聴くネタバレ映画・ドラマと英語日記

~元MC苅田三貴が見た映画やドラマを私情バンバンはさんでご紹介♪

変えたかったら、自分が変わるしかない

2012-04-30 17:30:01 | 洋画コメディ、コメディタッチ
今回劇場に足を運んだ理由の1つは
マッド・メン以外のジョン・ハムを見たかったから


その期待に応える"軽い男"っぷりで
しっかりとのっけから笑わせて頂きました


プラス
脚本も手掛けたクリステン・ウィグ
コメディエンヌっぷりも素晴らしかった~


  

ブライズメイズ
     ~史上最悪のウエディングプラン~
                 




面白おかしくするため、
実際「それはやりすぎでしょ~」と
ツッコミたくなる部分もありましたが、
久しぶりに声を上げて笑わせてもらったのでO.K.

個人的には細かい部分での方が、
"女"をピタリと描き表していた気がします




せっかくオープンしたケーキ店を潰し、
男にも逃げられた30代独身の
アニー・ウォーカー(クリスティン・ウィグ)

会ってくれるのは体の関係しか求めない
テッドジョン・ハム)だけ


そんな不運続きではあるけれど大丈夫


だって幼い頃からの親友
リリアン・ドノヴァン(マーヤ・ルドルフ)がいるから。



ところがその唯一の頼みの綱である彼女が婚約


しかもブライドメイズのまとめ役
メイド・オブ・オナーも頼まれたのです


ブライズメイズの中には
何でもかんでもお金をかけたがる
セレブ妻のヘレン・ハリスローズ・バーン)がいたり、
新郎の妹で、肉体的に攻撃的な
メーガン・プライス(メリッサ・マッカーシー)がいたりと
全然まとまらず…


食事会、衣装合わせ、バチェラパーティーと
イベントがある度、大ハプニングが起こってしまいます


そしてついに友情決裂
アニーはリリアンに「結婚式に来なくていい」とまで
言われてしまいます


さて、2人の友情はこのまま壊れてしまうのでしょうか
リリアンは無事結婚式を挙げられるのでしょうか


今年度アカデミー賞脚本賞にもノミネートされた
お下劣だけど、爆笑間違いなしのコメディです


















大なり小なり、最初から最後までよく笑っていたので、
内容を反芻すると
笑ったシーンが真っ先に思い浮かびそうですが…



印象深いのは感動したシーンだった



1番はラストのローズ・バーンとのシーン。

彼女もまたダメージとは全く違う
お高くとまったセレブ妻を熱演していましたが、
事ある毎にライバル心むき出しの2人。


はた目からすると
優雅で幸せそうなヘレン。


一方、アニーは人生の底辺という物があるなら、今がそう。
挙げ句、たった8ヶ月の付き合いで
自分の親友を"親友"だなんていっているんだもん。
孤独を感じない訳ありません。



それでもここで判るんですよね。
ヘレンも同じだって。


"女同士は合わせ鏡"とはよく言ったもので
どんな状況だって、人をうらやんで見栄を張ったり、
意地を張ったりする事はある。

裏を返せば、そういう生き物だと
理解できるのもまた女同士。

自分の弱い部分をさらけ出せば、
意外とすんなり仲良くできるものなんです




ぐちゃぐちゃの顔しても
美人だと言い張るヘレンに笑いながら、
女同士っていいよなぁと
自分が"女"である事に感謝したくなりました




もう1つはメーガンとの取っ組み合いのシーン。


演じるメリッサ・マッカーシー
見事アカデミー賞助演女優賞にノミネートされましたが、
妙な体育会系


すぐに体を張りたがり
落ち込んでいるアニーにもバッシバッシたたいて
励ましたんです。


「こんな風に人生は痛いもんなんだ。
 だから戦わなきゃダメなんだ。」って言って。


この言葉自体、ドラマや映画の中でもよく出てくるから
辛い時、思い出してカツを入れるんだけど
"体を張って"というのが、とても良かった


"百聞は一見に如かず"じゃないけど
心と体の痛さがシンクロするのって
時にはすごく説得力があると思います




と、コメディでありながら
毎度ヒューマンドラマに変換してエントリしていますが
笑いは劇場で、是非あなた自身で体験して下さい


現在公開中でイチオシの映画です


ブライズメイズ
史上最悪のウェディングプラン
ジェネオン・ユニバーサル

ドタバタ劇の中に、黒~い闇

2012-04-27 13:21:53 | 洋画コメディ、コメディタッチ
先日トゥルー・グリットを見た時
"監督らしくない"という文字を目にし、
それなら逆に"彼ららしい"とはどんなものか
疑問符が浮かびました。


