(1つ前の日記の続きです)
●8時30分 号砲
スタートロスは10秒くらいだった。
すぐに隣にいた岡山県の男性の姿が消えた。
私はキツい心拍数に持っていくのが怖く、でも意識的に遅く走る事も怖く、
しばらく流れに合わせて走ってみる事にした。
1kmくらい走ったら丸山弁護士の背中が見えた。
「丸山さん、ファイト」と声をかけたら「おう!」と拳をぶつけて挨拶を返してくれた。
2~3kmで左手に父の納骨堂がある。
「お父さん、今日はうまく走れないかもしれないけど、ここの土地を走らせてもらえる喜びの気持ちで一杯です。」
●5km地点 26分29秒
おぉ、すごく遅くはない。
そんなに突っ込んだつもりはなかったが、案外速かった。
●10km地点 51分42秒(LAP25分13秒)
去年は50分切っていたのを思い出した。
まさかたった2分遅れで通過出来ると思ってなかった。
約7.5km地点の「関門医療センター」は昨年なかった為目新しかった。
ここを折り返してしばらくすると、2kmくらい関門海峡を目の前にして走る。
海越しに左手に見えるのは北九州市門司区だ。
晴れて綺麗な風景だった。
昨年はタイムに固執し過ぎて風景を楽しんでいなかった為、
走りながら周りを良く見渡して、生まれ育った土地の風景を目に刻んだ。
晴れてくれたのはいいが、暑かった。
後から気温を聞いたら23度だったそうだ。
そりゃ暑いわ!
●15km地点 1時間17分56秒(LAP26分13秒)
信じられない。いい感じで進めているかもしれない。
「まぁ20kmまで平坦だし、地獄はこ・れ・か・ら♪」
昨年もあったので個人的に今年も期待していた
「応援のぼり」
昨年は走る前に海峡メッセで発見したが、今年は目に入らなかった。
ないのかな?とちょっと寂しかったが、レース中に沿道に立てられているのぼりを発見した。
16~17km辺りか、海峡メッセの裏側を走っている時だ。
すごいのぼりの数。
これらを小中学生が一生懸命作ってくれたかと思うと、それだけでうるうるしてくる。
「目指せ心の一等賞」
これにはやられた(>_<;)。。。
涙が出そうになり、呼吸が苦しくなった。
いかん、まだ泣くのは早い。
そう言えば昨年は涙を堪えながら突っ込んだゴール後、
息が出来なくて歩けなくなり、車椅子で運ばれたではないか。
2年連続同じ事にはならないように注意しよう(苦笑)。
彦根橋を通過し彦島に入った。
彦島の方の応援は熱かった。すごい人々だった。
大声援が嬉しくて手を振って「ありがとうございます」と言いながら走った。
するとまた応援の声が大きくなり、会話をしているような感覚になれた。
最高だ。沿道の方との一体感、こんな感覚は初めてだ。
笑顔で手を振りながら走り続けると、Qちゃんになったような気分だ。
応援のおばちゃんに「えくぼが可愛いよ~」と言われ、機嫌が5%上昇した。
彦島の大応援団を背にし、いよいよアップダウン開始の彦島トンネルに入った。
トンネル内は涼しくて気持ち良く走れた。
●20km地点 1時間43分50秒(LAP25分53秒)
●中間地点 1時間49分48秒(LAP5分58秒)
もし今回、サブフォーしたいならハーフを1時間50分で通過しなければと思っていた。
信じられない。走れている。
どうしてこんな走りが出来るのか不思議だ。
自分の悪くない走りに嬉しくなった。
もしこのままの感じで走らせてもらえるなら…
完全に諦めていた4時間切りを達成出来るかも知れない。
予想外の走りにウキウキしてきた私は、25km前後に私の応援者が待ってくれている事。
25.5km地点第9給水所に従兄弟がいる事を忘れかけ、24kmくらいで思い出した。
思い出してすぐ「みっちゃん!!」と聞こえてきた。
姉、甥、従姉妹、叔母、そして母がいた。
「ありがとう~」と言葉を返した。
元気良く走り抜ける姿を見せる事が出来た。
●25km地点 2時間10分35秒(LAP20分46秒)
ハーフでLAPを取ってしまったが、20~25kmは26分44秒だ。
22km前後に高低差が50mあるコース最大の難関場所と言われる
彦島大橋がある。
最初の難所を通過してあまりキツさを感じなかったので、38kmまで続くアップダウンへの自信が少し湧いてきた。
従兄弟は第9給水所の一番手前のテーブルに居た為、かなり手前で走りながら気付いた。
良かった会えて!ありがとう、ボランティアをしてくれて!
ここでも応援の力をもらった。
●30km地点 2時間37分44秒(LAP27分08秒)
今日は暑い!
