聴くネタバレ映画・ドラマと英語日記

~元MC苅田三貴が見た映画やドラマを私情バンバンはさんでご紹介♪

アリーマイラブ 1ST SEASON

2010-02-24 17:09:53 | 洋画コメディ、コメディタッチ
私が海外ドラマには興味を持ち始めたのは
10年位前の大学時代。
当時は今みたいに沢山のアメリカンドラマ
手軽に見られる環境ではなかったから
きっとはまっていた人は好きな作品が重なるんじゃないかしら

ドラマが好きになったきっかけはフレンズとまさにこれ





アリーマイラブ 1ST SEASON 


原題は"アリー・マクビール"と、
主人公の名前なんだけど、
私達の気持ちを代弁した邦題が付けられました。

アリーは20代後半だったので
当時は大分年上だったのに、今は逆に随分追い越しちゃったなぁ





上司にセクハラにあい、訴えようとしたら
"セクハラした人の方が、事務所にお金をもたらすから"と言われ
スパッと辞めた…
辞めるしかなかったのは
新米弁護士アリー・マクビール(キャリスタ・フロックハート)、27歳。


でも、偶然にも大学時代の同級生
リチャード・フィッシュ(グレッグ・ジャーマン)に会い
ずぐに彼の経営するケイジ&フィッシュ法律事務所で働く事に。

さらにそこにはアリーの元カレ
ビリー・トーマス(ギル・ベローズ)も働いていました


元カレと言っても、そんな軽い付き合いではなく
子供の頃から大学までず~っと一緒で
まるで家族の様に付き合っていた。

だから別れても未練たらたらだし
ビリーと再会できてテンション上がりまくり




………
なのも束の間。

何とビリーはジョージア(コートニー・ソーン=スミス)と
結婚していたのです

当然諦めるしかなく、新たな人を探し求め
ジェイソン・ロバーツ(テイト・ドノヴァン)、
ドクター・グレッグ、ラビのスターリン…
と色々デートしてはみるのですが…



ただ、普通に幸せになりたいだけなのに
ただ、優しいお母さんになりたいだけなのに。
ただ、ちゃんと仕事したいだけなのに~~ぃ。

大親友でルームメイトの
レネ・ラディック(リサ・ニコル・カーソン)に支えられながら、
アリーは普通の幸せが手に入れられるのでしょうか















"働く女性"を描くドラマは数あれど
1番共感できるのは、やはりこれだな~



最近と言うのか、不景気になってからと言うのか
そういう風潮で語るドラマも少なくなったと思うけど
はっきり言って
恋より仕事大切な女性はほとんどいないっ


つまり女性が自立し始めて、選択肢が増えた。
今までは「食べさせてもらっている」という意識があったから
我慢していただけ。
男性の仕事と同じで。


それが我慢しなくて良くなったというだけだと思うんです。
あたかもキャリア命みたいな女性が
増えた訳ではなく。


アリーももちろんそうだけど、
ただ"ちゃんと仕事してる、したい"ってだけ。

社会に出て働いた事がある方なら解ると思うけど
グダグダするような恋愛なら、仕事の邪魔


それなら1人でいた方がいい。
つまり仕事より好きな男性が出来たら
女性はあっさり男をとるものです。
どんなに仕事大好き~って言っていても。
何人そんな人を見てきたことか



言うなら
そういう"仕事より好きになれる男性"を探し求めて
仕事も頑張っているのかもしれません。
そんなに深い意味はない



それをこのアリーは10年以上も前の作品だけど
見事に体現しているのです


まあ私の場合、
最近は働いていないので
ほとんど仕事について考える事はなくなったけど
"自分にとって何が幸せか"は常に考えながら
夢見ているのは一緒だと思います



ちなみに昔買った2001年の雑誌「海外ドラマブック」に
"あなたの中に潜むアリー度チェック"
なんてものがあったのでやってみました。

①すぐにパニックを起こす
②すぐに落ち込んでは、すぐに立ち直る
③悩みを打ち明けると「な~んだ。そんな事。」と言われる
④イベント(誕生日やクリスマス)前になると、情緒不安定になる
⑤パートナーに望む条件は4つ以上ある
⑥妄想壁もしくは空想壁がある
⑦よく転び、よくぶつかる
⑧人の悩みを自分の悩みとしてすりかえてしまう
⑨"自分より不幸な人間はいない"と月に一度は思う
⑩運命の人の存在を信じている
⑪熱しやすく冷めやすい
⑫1つが駄目だと、すべてが許せなくなる
⑬自分の人生に夢見がちな所がある
⑭恋人(パートナー)がいないという事実に不安を感じる
⑮うそや隠し事が下手だ