そこで
世の中の流れとは全く関係なく
勝手にジョエル&イーサン・コーエン特集

第1弾


  

赤ちゃん泥棒


個人的には彼らの作品を初めて劇場で見た
バーン・アフター・リーディングなどと比べると
非常に解りやすく、単純に笑えました


特にホリー・ハンターの泣き顔
美しい顔がぐちゃぐちゃ~~




コンビニ泥棒のHI(ニコラス・ケイジ)は
刑務所に入る時に写真を撮る警官の
エド(ホリー・ハンター)が
すっかり気に入ってしまいます


最初は可愛いなあ程度だったのですが、
"家族"を意識し始め…



プロポーズ


心を入れ替え、ちゃんと働き、
2人は父の用意してくれたトレーラーハウスで
幸せな結婚生活を送るのです



ところがエドが不妊症だと判明します




養子も取ろうかと考えるのですが、
何せHIは元泥棒
当然、そんな人に子供を渡せる訳もなく…




すっかりエドはもぬけの殻になってしまったある日。
家具大手メーカーの社長ネイサン・アリゾナ(トレイ・ウィルソン)に
5つ子が誕生したというニュースを目にしたのです。



5つ子

そうだ

5人も居るなら、
1人くらい居なくってもいいよね

という訳で
赤ちゃん泥棒をする事に決定



今や奇才から巨匠への仲間入り。
ジョエル&イーサン・コーエン監督87年の痛快コメディです















彼らの作品て
人によって色んな解釈ができるろころが
魅力的なんでしょうね~




この作品の重要なポイントは"タトゥー"ですよね。



シンプルなよくあるドタバタ劇かと思いきや
妙なキャラが登場する。


ランドール・"テックス"・コブ演じる
賞金稼ぎレオナルド・スモールス


監督たち"らしい"というものがあるなら
まさしく彼がそうで、
悪そのものの化身。


楽しいコメディのはずなのに
一体どうしてこんなキャラが出てきているんだろうと思っていました。



そうしたら最後…



HIと同じタトゥーをしていた


つまりはHIも同類だと


人は誰しも"悪"の部分を持っているんだと
言いたいんでしょうか
延いては、そもそも"悪"だと????



う~~ん。
それなら彼らの作品を
根本的に理解できない理由が判るな~。


育った環境が違うだけでも
色んな考えがあるのに、
まして人種や宗教が絡んできたら
解る訳ないんだ

それこそ、もう歴史を学ぶ世界。


何だか今まで映画を見る時、
"解ろう"としていたけど、そうする必要ないんだ~

ただそこにあるものを"受けとめる"という見方もあるんだ。
ちょっと目から鱗。

今後映画の見方の幅が広がりそうです




とは言え、
アラビアのロレンスをほうふつさせる
太陽の美しさに感動したり、
HIの名前の付け方や"元泥棒"という設定のうまさに
舌を巻いたりするのは世界共通


彼らの作品をもっともっと見て
あ~でもない、こ~でもないと言いたくなってきました


何事もタイミングが大事
いつか見ようと撮りためていた作品が結構あるので
今がその時でしょう。
第2弾すぐにいきますね

スピンオフ

2012-04-25 23:12:39 | 用語
主役以上に人気が出たり、注目されたり
評価を受けた人を主役にした物語="キャラクター型"

もしくはその番組のコンセプトはそのままに
場所を移して作られる番組="フランチャイズ型"


前者で言えば、グレイズ・アナトミーからプライベート・プラクティス
フレンズからはジョーイなど。


後者では、CSI:科学捜査班からはマイアミNY
現在アメリカで大人気の
NCIS~ネイビー犯罪捜査班が有名です。


日本では踊る大捜査線シリーズ
デスノートから
松山 ケンイチさんが主役になったL change the WorLdなども。


新たな番組を作るより、
ファンがすでにいる番組のファンを
そのまま視聴者にする方が簡単なので
不況の中、
2010年のアメリカのテレビ業界は空前のスピンオフブームでしたが…


クリミナルマインドクリミナルマインド~特命捜査班レッドセル~
CSI:マイアミの様に終了したものもあるので
2010年を境に縮小していくのかもしれません

北の国から '95 秘密(視聴率30.8%)