給水所で水を飲んでも1km走ればすぐに喉が乾いてくる。
従兄弟がいたエイド以降、すべての給水所でスポーツドリンク1杯&水2杯くらい取った。
しかし、どうしたものか。
30km地点で160分以内は悪くない。
どうして今の自分にこんな事が出来るんだろう。
残り12kmを80分以内で走れば、4時間切れる…。
ところで、28.5km地点と、30.5km地点の
「平家太鼓」
かなり懐かしかった。子供の頃お祭りでよく聞いた。
「よっさよっさ~」「よっとえのえ~」♪♪♪♪♪
iPodで音楽を聞いていたら、太鼓の応援は聞こえなかっただろう。
今回は置いて来て本当に良かった。
約32km地点で再び家族の応援を受けた。
64歳の母が声を張り上げ、身を乗り出して「みっちゃ~~~ん!!」と。
これは嬉しかった!
母は昨年居なかったので、私が走る姿を見るのは初めてなのだ。
「良かった、ここまで元気に通過出来て。後はどうなってもいいぞ!」と思った。
順調にいけばサブフォー出来るかも知れないが、出来なかった時にショックを受けない心の準備を始めていた。
昨年35kmくらいで足が終わった事がかなりトラウマみたいだ。
約33km地点で、スタート後すぐに視界から消えていった岡山県の男性の姿をとらえた。
「ファイト!」と声をかけて抜いた。ちょっと悔しそうに見えた。
抜いたは良いけど、抜き返されないようにしよう。
●35km地点 3時間06分47秒(LAP29分02秒)
確か35km手前くらいだったと思う。
昨日、前日受付会場で会った課長とすれ違った。
見落とすことなく挨拶を交わせて本当に良かった。
課長に向けて「絶対完走!」と叫んだ。
課長は、昨年25kmくらいの関門で引っかかって完走出来なかったのだ。
今回ゴール出来たら、初完走である。
36.4km地点第13給水所でサビエルカンパーナ徹夜作業のパンを食べるのを楽しみにしていた。
ここまで補給は水分しか取っていない為、あんパン1つくらい食べた方がいいだろうと思った。
いざ取ろうとしたら、他にもドーナツやいろんなパンがあったようだ。
でも迷わずお目当てのあんパンだけ取った。
で、デカい・・・。
後から知ったが、店頭に置かれている正規品(140円)と同じ大きさ。
マラソン用は少し小ぶりに作ってくれても良かったんじゃ?
食べ終わったら飲もうと思っていた水を左手、あんパン右手。
と、走りながら食べるのに苦労した。
座ってゆっくりと味わって食べたかったのに、休憩する訳にもいかない。
35kmで3時間6分。
残りの7kmをキロ6分で走り切ったら、3時間50分切れるではないか。
そう言えば初めてサブフォー達成した時のタイムは3時間49分だった。
あの時は嬉しかった。
もう一度、あの喜びを感じたい。
やってみよう。頑張ってみよう。
ゴールが近付くにつれて、心が燃えてきた。
●40km地点 3時間35分54秒(LAP29分07秒)
昨年はアップダウンにやられて足が完全に終わってしまったが、今年はガクンと落ちるような事はなかった。
自分のイメージでは2回目の彦島大橋通過後、38kmくらいで足がボロボロになり、あとは落ちる一方かと予想していた。
春から夏にかけて登山に通っていたのが良かったのか。
構えていたほど高低差のキツさを感じず、ゴールまでの平坦な道へ入った。
40km通過時、号砲と共にスタートしている自分の腕時計の時間が正確であると確認した。
後14分以内に残りの2.195kmを走れば、50分切れる。
後は自信を持って腕時計を見ずにゴールまで突き進んだ。
この2kmで女性を1名、男性を30名くらい抜いた。
●42.195km地点 3時間47分37秒(LAP11分42秒)
ゴール!
よし!
周囲を気にせず思い切りガッツポーズをした。
まさか、こんな好タイムでフィニッシュ出来るなんて。
まさか、足が終わらずにラストスパートまでかけられるなんて。
信じられない・・・!
嬉しかった。
私には出来ないと思っていた事が出来た、しかも下関で!
去年より5分遅いだけではないか。
よくやった。頑張った。
涙があふれてきた。
体中全体で3時間47分の喜びを噛み締めた。
昨年は歩けなかった為、ボランティアの方に取ってきてもらった「完走証」
今回はすぐに自分の足で歩いて取りに行けた。
「完走証」を受け取った。
「完走」した証。
嬉しい。嬉しいぞ!
完走証を受け取ってこんなに感激したのは初めてだ(苦笑)。
完走しなければもらえない。
私は完走したんだ!
【記録】3時間47分37秒
(ネットタイム 3時間47分24秒)
【順位】
女子総合 43位/1120人エントリー中
登録女子の部 15位/35人エントリー中
(完走者の人数がまだ分かりません)
・・・・・・
ゴール後、荷物置き場に行った。
私は12時17分にゴールした事になるが、12時30分には姉に「迎えに来て」と電話した。
「あら?あんたもうゴールしたの?早くて13時頃とか言ってなかった?」
・・・、確かにそんな事言ったかも。
姉を待つ間に、参加賞の河豚汁をもらいに行った。
河豚汁がまだ残っている事に喜びを感じ、有難く頂いた。
ハセツネでは無料のトン汁があったそうだが、
私のゴールが遅過ぎてもう片付けられていてトン汁の影すらなかった。
トン汁より河豚汁の方がうまいはずだ!(笑)
そのトン汁は来年また食べに行くとして、故郷の味「河豚汁」を堪能した。