さあ、あなたは何個当てはまりますか
12個以上なら、まさにアリーです
8個以上なら、あ~ら大変あと一歩でアリー
私は6個で予備軍でした


4つ以上当てはまるあなたは確実に共感できるはず。
男性でももちろん、是非ご覧下さいっ

アリー my Love シーズン1
コンパクト・ボックス [DVD]
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

ゴールのない目的地へ

2010-02-18 12:09:01 | 邦画ヒューマン
見たいなぁと思っていて
結局未だ見ていない秀作って沢山ある。

きっと生涯タイミングが合わない作品もあるはず。


な~んて書くとちょっと大げさだけど
実はこの作品2、3回レンタルしていたのに
そのまま見ずに返却し
"ようやく"鑑賞したのです。


もっと早く見ておけば良かった~~


歩いても 歩いても 


ふと、連ドラ「僕の生きる道」で草君が言っていた台詞を
思い出してしまった。

"それは見なかったのではない。
 見ようとしなかったのだ。"と。


横山 良多(阿部 寛)は
兄の15回目の命日で
妻・ゆかり(夏川 結衣)とその連れ子あつし(田中 祥平)と共に
生家を訪れます。


再婚だからと何かにつけ嫌味を言う
堅物父恭平(原田 芳雄)。

そんな父をブツブツ言いながらも上手く支える
いかにも昔の母親とし子(樹木 希林)。

男兄弟にはさまれたせいなのか、ちょっとお調子者で
何とか二世帯に持ち込もうとする長女ちなみ(YOU)。

さらにその上をいくお調子者の旦那(高橋 和也)。

そして医者が偉いと思っている父や
大人になっても世話をしようとしてくる母を
若干煩わしく思いつつ
自分も父親となり、新たな家庭を築いていこうとしている良多…


一見すると、どこにでもありそうな家族。
けれど、その何気ない日常には
家族にしか共有できない幾多の感情がある。


そんな歳月と共に変わる家族の姿を
2日間に凝縮したヒューマンドラマです




是枝 裕和監督の出身畑がそうだという事もあって
まるでドキュメンタリーを見ている様。

会話がリアルすぎて
もう笑うしかないでしょ~っていう部分が沢山ある。

日常にもこんな笑が実は沢山あるんですよね~。
怒るのも笑うのも紙一重。


最近私はムカッときたら
(まあ正直あんまりないけど)
「ありがとうございます。」と手を合わせるようにしている
そうしたら、あ~ら不思議。
嫌な出来事も楽しい事にチェンジ
皆さんにもお薦めします


とまあ少し話がそれましたが
正反対の感情が紙一重というのは事実ですよね。

この作品では樹木 希林さんの演技が
大絶賛されましたが
"女の怖さ"を見事に表現されていました。、

特に印象的なのが
"1年に1度くらい苦しんでもらったっていいじゃない"と
良多につぶやくシーン。

良多の兄、つまりとし子の子供は
海で溺れている子を助けて、命を落としたんですね。

毎年助けられた子は
命日に横山家に来るんだけど、今年で25歳。

自分の命と引き換えに亡くなった訳だから
当然、訪れても居心地が悪い。

それを見るに見かねて、良多が
"もうそろそろ来なくてもいいんじゃない?"って
とし子に言うんですね。

そこで、とし子の言葉。
「10年やそこらで忘れてもらっては困る。
 母親にしたら、殺されたも同然。
 むしろ憎む相手が居ない分、しんどい。
 だから、
 1年に1度くらい苦しんでもらったっていいじゃない。」と。