2012-04-23 20:03:02 | 邦画ヒューマン
純に続き蛍まで

どうしてあなた達は
そんなに他人の事を考えない人に
なってしまったの


と、ドラマながらに非常にやるせない気持ちになり、
若干倉本 聰さんに文句を言いたくなってしまった


北の国から '95 秘密


けれどまあ、人生なんてそんなものかも
殊に子供に関しては
″~して欲しくない″と思えば思うほど
そっちの道に行くのかもしれません

そう考えると、これもまた教訓なのかもしれませんね

1994年秋。
黒板 純(吉岡 秀隆)は
1年前から市役所で
ごみ処理の仕事をしていた。

自衛隊を退官した
正吉君(中沢 佳仁)と一緒にアパートを借りて。

ここにあるほとんどは拾い物。
冷蔵庫から洗濯機、テレビと
まだ使えるものが捨てられるのだ。
僕たちは″山部山麓デパート″と呼んでいる。


一方、父さんの五郎(田中 邦衛)はというと
相変わらずだ。

街におりて一緒に暮らそうと言ってもきかず
1人で石の家に住んでいる。

ただし
僕のガールフレンドの小沼 シュウ(宮沢 りえ)を
いたく気に入り、
ちょっと幸せそうだ


そんなある日。
身に覚えのない電話が何度も掛かってきた。

実際に話を聞くと
(中嶋 朋子)は不倫し、札幌の病院も辞め
そこの上司と駆け落ちしたというのだ


ほ、ほたる
お前は一体何をやっているんだ。
皆に迷惑を掛けて…

80年代から時代を駆け抜けてきた
このドラマもついにハイビジョン放送

蛍のまさかの行為に複雑な思いがするSP第6弾です






離婚や浮気をしている親の子は
その子もまたする確率が高いそうですね。

単純にその事実に対しての
ハードルが低いからなのかなぁと思っていたけど
それだけじゃないのかも

逆に″そうしないで得る幸せ″を描けないのかも。


人は知らず知らず
イメージ出来る方を選択している気がするんですが、
子供の時、親の浮気現場を目撃した蛍には
平凡な家庭にある幸せが
イメージできなかったのかもしれません


しかも
今回は″最終的に別れる″と感じていながら、
自分の道を通すんだから、質【たち】が悪いよなぁ

好きで好きで抑え切れないという
若気の至りとも違うし


ちょっと同情しがたい展開に
初めて涙のない鑑賞になりました


純もさ~

何て器のちっさい男なの


自分のしてきた事は棚に上げて
他人を責める訳??


私は知っているのよ、あなたがトロ子にした事

皆も言っていたけど
長く生きていたら誰だって
人に触れられたくない過去があるものなのです。


それをストレートにぶちまけるのならまだしも、
ネチネチと…


いつからあなたは
そんな情けない人間になってしまったの
(あ、でも最初から結構ネチネチ言っていたような…)


しかもあんな煮え切らない態度をとっていて
卒業のダスティ・ホフマンの真似をするなんて

今回のあなたにはドン引きです



という訳で全体的に共感する部分が少なかった今作。
ネットでちらりと調べた所、
やはりあまり評価が良くなかったみたいです。

ドラマであっても人の道に外れるのは
反感を買うものなんですね


余談ですが、
蛍といい、蛍の母やこのみなど
このシリーズに出てくる女の人達は
皆"抜いている感"があるんですが、
昔の良い女の条件だったんでしょうか

それとも倉本さんの…

いずれにしろ今やったら引かれそうですね。
えっそんな事ない

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ポニーキャニオン


デクスター 5TH SEASON

2012-04-21 15:11:59 | 洋画クライムサスペンス・ミステリー
今まではクライムサスペンスでありながら
その主人公の人生の方が気になり、
″ヒューマンドラマ″っぽいと書いてきました。

