが…


智恵子が稔と言い争っているうち
つり橋から落ちて、死んでしまったのです


果たして、智恵子の死は事故だったのか、
それとも…

サスペンス要素を織り交ぜ
様々な「ゆれる」思いを描いた兄弟の物語です












2回見て、レビューや解説を読んで
物語の肝を、頭の中では理解したけど
心の底からはやっぱり解らなかった。


もしかしたらそれは
私に背負っているものがないからなのかもしれない。


この物語の根底には
兄弟であるからこその"嫉妬"や"しがらみ"みたいなものがありますよね。


自由奔放な弟に比べ
特にとりえもなく平凡に生きる兄の思い。

昔関係していた女性が
兄と何かある知った弟の思い。


この2つが判り易い例だけど
事ある毎に、お互いを意識している…



正直、私にはまったく解らない感情。
何で、兄弟で張り合わなきゃならないの


確かに人は他人と比べてしまう。
比べたって仕方ないって知っているのに

もちろん私だって比べて落ち込むことはあります。
でも、いちいち姉とは比較しないなぁ…





そしてそれが先ほどの
"背負っているもの"に繋がるのかも。


当然"兄弟"と"姉妹"は違うでしょうし、
この場合の様に、"家業"があれば
また違うでしょうし…


私の様に自分勝手にはいかないのかもしれません。
人はそういう見えない"しがらみ"の中で
暮らしているのかもしれませんからね。


ただ1つ

"しがらみ"をどう捉えるかによっても、考えは変わるのかも。


今の私は仕事をしていた時、全く想像していなかった
異種業の"自営業の夫を持つ妻"


そのせいで何かをできないなんて思った事はありません。
どんな環境だって
本気で向かえば、道は開けるといまだに信じています。



まあ、私の様に単純な人間ばかりなら
苦労はない訳で…(苦笑)




実際この映画で賞を受賞した香川 照之さんも
インタビュー(キネマ旬報2006年7月上旬号)で

「兄弟の根底にある裏切り感とかが
 僕自身思ってきたこと、普段思ってることと、
 本当に変わらないことだった…。」と答えているので
多かれ少なかれ、
の"きょうだい"は同じ思いでゆれるのかもしれません。


ちょっと"しまい"の私には共感できないけど




それでも
どうしても猛の法廷での証言は意味不明


傍から見れば、自由そうに思える猛ほど
本気で守りたいものがなくて、可哀そう。

そもそも殺したわけでもないのに
"人生を奪う"ことなんてできないんじゃない


人が人の人生をどうにかできるなんて、
それこそ"傲慢"に感じます。


どうなんでしょう。
是非男"きょうだい"の方感想をお待ちしています

ER 緊急救命室 4TH SEASON

2011-11-19 16:24:12 | 洋画ヒューマン
遠い昔、″ドラマは生放送だった″と
昭和のスター達が語っていたけど
まさか現代でそれをやるなんて


″ER LIVE EAST & WEST″というタイトルの
DVDをお店で見た事があったけど
これがそうだったんですね


東海岸と西海岸の時差に合わせて
2度行われた#1″待ち伏せ″は
ドキュメンタリータッチで
レポーターは今やDr.HOUSEで人気のリサ・エデルシュタイン




ER 緊急救命室 4TH SEASON



グレイズ・アナトミーの最新シーズン
ドキュメンタリー・エピで感動したけど
そうかそうか
ここで先にやっていたんですね


キャスト、スタッフの攻めの姿勢には頭が下がります
流石はアメリカンドラマの金字塔


97~98年にかけて全22話O.A.




昼夜を問わず、忙しく患者が運ばれてくる
シカゴにあるカウンティ総合病院
ER=(緊急救命室)



人の命を救う安全であるかに思える場所で
理不尽な暴力に襲われた
スタッフドクターの(お医者さんの呼び方に興味がある方はこちらのコラムをどうぞ
マーク・グリーン(アンソニー・エドワーズ)はPTSDに悩み、
スタッフや患者にあたり散らしています




手を差し伸べるのは
同僚でもある親友のダグラス・ロス(ジョージ・クルーニー)

