令和3年9月10日(金)
夏草や
兵共が
ゆめの跡
夏草の生い茂るこの地は、兵士たちが
夏草の生い茂るこの地は、兵士たちが
功名を夢見て戦った跡。
私も夢にその面影を感じて涙する
ばかりだ、
の意。
元禄二年(1688)の作。
「兵どもが夢・・・」・・・「が」を主格
元禄二年(1688)の作。
「兵どもが夢・・・」・・・「が」を主格
と見るのが一般的で、義経主従に限定する
か、藤原三代の栄華も含めるかは、
説が分かれる。
一方、「が」を所有格とみ、
一方、「が」を所有格とみ、
しばし微睡(まどろ)む夢に
義経たちが現れたとする説もあり。
ここでは、折衷的な解を試みた。
「三代の栄耀一睡の中にして」に始まる
ここでは、折衷的な解を試みた。
「三代の栄耀一睡の中にして」に始まる
紀行文では、義経の居館があった高館
からの景観を描き、
「義臣すぐって此城に籠り、功名一時の
叢(くさむら)となる。」の感慨を示した
主人公が涙を落としつつ詠む」
という設定。
栄枯盛衰の主題を示して、紀行中の
栄枯盛衰の主題を示して、紀行中の
白眉ともされる。
『猿蓑』では、若き芭蕉が仕え、
『猿蓑』では、若き芭蕉が仕え、
早世した蟬吟の作、大坂夏の陣で戦死した
祖父を追悼する
「大坂や見ぬ世の夏の五十年」と並置され、
これは遠き世の戦没者を懐古する
二句の構成と見られる。
◎ 『おくのほそ道』としてまとまった
◎ 『おくのほそ道』としてまとまった
「紀行」を論ずるのは、後にして、
先ずこの句に触れてみたい。
つづく。