ところが


今シーズンはその本来のサスペンス要素が
1番の関心事になり、
単純にこのジャンルとして見れば、
過去最高のシーズンだと思います




デクスター 5TH SEASON


ケーブルテレビSHOWTIMEで放送しているので
1話辺りがネットワーク(日本でいうところの地上波)より
少し長くて、50分弱。

しかも全12話だから、
内容がギュギュっと詰まっていて、濃密


ケーブルテレビとネットワークで放送されているものを
一緒に比べる事自体難しいんだけど
個人的には今、イチオシのクライムサスペンスかな~



前シーズン、自分と同類のシリアルキラーに
妻を殺されてしまった
デクスター・モーガンマイケル・C・ホール

彼女と出会い
初めて"失いたくない"という感情を知ったのに
皮肉にもその感情を深く実感する事に



そんな失意の中にいる彼を、
同じくマイアミメトロ警察に勤める
刑事ジョーイ・クイン(デズモンド・ハリントン)は
ひょんなことから疑います。

妹のデボラジェニファー・カーペンター)とは
男女関係になりつつあるのに



一方、デクスターが自分を取り戻すためにも
今まで通り
悪人を手にかけていると…


ついに現場を見られてしまうのです


彼女はルーメン・アン・ピアス(ジュリア・スタイルズ)
集団レイプ殺人の被害者で
彼が殺していた人物の仲間から逃げ出してきたところ。


彼の掟からすると
罪のない人は殺さない訳ですが、
自分が殺人犯だと知られてしまったのだから



証拠を一切残さない連続殺人鬼。
その正体は警察の鑑識という驚きの設定で人気を博し、
昨年のエミー賞にもノミネートされた第5弾です














ある程度シーズンを重ねてくると
視聴者はお約束を解ってくる。

このドラマに関して言えば
"デクスターの正体を知っている人は存在しない"
もっと正確に言うなら
"知ったら殺されるから、存在しなくなる"と。


つまり今までなら
ルーベンは確実に殺される存在。



ところが
そのお約束を外してくるんですよね~。


今回は"知っている人が存在する"という
新たな展開が繰り広げられたのです


これぞ第一線で活躍されているクリエイター。
見ている者を飽きさせません


しかも今シーズンはクインも彼を疑うし、
疑って雇った人物も彼を追い詰めていくのに、
デボラとは恋人になるからブレーキも掛かるし…


ハラハラ、ドキドキ、ふ~ぅ、ひょえ~と
二転三転する展開で
サスペンスの醍醐味をしっかり味わえます



もちろん従来通り
奇妙な親近感も味わえるし、
小ネタもあります。


デクスターの息子ハリソンが
初めて喋った言葉が
「BYE.BYE.」ではなく
「DIE.DIE.(死ね、死ね)」に聞こえるとかね



そうそう
#2"別れの時"でデクスターが
「HE'S CSI-ING ME.」なんて言ってたんだけど
すごいね

ドラマの影響で鑑識をCSIという様になったのは知っていたけど
動詞としても使えるんだ

CSI:の人気をこんなところからも伺い知る事ができます



ところでアメリカンドラマを見ていると
演技もうまくて格好いい人はきりがないほど出てくるので
あまりそれについては触れていないんだけど
クイン役デズモンド・ハリントン
あまりに格好よすぎ


最初は盗みを働くなど
人としてどうと思う事が多かったのですが、
"少しずつ心を入れ替えようと努力しているけど
不器用でそうも簡単にはうまくいかない"という
母性本能をくすぐるちょい悪を見事に演じていますよ


という訳で、目が❤❤になりながらも鑑賞できるこのドラマ
いよいよ来週4月24日からは新シーズンが始まります

ドラマの内容はもちろんだけど、彼を見られるのも楽しみです

リメイクではない、原作に忠実な西部劇

2012-04-20 13:24:40 | 西部劇
横に並んでいるカテゴリーを見て頂けたら
一目瞭然だと思うのですが、
私、″西部劇″は全く見ません


それは好きじゃないからというのではなく、
解らないから。


外国人からすると
″時代劇″が近いのかもしれませんが
その歴史を知らないと
面白さも半減するので、もう少し年を重ねてからでいいのかなと



それでもオスカー監督の作品だし、
有名なジョン・ウェイン主演のリメイクだし、
(リメイクと言われたくないと、あとで知った)
WOWOWでやっているし…と様々な条件が重なり
とりあえず見てみました