彼は復活した
看護師長キャロル・ハサウェイジュリアナ・マルグリース)と
結婚しようとするのですが…



一方、外科は自分に合っていないと
新たにERのインターンをやる事にしたのは
ジョン・カーター(ノア・ワイリー)

その代り、お坊ちゃまなので
部長代理のケーリー・ウィーバー
″無償で″という約束をします


面白くないのは恩師でもある
外科のレジデントピーター・ベントン(エリク・ラ・サル)
彼に相談することなく
勝手に専門を変えてしまったのです


とは言え、そんな事情に関係なく
次から次へと患者がやってくるのがER


時にはルールを破り、大騒ぎになる事もあるけれど
スタッフみんなで命を救います
















カーター
君はこんなに素敵な人だったのかい

薄々感じてきてはいたけれど
今回確信。
彼は育ちがいいんだねぇ


個人的なベストエピは#15″緊急脱出″

ERが毒で汚染され、パニック
そんな時に冷静に指揮を執っていた彼は
とっても頼もしかった


いつもは入れ代わり立ち代わり訪れ
人が溢れているので慌ただしいERが
皆避難していなくなり、静寂に包まれる。
そして再び…



この対比もお見事でした




ERが全く出てこない異色のエピソード
#7″父と息子″の最後のカメラワークも
素晴らしかったなぁ


財政上の理由だと解っているのに
″HIVの偏見で自分をクビにした″と言い出した
ジェニーとウィーバーの対決も見ものです



そして、今シーズンもゲスト出演はたくさんいるけれど
やっぱりマリスカ・ハージティでしょう


私はLAW & ODER:性犯罪特捜班での
彼女しか知らなかったけど
"ちょっと面倒臭いマークのお相手"シンシア・フーパー
見事に演じていました。
笑顔もチャーミング



以前にも触れましたが、このオーディションを見た
ジュリアナが「類稀な才能がある」と言ったんですね


まさかそんな2人が今年のエミー賞
主演女優賞対決するとは
判る人には判るものなんですね~。



その他にもキャロルがちょっと心揺らいだ
救急隊員としてCSI:科学捜査班ニックジョージ・イーズ

これでCSI:科学捜査班チームからは3人も
スピンオフNYからもヒル・ハーパーが患者として出ていましたね~


ますますゲストチェックが楽しみになりました


さてこのシーズンはゆる~いクリフハンガー
患者の命もさる事ながら、
ダグとキャロルのロマンスや
カーターの生活費も気になります

ER緊急救命室 3RD SEASON

2011-11-08 11:58:44 | 洋画ヒューマン
普段、あまり″不条理″という言葉を使わないけど
今年は世界各国、各地で
不条理な出来事が起きていると思う。

その最たる例が東北地方太平洋沖地震


同じ様に″理不尽″な事も多い。
エジプトやリビアの独裁政治が崩壊した裏にある
人が人を虐げる社会。



何故、ドラマの感想で
こんな国語の勉強や世界情勢の話が出てくるのか


それはこのドラマのこのシーズンでは
あまりに″理不尽″が描かれていると感じるから





ER緊急救命室 3RD SEASON



病院という現場ならではの
″医者″が″看護士″を軽視する風潮。

人種、エイズ、同性愛と様々な
「偏見」も描かれている。


自然災害などの
人の力でどうにもならない事があるからこそ
人の力で起きる″理不尽″な事は
出来るだけ少なくしたいと改めて感じました


96~97年にかけて全22話O.A.




医大生として
シカゴにあるカウンティ総合病院にやってきた
ジョン・カーター(ノア・ワイリー)は
大学を無事卒業して、外科のインターンに

再び外科のレジデント
ピーター・ベントン(エリク・ラ・サル)の下につく事に。


けれど彼は"黒人"であるがために苦労が多く
同じ黒人のデニス・ガント(オマー・エップス)ばかりを気にかけ、
そして…



そんな彼はドクターアシスタントのジェニー・ブレ(グロリア・ルーベン)と
不倫の関係になるのですが
彼女がHIVに感染していると分かると
いきなり冷たい態度をとります