背筋がスーッと寒くなりましたよ
でも同時に解るって思う自分もいる。

もちろん、私は子供を産んだ事がないから
全く同じ気持ちかどうかは判らないけど
そこまで残酷だとは思わなかった。

つら~っと言ってのけたとし子に
もしかしたら男性陣は鳥肌が立つのかもしれませんが


人はこの様に愛しさの裏側に
残酷さをも併せ持つものなのでしょう。

そんなグレーゾーンを描く是枝監督に
学んでいたのが
ディア・ドクターで、今年数々の賞を受賞されている西川 美和さん。
根底で描いているものが一緒ですものね


う~ん。
久しぶりに監督で作品を見たくなってきた
お2人の作品を
"グレーゾーン"というテーマで鑑賞するとしますかっっ


そうそう私は最初に草君の台詞を書きましたが、
きっとこのタイミングで見たかったのだと思います。
だから付け加えておきます。

"それは見なかったのではない。
 見ようとしなかったのだ。
 そして見るにふさわしい時があるのだ。"

第83回キネマ旬報ベストテン

2010-02-17 13:00:35 | 用語
毎年2月に発表されるすぐれた映画や人に贈られる賞。
今年はご覧のような結果になりました


日本映画作品賞…ディア・ドクター

外国映画作品賞……グラン・トリノ


最優秀主演男優賞…笑福亭 鶴瓶
最優秀主演女優賞…松 たか子
最優秀主演男優賞…三浦 友和
最優秀助演女優賞…満島 ひかり
最優秀新人男優賞…西島 隆弘
最優秀新人女優賞…川上 美映子

皆様おめでとうございます


日本映画ベスト・テンつまり優れた作品は

1位 ディア・ドクター
2位 ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~
3位 劔岳 点の記
4位 愛のむきだし
5位 沈まぬ太陽
6位 空気人形
7位 ウルトラミラクルラブストーリー
8位 サマーウォーズ
9位 誰も守ってくれない
10位 風が強く吹いている
*次点 のんちゃんののり弁

ジェイソン・ライトマン(JASON REITMAN)

2010-02-14 18:42:13 | 監督・脚本家
活躍を期待していると言ったら
今年度第82回アカデミー賞監督賞、作品賞に
マイレージ、マイライフ(09)でノミネート

まだ日本では公開されていませんが3月20日から公開予定
今から楽しみですね~



さて、こんなに活躍している彼は
1977年10月19日カナダモントリオール生まれ。

お父さんはゴースト・バスターズシリーズを監督、製作した
有名なアイヴァン・ライトマン

さらにお母さんは70年代に活躍した女優、
お姉さんはテレビを中心に活躍する女優という芸能一家に育ちます。



監督してのスタートは15歳の時
同級生で作った作品がテレビで初放映。

19歳では初の短編OPERATIONを皮切りに次々と作品を発表し
この頃から各地の映画祭で話題になります。

ハイネケン、ホンダ、アディダス、BMWなどのCMを手掛け
カンヌのコマーシャルアワードでアディ賞、ワン・ショー賞を受賞


長編デビュー作のサンキュースモーキング(05)では
ナショナル・ボード・オブ・レビューと
全米コメディアーツから最優秀新人監督に選出


さらにJUNO(07)では2作目にして
アカデミー賞監督賞にノミネート
つまり今回は2度目のノミネートです。


彼は監督としてだけでなく、
人生の先輩としてもお父さんを大尊敬している事も影響し
以前の2作品には、家族や親子の絆が温かく描かれています。

また作品を作る上で大切な事に
「予算に責任をもつ」というのも語っています。
これって映画だけでなくすべての仕事に当てはまると思う。
大ヒット作品を作りたいのではなく
良いと思うものを映像にしたら
結果として制作費以上を稼ぐ事が出来た。
その姿勢にすごく共感がもてます。


ちなみに彼の笑いとして大切にしているのは
「真実味が感じられる事」だそうです。

あくまでこの考えは2作品を作った時に後に語っているので
最新作マイレージ、マイライフではこの考えが反映されているのか

そんな部分に注目しならが映画を見るのも楽しいですよ



主な作品
サンキュースモーキング(05)
JUNO(07)
マイレージ、マイライフ(09)