トゥルー・グリット



やっぱりまだ早かったみたい


ジョエル&イーサン・コーエンにとっては
今までの作品の興行収入を大幅に上回るヒットになり
第83回アカデミー賞では
作品賞を含む10部門にノミネートされました



1870年代のオクラハマ。
父を殺された14歳の少女
マティ・ロス(ヘイリー・スタインフェルド)は
仇を討とうと画策。

色々考えた結果、
元大泥棒で大酒呑みだけど
"トゥルー・グリッド(=真の勇気)"がある保安官

ルースター・コグバーン(ジェフ・ブリッジス)に頼む事に。



ところが小娘一人で仇討ちなど夢物語だと
一笑されてしまいます



それでも必死に食らいついてくる彼女に負け、引き受ける事にします。

同じ男を追っているテキサス州の法務執行官
ラビーフ(マッド・デイモン)の加わって。


果たして、14歳の少女の復讐は叶うのでしょうか



チャールズ・ポーティス「勇気ある追跡」の
原作に魅せられ、
オリジナルの脚本を作り上げたコーエン兄弟の西部劇です














最初にも書いたように
何もかも解らない事だらけだったので
素直に解説(キネマ旬報2011年3月上旬号特集)を読みました。



で、読んでもやっぱり知識不足だったので
今回はその中で気になったお話を。


先日アーティストを見たのもその理由の1つかもしれませんが
"映画のこれから"について。




この映画のマティの声がとてもクリアだった。

普通1人が喋っていても
色々な音が混ざっていますよね。
車が走っていたり、犬が吠えていたり。

ところがマティの声は
その周りの音がない。

同じ年のソーシャル・ネットワークもそうで
これは非常に映画では新しい事なんですって


そもそも映画はモノクロサイレントで
そこから音が付き、"語り"にこだわる様になった。
そして色が付き、3D…と
"見せる"時代になった。


じゃあ、この先は
映画自体が方向性を迫られている中で
"語り"に戻ったのが2010年だと。


"語り"という題材を扱ったのが英国王のスピーチであり
新しい"語り"を用いたのが
この作品やソーシャル・ネットワークだと言うんですね。


ここまでが本の内容なんですが…
それを踏まえると
つまり2011年はサイレントにまで戻っている

非常に興味深いと思うのは私だけでしょうか



世に送り出されてから120年が経とうとしている映画。
進むのか、戻るのか…
はたまたごちゃまぜの時代になるのか…
今は長い歴史からも見ても転換期なんですね。

一体これから今年はどんな映画が受け入れられるのか
アーティストの評価を受けて
サイレントが見直されるのか

数年後どんな映画が支持を得ているのか、全く想像つきません
あなたはつきますか

ブラザーズ&シスターズ シーズン5

2012-04-17 12:47:39 | 洋画ヒューマン
思い返せばこのドラマの登場人物はよく
結婚式をしていたなぁという気がします。

″結婚″というのは
新たな家族を作るという事

そういう意味では
非常にこのドラマらしい最終回だったのではないでしょうか

人にはなかなか打ち明けられない悩みを赤裸々に語ってくれて
自分だけじゃないんだと
励まされた方も多いでしょう。

そんなよくある出来事を
実力派俳優が涙や笑いと共に届けてくれたハートフルドラマのファイナルシーズン


ブラザーズ&シスターズ 5TH SEASON


急遽打ち切りになったのに、
ちゃんと終わる事も考えて作ってくれた事や
今までの数々の感動を考えて1つおまけ

本国では10~11年にかけてOA放送された全22話は
日本ではAXNで放送されました


前シーズン、交通事故にあい
大打撃を受けたウォーカー家

1年後…

次女キティ・マキャリスター(キャリスタ・フロックハート)の
ロバート(ロブ・ロウ)は生命維持装置につながれ、
末っ子ジャスティン(デイヴ・アナブル)は
反対を押し切り、再びイラクに行った事で、
レベッカ(エミリー・ヴァンキャンプ)とは離婚