そして態度が変わるのは彼だけではありません。


ER=緊急救命室の良心とも言うべき
マーク・グリーン(アンソニー・エドワーズ)までも


彼は離婚して娘と離ればなれになり
さらには同僚で親友の
スーザン・ルイス(シェリー・ストリングフィールド)が去ってからは
だんだん心の平穏を失っていきます


そんなマークに対し
ある事件をきっかけに心を改めたのが
小児科レジデントダグラス・ロス(ジョージ・クルーニー)

看護士長キャロル・ハサウェイジュリアナ・マルグリース)と再び…



今シーズンは第49回エミー賞で、なんと22ノミネート
出演陣各々の立場で苦悩を演じきった
メディカルドラマの金字塔シーズン3です
















それにしてもベントンって嫌な奴~~
今回は内容盛り沢山で
思う事が色々あるけれど、別格で自己中


まあ医療に携わるものが
HIVなのに秘密で働き続けるのはどうかと思うけど
自分が感染していなかったからって
切り捨てるような態度はひどいよね



カーラ・リース(リサ・ニコル・カールソン)が妊娠しても
アリーレネ
全て逃げ腰。
責任をとるとは口ばかり。

挙句、部下を自殺に追い込むし…


お粗末極まりないっ



とまあここまで私を熱くさせている
ベントン役エリク・ラ・サルがお見事という事ですね



それに対し、ケリー・ウィーバー(ローラ・イネス)や
ロス、カーターは自分をしっかり持っていて素敵だなぁ


特にカーター
彼はこんなに凛としている人だったの

技術的に進歩より
自分には患者のケアが大切だと
意志を貫き通した。

おどおどしているベントンとは大違いだわ


という訳ですっかり私も彼らの行く末が気になって…
世にいう"はまって"ですね
しまったので、なるべく早めに次のシーズンへいきま~す



ちなみに今シーズンのゲストは、ここまで書いた以外に
24-TWENTY FOUR-グレイズ・アナトミー
お馴染みのキム・レイヴァーが#7"脳死と誠意と後悔と"に。


CSI:科学捜査班サラジョジャ・フォックス
カーターのライバル役・マギー・ドイルとして出演しています


そうそう知るとこのドラマがもっと楽しめる
アメリカの医学制度についても
コラムとして触れていますので、よかったら読んでみて下さい

コラム2 アメリカの医学制度

2011-11-08 10:28:30 | 用語
アメリカンドラマを見ているうちに何となくは解ってくるけれど
日本との違いを結構感じるアメリカの制度。


その最たるものが医学制度ではないでしょうか


ドラマの金字塔ER 緊急救命室をはじめ
グレイズ・アナトミープラプラ
救命医ハンクDr.HOUSEと沢山のメディカルドラマがありますが
これを読むとぐっと解り易くなるかも



基本的に日本で言う"お医者さん"という活動は
レジデンシーの研修を終え、認定試験に合格してから
アテンディング



グレイズ・アナトミーがスタートした時点では
デレクやマークなどがそうですね


当時こういう医療ドラマがそんなになかった事もあって
ER 緊急救命室の字幕では
スタッフドクターと書かれていますが
台詞の中では確かに「Attending」と言っています。





ちょっとこのお手製の図を参考にして頂きたいのですが、
アメリカでお医者さんになろうと思ったら
一般の大学(=4年)、
医大(=講義2年+実習2年)、
インターンシップ(=1年)、
レジデンシー(各科によって変わるけど3~6年)と
合計12年から長いと15年もかかるのです


そしてこの研修を終え、
先ほど説明したアテンディングという"医者"を、晴れて名のれる訳です

ドラマの中でもキャラがよく言っている様に
それまでは賃金も非常に安い



日本が医大を卒業し、研修医を終えて
8年なのに比べると、ずい分時間が掛かりますよね~



そんな訳でできたのがPA=医療助手制度

救命医ハンクディヴィヤがそうですが、
この博士号を取るには平均25~27か月の医療教育を受ければいいのです

もちろん医療行為をしても問題ありません。


いかがでしょうか。
この制度をちょっと頭に入れておくだけで、
ぐっとストーリーが解り易くなりませんか


ちなみにドラマの登場人物で言うと
グレイズ・アナトミー シーズン1でのメレディス達が赤い部分のインターン。
シーズン7では
すでに青い部分のレジデントになっていて
チーフ・レンジデントのポジションをみんな狙っています
シーズン8では認定試験を受け、合格した人達は
シーズン9からアテンディングになりました。