ラブストーリー不朽の名作

2010-02-14 18:12:37 | 洋画ラブストーリー、ラブコメ
アカデミー賞の授賞式が近づいてくると
過去の関連作品を見たくなります。

もちろん、WOWOWをはじめ、地上波、BSなど
色々なテレビ局でも特集しますしね

こちらは53年のウィリアム・ワイラー監督作品。
当時無名だったオードリー・ヘプバーン
監督に見出され、
第26回アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した


ローマの休日 


原題の"ROMAN HOLIDAY"には
"面白いスキャンダル"という意味もあり
2重の意味(=ダブル・ミーニング)になっているとも言われていますよ。



ヨーロッパ最古の王室の王位継承者である
アン王女(オードリー・ヘプバーン)は
親睦を深める為各地を周っています。

けれど、分刻みのスケジュール、
堅苦しい行事に嫌気がさし、逃げ出してしまうのです。


こっそり逃げ出したはいいけれど
その前にヒステリーを起こした事もあって
鎮静剤を打っていたので
眠気が襲い、道端で眠りこけてしまう彼女


そこを通りかかったのがジョー・ブラドリー(グレゴリー・ペック)。

本来なら酔っ払って(本当は違うけど)
その辺で寝ちゃうような女には係りたくない。
でもほっとく訳にもいかず
結局家に連れて帰る事に

アメリカの新聞記者であるジョーは
翌朝出社すると
自分が泊めた女性が王女で
しかも対外的には急病になっていると知り
プロ根性がむくむくと湧いてきます。

「アン王女のプライベートをすっぱ抜こう」と。

そこでカメラマンのアービング・ラドビッチ(エディ・アルバート)と協力して
タバコを吸ったり
男性とダンスしたりと
いかにも大衆が喜びそうな写真も手に入れ
記事にする準備は整ったのですが…