さらにレベッカの母ホリー・ハーパー(パトリシア・ウェティグ)は
記憶障害を起こし、娘を認識できなくなってしまうのです

一方、セクシーなイタリア男の心を射止め、
ラブラブに暮らしている長女サラ(レイチェル・グリフィス)は
離婚の経験があるせいか、どうしても躊躇してしまう事が多く…

しかも娘は年頃で、何かとうまく躾できず…

次男ケヴィン(マシュー・リス)は
パートナースコッティ(ルーク・マクファーレン)との子供を持つため、
大金をつぎ込んできましたが
代理母が流産してしまい…

と、兄弟姉妹の数だけ悩みがあるウォーカー家

そんな家族をまとめる母ノラサリー・フィールド)が
ラジオの悩み相談役のDJに大抜擢


世の中にはよく転がっている問題も個人にとっては一大事
だからこそ大切な人と手を取り合い解決したいもの。

時には面倒臭くて、煩わしい。
だけどかけがえのない"家族"はやっぱり宝物だと
世知辛い時代だからこそその大切さを再認識できるハートフルドラマ。

通算100話を記念して、トミー(バルサザール・ゲティ)も復活
いよいよラストシーズンです





今シーズンは間違いなく、
スコッティとケヴィンが陰の主役ですね

この2人の話になった時だけ、急激に面白くなっていたんですよね~

他のシーズンでも書いてきましたが、
ケヴィン役のマシュー・リスはすごく演技派

特に養子を迎えようとしていた時、
それがうまくいかず、なんとスコッティの浮気が発覚

この浮気問題で2人が言い合うシーン。
他人事ながら、胸が痛くなりました

何とかこの問題を乗り越え、
本格的に養子を迎える為、
親が必要な子供たちと子供が欲しい親が触れ合う会に参加した時も

「交流会」とうたっても、結局の所ペットショップで犬を選ぶような感覚に
違和感を覚える2人。
当然、選ぶ事などできなかったのですが…

2人を選んでくれた子がいたのです
この一瞬でも胸が熱くなり、幸せな涙が流れました。


と書くと、2人だけが魅力の様に感じるかもしれませんが、
もちろんこのドラマは
ノラという温かい母親の存在があってこそ

今までどれだけ多くの人が
この小さな体に励まされ、支えられた事でしょう。

確かにドラマだけど
実生活にいかせるアドバイスは一杯あったんじゃないかな
私も育ててもらっているような気持ちで一杯でした。

特に今シーズンは、年を重ねてからの恋愛も悪くないなと。

彼女のラブシーンがあったんだけど、
60歳を過ぎてからのシーンに私、トキメイてしまったんです

これは他でもないサリー・フィールドの演技力なんでしょう。
年齢なんて関係なく、
人を好きになるのは素敵だと素直に思えました

誤解の無いように言うと、どんなに長年連れ添った夫婦も
同時に亡くなる事はほぼ不可能な訳です。

残された方はその後淋しく生きるより
再び大切な人が現れた方がいいという事。

こんな風に今まで思いを馳せなかった事を考えさせられたり、
悩んでいるのは自分だけじゃないと安心できたり、
単純に笑えたり…

ドラマに留まらず
すごく人生の糧になったドラマだと思いました

また年を重ねてから見ると
違った見方もできるんじゃないかとも

という訳で、ずっとお付き合いしたかったウォーカー家とも
これでお別れでとっても淋しいですが…

演技派マシューは「The Americans」という新しいドラマに
KGBのスパイ役で出演することが決まっているし、
ジャスティンの奥さん役エミリー・ヴァンキャンプが主演の
リベンジも相当面白いのでこれからはこちらを楽しむ事にしましょう

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ブラザーズ&シスターズ (BROTHERS AND SISTERS)

2012-04-17 10:19:21 | 索引
子育てだけして一生を終えてしまう~
な~んて思っていませんか


ミステリーやサスペンスが根強い人気を誇る中、
″等身大の家族″を描き、高い支持率を得ていたヒューマンドラマ


  


キャリスタ・フロックハート
アリー my Love以来、
4年振りのTV復帰でも話題にもなりました。


登場人物が多い分、
常に誰かに問題が起きていて、てんやわんやになりそうなのに、
1人1人の感情のひだに沿って丁寧に描かれているので、
共感できる部分がたくさんあります



ABCで06年に始まり、好評でしたが、
制作費の高騰や視聴率の低下で
今年放送されたシーズン5で終了


それでも、とっても感動的なドラマで
これを見ると素直に″家族っていいなぁ″と思えるし、
お母さんはきっと幸せになれるはず



日本ではAXNで来月から全109話リピートO.A.決定

3月に開局した無料の海外ドラマチャンネルDlifeでは
シーズン1がスタートしましたよ


1ST SEASON(06~07)全23話
2ND SEASON(07~08)全16話
3RD SEASON(08~09)全24話
4TH SEASON(09~10)全24話
5TH SEASON(10~11)全22話

ハリーズ・ロー 1ST SEASON

2012-04-15 15:11:38 | 洋画ヒューマン
人気の法廷ドラマは数あれど、
判決が出た時に、ここまでスカッとするのは少ないんじゃないかな。

1つ1つのエピソードが
まるで映画の判決シーンのように
心を晴れ渡らせてくれる社会派ドラマ。


アメリカンドラマにはお馴染みのデヴィッド・E・ケリー
プロデュースしている
現在も本国でシリーズ継続中の最新作


  

ハリーズ・ロー~裏通り法律事務所
            1ST SEASON





アリー my Loveのプロデューサーでもあり、
エミー賞ドラマ・コメディ両部門で
同時に受賞したのは今の所、この方しかいません


もちろん彼の十八番【おはこ】のリーガルもの。


「ミザリー」のオスカー女優である
主演のキャシー・ベイツ
TVにでるつもりはなかったけど、このドラマだから出演したと語っていますよ


本国では昨年放送された全12話を
日本ではWOWOWプライムでO.A.





