令和3年10月26日(火)
草臥て
宿かる比や
藤の花
◎旅の道の困難さに疲れ切った芭蕉が、
◎旅の道の困難さに疲れ切った芭蕉が、
愚痴をこぼしているような文章と俳句。
自分が好んで行っている旅に
自分が好んで行っている旅に
疲れ果てた芭蕉は、
それでも藤を仲間に引き入れて俳句を詠んで、
じっと疲労を耐えて見せている。
たそがれ時の藤の花は頼りなさそうに
たそがれ時の藤の花は頼りなさそうに
見える。
「此や」の切れ字「や」は、嘆きの心を
「此や」の切れ字「や」は、嘆きの心を
示していて、「藤の花」を装飾している。
吉野にて花を見た後の満足が、
吉野にて花を見た後の満足が、
疲労と宿探しによって少し削られ、
さらにたそがれの色も定かでない藤によって
揶揄されている。