ER 緊急救命室だと
シーズン1では
まだ緑の部分の医学生だったカーターがどんどん
キャリアアップしていくのも楽しみの1つ


こんな風にドラマからアメリカの制度や文化を知るのも
また面白いかもしれません。

あまり意識していなかった方は、医療ドラマを見る時に
この人物は今どのポジションなのか
考えながら鑑賞するのも楽しいかもしれませんよ

知らしめた三谷力

2011-11-03 18:18:44 | 邦画コメディ
今年も残すところ2ヶ月あまり。

そろそろ、今年はあの作品が1番面白かったなぁ
思いを巡らす時期ですが、
NO,1筆頭候補が公開


才能もあり、心底映画好きが
映画を作るとここまでできるんですね~



ステキな金縛り



もちろん脚本も手がけた三谷 幸喜さんの
5本目となる監督作品。

うたい文句にもあるように
"1番笑えて、1番泣ける"彼の最高傑作




ある青い月の綺麗な夜


不倫関係にあると知った姉妹(竹内 結子)が揉め
妹が転落死


真っ先に疑われたのが旦那矢部 吾郎(KAN)ですが、
彼は絶対にやっていないとのこと



そんな容疑者を弁護するのは
三流弁護士宝生 エミ(深津 絵里)


亡き父(草 剛)の意志を継いで
弁護士になったまではいいのですが
次々と起こす失敗から
容疑者にまで「弁護士を代えて」と言われる始末


そんな彼女を見るに見かねて
ボス速水 悠(阿部 寛)は最後の助け船を出します。




それが絶対にやっていないという
矢部の弁護なのですが
何と彼の無実を証明できるのはただ1人
更科 六兵衛(西田 敏行)という幽霊だけ


  


え~~っ
幽霊が証人になり得るの


というか、一部の人にしか見えない幽霊が
どうやって証言するというの



今や"三谷ブランド"とも言うべき
三谷 幸喜さんによる涙も誘うコメディの傑作です











これこそエンターテイメント

往々にして映画や音楽、芸術は
質と金銭的な評価が比例しづらいと考えられがちだけど
"共存"できるんだなぁと知らしめてくれます




ジブリ作品は別として
最近邦画のヒット作は
テレビドラマとの連動が挙げられます。

つまり、テレビ局の資本なしにヒット作を作るのは難しい。

この映画だってフジの資本が入っている。
だから単純な娯楽作かと言えば、全然違う。

明らかな"映画力"があるのです。




三谷さんの映画の知識は
素人の私が見てもすぐに判るほど半端ない。


ちょっと連ドラが好評だから
その延長で映画をつくっちゃえ~
というのとは訳が違うのです。

あ、別にそれが悪いというのではなく、
こちらは練りに練り尽くされている。



まず幽霊が題材というのがそう
山田 洋次監督大林 宣彦監督
テレビ番組で各々語っていたのを覚えているんだけど

"日本人は幽霊とのつきあい方が上手だ"と。



上手く説明できないけど
多くの日本人は"幽霊"や"死語の世界"を
信じていなくても
"虫の知らせ"のような肉親にまつわるものは
有り難いと思っている気がする。


そんな"日本人"を知っているからこそ
これだけの笑いが生み出せる。



対談集「それはまた別の話」での裏窓について
あの設定上、"窓を開けるには夏である"
必然性にについて語っていましたが
この"必然性"を見事に笑いに変えていた。




まあこれ以上理論を語ると
「ほらやっぱり映画好きは面倒臭い」と
言われそうなので
これくらいにしておきますが、とにかく面白い



特に私は阿部 寛さんの
あの時の顔がイチオシ
是非、あなたご自身でチェックして下さい








ちなみに余計なお世話ですが
三谷さんは今年離婚されました。



映画の中ではあれだけ幸せな
"家族"を描いているのに…


"天は二物を与えず"とはよく言ったもので
もしかしたら
歴史に名を残す人は、自らをすり減らして
私達を楽しませてくれているのかもしれません。

だからこそ、六兵衛がエミを励ました言葉
「自分が自分を信じてあげないで、誰が信じるの?」が
胸に突き刺さりました。



さらなるご活躍を期待しております