特許が専門で、多額の報酬を得ていた弁護士
ハリーことハリエット・コーン(キャシー・ベイツ)

ところが、32年間務めた仕事に嫌気がさし、
自ら"クビ"になるよう仕向けます

その後、色々な偶然が重なり
オハイオ州の治安の悪い下町で
貧しい人を弁護する事に。


しかも突然押しかけてきた
若手弁護士アダム・ブランチ(ネイト・コードリー)と
靴にやたら詳しい
助手のジェナ・バックストローム(ブリタニー・スノウ)と一緒に
"ハリーズ・ロー&ファインシューズ"という名で



最初は"今まで一杯稼いできたのになにやってんだか…"と
自嘲気味の彼女でしたが、
その街ならではの依頼人と接しているうちに
様々な変化が訪れます。


長年のライバルだったナルシストな弁護士
トーマス・ジェファーソン(クリストファー・マクドナルド)とも…


アメリカでは現在シーズン2を放送中
元弁護士デヴィッド・E・ケリーが久しぶりにヒットを放った
リーガルドラマがついに日本に上陸です















きた~きましたよ
パイロット=#1"とんだ始まり"で
ウォンダ・シェパードの声が聞こえてきた瞬間、
テンションが上がりましたよ~


現在だったらもう少しクオリティが高いはずなのに
ちょっと、わざとらしいアリー my Loveをほうふつさせる
CG使いにも


と、ミーハー根性は一旦置いておいて。





このドラマの何が魅力か

それは"現実には無理な判決"かもしれません





現実社会では"理不尽"だと思っていても
多々受け入れなければならないですよね。


でも、やっぱり納得できない自分もいる…



#2"26ドルの奇跡"なんてまさに
その願望が叶った形ではないでしょうか。
強盗したのに無罪


#10″クズの英雄″だって同じく無罪だったんだけど

「推定無罪」を説くハリーには心打たれました




#4″正義の報酬″でも

太った人が通りでいつも食べたくなるような匂いを漂わせているからと
巨大なファーストフード店を訴えたんです。
そして800万ドルという多額の和解金を




このエピを見るまでは
「そんなバカな。単に自己管理ができていないだけじゃん。」と思っていましたが…



どうなんでしょう。
「確かに自分にも責任があるけど、企業にも少し責任がある。」というのは
理解できるかもしれない。


依存しやすいものとしては
ドラッグ、お酒、たばこ、ジャンクフード…など
沢山ありますが、
ドラッグは皆さん普通依存しませんよね

何故なら、″違法″だから。


その機会を国が規制しているからです。

けれど他のものはどうなんだろう…
ファーストフードに限って言えば、
食べ続けたら確実に体を壊し、依存する事が科学的に証明されているんだって

それなのに企業は広告を垂れ流し、莫大なお金を稼いでいる。


「自己責任」


この言葉で簡単に片付けられるのでしょうか

タバコだって一昔前と今なら、全く価値観が違うんじゃない
医学的に健康によくないと証明されてようやく規制されてきた。
けれどそれまでは…





他にも、勝つ事ばかりに重きを置く法曹界や、
一生懸命頑張っても、報われない現代社会などへの
物申し方がシニカルで、彼らしくて大好きです


本当、今って真面目に頑張っても
若者が活躍しにくい世の中なんですよね~。


もちろん、ちゃんと頑張って報われている人はいくらでもいるけど、
やっぱり夢が持ちづらいのは現実だと思う。


人を責めても始まらないけど、
若い世代の事を思うと、甘い汁を吸い続けている人は
いい加減、世代交代しなよ、
その古い価値観変えてよって思っちゃう。


そんな思いをこのドラマでは払拭してくれるから気分爽快
ストレス解消にもなるかもしれませんよ



そうそう、キャラとして一番個性的だったのは
ER-緊急救命室‐の嫌~なロマノ役でもお馴染み
ポール・マクレーンの検事役

このシーズンのエミー賞(第63回)
見事、最優秀ゲスト男優賞を受賞したんだけど
すごいの。
すごい狂った演技がすさまじいの

本来笑うべきところではないのかもしれないけど
あまりに狂いすぎてて、笑い転げてしまった。



デヴィッドはインタビューで
シリアスだけも撮れないし、コメディとしても撮れない。
両方の要素があってはじめて
自分らしいものが作れるんだと語っていましたが、
何だか、このシーンがそれを象徴している気がしました。

悲劇というのは角度を変えればコメディ。

この視点こそ、好きになっちゃう部分でしょうね


という訳で、このシーズンはちょっと少なめですが、
現在本国で放送中のシーズン2は全22話と多くなっているので
上陸を楽しみに待ちましょう

老兵は去って、若い人に席を譲るべき!?