アンとジョーは恋に落ちてしまったのです


50年以上経った今でも
"素晴らしいラブストーリー"として語り継がれる作品です





この映画は白黒です。
言うまでもなく、オードリーは非常に美しくチャーミング
で、白黒です。

何が言いたいか

だってね、今の美しい人達って皆バッチリお化粧しているでしょ?
ノーズシャドウもチークも
ファンデーションだって1種類じゃない。
それであの美しさ。

でもオードリーは当然そこまでの化粧はしていない。
なのにこの可愛らしさは何なのでしょう
きっと女優になるべくして、生まれてきたんでしょうね~

かの有名なローマの名所真実の口のシーンも
とってもチャーミング

「嘘をついたり、心にやましい事がある人は
 手が抜けなくなる」というジンクスがある彫刻ですが
この物語の中では
ジョーが抜けなくなった演技をするんです。

それにアン王女はとってもびっくりするんだけど
実は本当にびっくりしたんです

オードリーの自然な演技を引き出すために
監督とグレゴリーは秘密にしていたのだそう。
自然すぎるほどのリアクションは
天然だったんですね



ところでこのラブストーリーが人気なのは
やはりはっきりしない結末だからでしょうか


アンとジョーは結ばれた訳じゃないから
決してハッピーエンドではない。

でも結ばれなかったからと言って
アンハッピーな訳でもない。

"きっと2人にとってこれが良かったんだろうなぁ"という
微妙な感じが好まれているのではないかな

特に男と女はね
黒白付けられるものではないものですもんね。


もちろん、恋愛だけでなく
人の成長も描いています。


最初、アンはこんな生活はもう嫌だと
自分の立場を忘れて逃げ出します。

私達庶民には当たり前の生活、
例えばアイスクリームを食べたり
髪を切りに行ったり…
その1つ1つに新鮮な喜びを感じつつも
彼女は戻るのです。
王女という立場に。

つまりは現実を受け入れたという事ですよね。
彼女は最初より戻った時の方が
少し凛々しく感じました。


いつの時代も
人は理想を抱く。
でもどこかで現実と向き合い
折り合いをつけるしかないのです。

それを受け入れられた時、
人はまた一回り大きくなるのかもしれませんね

ラブストーリーとして取り上げられる名作ですが
こんな奥深さも
多くの人に愛される理由かもしれません。

さあ3月8日のアカデミー賞の前に
あなたもご覧になってみてはいかがですかっ

ゆれる、真実と嘘の間で

2010-02-11 10:26:24 | 邦画ヒューマン
今年もキネマ旬報ベスト・テンが発表され
09年に映画好きをうならせた作品が出揃いました。

その代表とも言える日本映画作品賞
脚本賞最優秀主演男優賞に輝いたのは


ディア・ドクター 

ゆれる(06)で数々の賞を受賞した
若き女性(1974年生まれ)西川 美和監督の3作目。

"2つの面"がキーワードになっています。



人口1500人の田舎町。
村人にとっても慕われていた医者伊野 治(笑福亭 鶴瓶)が
突然姿を消します。

村では唯一のお医者さんだったので大騒ぎになり
波多野 行成刑事松重 豊)が
聞き込み捜査を開始。

話を聞いていくうちに
なんとも不思議な事が発覚。
誰も伊野の素性を知らないのです

研修医としてやってきた相場 啓介(瑛太)。
3年半一緒に働いていた看護士大竹 朱美(余 貴美子)。
病院に出入りする薬屋斎門 正芳(香川 照之)
村長(笹野 高史)等…



何故か

実は彼は医師免許を持っていなかったのです。
つまりは偽医者。

医療行為をしてはいけない人だった。
村人に嘘をついていたのです

でも皆に頼りにされ、慕われていたのは
紛れもない真実。


では彼の存在は本当?それとも偽物
そもそも本当って何だろう…


豪華な役者が脇を固め、僻地医療を題材にしたヒューマンドラマです








どのレビューやストーリー説明でも
主人公が"偽医者"だって事を書いていて
結局私もにズバリ書きましたが、かなり迷いました。

それは"偽者"だって事を知らなければ
全く違う見方が出来そうで
むしろ、私は知らずに見てみたかったから。


核心から言ってしまうと
この物語の肝は、人間のグレーゾーン、曖昧さ。

きっと誰もが信じているもの、世界って
すごく脆弱なもの。
嘘も本当も紙一重で、
崖から崖を、谷の上で綱渡りしている様なものなのかもしれない。

だからこそ皆必死でしがみつく。
自分の生きている世界がリアルなものだ、
正しいものだと信じて。


物語の中で、後半伊野が相馬に白状するんです。

「(医者の)資格がない」と。

でも、相馬はそれなら自分の方が
お金の事しか頭にない父親の方が
資格がないと反抗するんです。

もちろん、2人は物理的に医師免許は持っていますけど。

それまで相馬は伊野に胡散臭さを少し感じていたので
その言葉を聞いた時に
物理的な事だと受け止めても良かった。
でもそうしなかった。
むしろ、そう出来なかった…



これって人間の本質じゃないかなぁ。
何でも都合の良い方に解釈しようとする。
良い言い方をすれば、前向きに生きようとする。


そこで思うのです。
もし私が"偽医者"だというのを知らずに
この映画を見ていたら、このシーンをどう捉えたか

あくまで会話の流れで
「資格がない」なんて
自己嫌悪に陥った時に人はよく言う。

私だってしゃべる仕事していた時、よく言った

だからこそ思うのです。
知らずに見たら違う受け止め方をしたかもしれないと

まあ途中で偽者だって事が
徐々に明らかになっていくので
"全く知らずに"というのは不可能だと思いますが。



じゃあ、何故そんな楽しみがあるのに
ここでネタばらししているのか


それは最初に伊野が答えを言っているから。
これに気が付くと"むふふ"って勝ち誇りたくなる
この気持ち良さを味わって頂きたくて
他の皆さんと同じ様に書きました
これからご覧になるあなたはどうぞお見逃しなく


ところで脇を固める役者さんが豪華だと書きましたが
大竹と斎門は長く伊野と働いていたので
ある程度偽者だと気付いていました。
その曖昧さの表現がお2人とも絶妙

特に余 貴美子さんが手助けして死にそうな患者の命を救うシーンは
心に残ります。

余さんは3月に発表される日本アカデミー賞
この作品で助演女優賞にノミネートされています。
(香川さんは別の作品でノミネート)

松重さんの刑事もすごくハマっていました

井川 遥さんも田舎に母(八千草 薫)をおいて
東京で働くお医者さんを演じていましたが
いい味だしています

まだまだ書きたい事は沢山ありますが
枚挙に暇がないので、今回はこの辺で。

いずれにしろ、人はこの曖昧さ、グレーゾーンで
必死にもがき続けるのでしょうね。
良い意味でね

映画館で見る価値再び

2010-02-01 23:53:42 | 洋画SF・アドベンチャー、ファンタジー
これは"映画を見に行った"と表現していいのでしょうか

初めて映画館に行った時と
私はホームアローンだったけど
比べ物にならない位の衝撃

今まで誰にも破られなかったタイタニック興行収入を
たった39日間で自らがぬりかえ
すでに20億円を突破し、まだまだ勢いが止まらない


アバター 



この作品の売りは何と言っても"デジタル3D"
よしおかもデジタル3D初体験してきました
しかも眼鏡がこんなに大きくて、赤と青がはっきりしていないrっ




時は22世紀。
遠い惑星パンドラには人間と似た様な姿をした
"ナヴィ"という民族が住んでいます。

彼らは輝く美しい肌で
神秘的な力を信じ、自然と共生しています。

その平和な土地で
利益の為に、あるプロジェクトを行おうとしているのは
スカイ・ピープル=人間。


パンドラは人間には大気が有毒で
マスク無しには暮らせないんですね。

そこで遺伝子を組み合わせた
ナヴィそっくりの肉体"アバター"を作り出し
人間はドライバーとして
彼らの生活に侵入します。

その1人がジェイク・サリー(サム・ワーシントン)。
彼はもともと海兵隊員だったんだけど
戦闘で足を怪我し、不自由になったのです。


ドライバーになれば
パンドラでは自由に歩けるし、
任務を完了すれば、手術の費用も出してもらえるしと
深く考えずにプロジェクトに参加したのですが…


構想14年、製作に4年以上の歳月を費やし
ジェームズ・キャメロン
満を持して世に送り出したデジタル3DSF作品です




ストーリーは若干見た事ある様な気もしますが
そのイマジネーションに圧倒されます。

実際には見た事のない生物を描き出す訳だけど
どこからその発想が生まれてくるのでしょう
この映画はその世界観を体験する作品だと思います

そう、まさに"体験"


この作品はデジタル3Dを抜きにしては語れませんが
その前に、
現在の3Dブームは
第3次立体映画ブームだとご存知ですか

第1次1952~54年
第2次1982~84年
そして第3次が今。

これらすべての背景には「映画館離れ」があります。

最初はTVの普及。
2度目はCATVの普及。
ご存知の方も多いかと思いますが
土地が広大なアメリカでは日本と比べ物にならない位。
だから沢山のドラマがあるんですが。

そして今はTVの大型化、デジタル化。
ブルーレイも登場したし
はっきり言って映画館に行く意味って…


正直、映画が大好きな私だって行く頻度が極端に減りました




が、しか~つ


今回の3Dはすごいっっ


20世紀FOXの作品って
サーチライトが夜空を照らすオープニング・ロゴなんですが
このライトがこちらまで照らしているみたいで
のっけからやられました~~

あとはもうその世界に没頭するだけ。
森は美しいし、
その美しい生物がこっちに飛んでくる。

沢山人が居る時
例えばライブとか講演会とか。
前の人の頭が視界をさえぎる事がありますが
まさにそんな感じで本当に人が前に居るみたい

巨大な生物が襲ってきたら
思わず飛び退いちゃうし

これで楽しまなきゃ損でしょ~って感じで
思いっきり満喫しました

この映画だけでなくいまの3Dなら
わざわざ映画館に行く意味がある。
むしろ
映画館じゃなきゃ面白さが半減するコンテンツだと思います。

まだ体験していないあなたは是非劇場へ。
もちろん、3D対応のねっっ

ちなみにストーリーに関して1つだけ。

ジェイクは侵略しようとしている本当の目的を知り
仲間との狭間に立たされ、悩み
結局ナヴィ側に立って戦います。

人間とは何て愚かな生き物なんでしょう。
別に変な信仰がある訳じゃないけど
所詮、生き物の1つ。
人間が踏み込んではならない領域があるのかもしれませんね。