2012-04-12 17:42:47 | 洋画ヒューマン
昨年は英国王のスピーチ
一昨年はハート・ロッカー

せっかく劇場に見に行ったのに…


これで面白くなかったら、
来年からもう見に行かない
若干、ケンカ腰で臨んでまいりました




アーティスト



今年度アカデミー賞作品賞受賞作。

受賞作でなければ違った評価だと思いますが、
あくまで受賞作としての評価です。


まあ、オスカーとった映画に
こんなレビューを載せる人はほとんどいないと思いますが
私は私なりに
もっと映画界が盛り上がって欲しい、
すそ野が広がって欲しいと思うからこそ
正直な感想を書きます。




時は1927年。

1927年と言えば
世界で初めて音声のある映画
「ジャズ・シンガー」がアメリカで公開された年。

映画界にも
そんな大きな革新が訪れつつある頃。


サイレント映画界の大スター
ジョージ・ヴァレンティン(ジョン・デュジャルダン)は
"トーキーなんてお遊び"で、"自分はアーティスト"だからと
あくまでサイレント映画にこだわります。

制作会社もこれからはトーキーだと
方向性が違えば決別しても
自費で撮り続けるなど、
時代の流れに必死で抵抗。



一方、ジョージに出会った当初は
エキストラでしかなかった
ペピー・ミラー(ベレニス・ペジョ)は
波に乗って一躍スターに


彼女が有名になればなるほど
ジョージは落ちぶれていき
妻にも去られ、
身の周りの物を売って生活していく日々…

このまま彼は映画界からいなくなってしまうの




本国フランスで開催されたカンヌ国際映画祭での評価だけでなく
今年のアカデミー賞でも5部門を受賞した
今では珍しいモノクロサイレント映画です
















これから書くことは
一映画好きの戯言だと思って読んでください

いつもそうだというツッコミはご遠慮ください



その前に。

あなたは"トーキー"という言葉をご存知でしょうか

そして「ジャズ・シンガー」の歴史的意味を
ご存知でしょうか




もちろん私より映画に詳しい方はごまんといる訳で
そういう方からすれば
「何言っちゃってんの、当たり前でしょ。」と言われそうですが、
若い方にとっては音が出るのこそ当たり前で
知らない人も多いんじゃないでしょうか


ためしに、うちの旦那に訊いてみました。



「知らね。」



う~~ん。

私からするといわゆる映画に関しては平均的な人間で、
(言葉使いに関してはかなり平均値を下回っている)
劇場に行っても、年に2、3本。
あとはWOWOWやDVD。
年は私と同じ30代半ば。


そういう人達が
最初に"1927年"と出てきた年代を見て
お~おとテンションが上がるんでしょうか



もちろん私はテンションが上がりましたし、
時代の波に置いてきぼりにされる葛藤を
見事に表現されていた
ジャン・デュジャルダンに共感したし、
過去のモノクロ作品も見たくなりましたよ。


受賞作でなければ
意外とよかったわ~~となったでしょう。




でも


アカデミー賞受賞作なんですよ



アカデミー賞ってお祭りじゃないんですか
どうしてこんな玄人っぽい作品なんでしょうか


本当にこれがお薦めだって、
アメリカで1番の作品だって言えるんでしょうか…


1年間に2本も劇場で見ない日本人に
少なくとも私は言えません



ハードルが高すぎです。


そもそも30代の私と60歳の人達
"面白い"と感じるものが同じな訳ないんです。


私はかの有名な「男はつらいよ」シリーズを
老後の楽しみにととっているくらいですから。

物には「ふさわしさ」が求められるんじゃないでしょうか。

知識や人生経験が豊富な分、
映画についても沢山教えて頂けることがあるでしょう。

なら、もっと
「一般の人が見て面白いと感じるか」という視点で
選んでは頂けないのでしょうか



もっと娯楽作を望みます。
もっとフラットな状態で楽しめる作品を望みます。


そしていつの日かまた
「やっぱりアカデミー賞受賞しているからね~~」と
言える日が来ることを切に願います


これが今回の作品を見ての感想です。



あ、ちなみにトーキーというのは
音声の出る映画の事ですね。

今でこそこの作品の様に出ない方が珍しいですが、
でない事が当たり前だったサイレント
対比しての言葉という事ですね。

その記念すべき第一作「ジャズ・シンガー」が
1927年に作られました。
日本では五所 平之助監督「マダムと女房」(31)
最初のトーキー映画です。