貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

人に飽きて・・・閉関之句

2021-09-21 12:13:47 | 日記
令和3年9月21日(火)
 蕣(あさがほ)や 
    昼は錠おろす 
         門の垣
 昼は錠を下ろす門の垣根に朝顔が咲いて、
人と会わない私を慰めてくれる、
の意。
 元禄六年(1693)の作。
 前書き「閉関の比(ころ)」。
「閉関」・・・門を閉じて来客を断つこと。
 芭蕉は、七月半ばから約一ヶ月間の閉関を断行し、
俳文「閉関之説」(芭蕉庵小文庫)では、
人の煩悩のやみがたいことを述べ、
「人来れば無用の弁有。
 出ては他の家業をさまたぐるもうし。
・・・五十年の頑夫自書。自禁戒となす」
と結んで、この句を提出。
 真蹟自画賛に、
「元禄癸(き)酉(ゆう) の秋、人に倦で閉関ス」
の前書き。
 甚暑に体長を崩した上、様々な人間関係に
疲弊していたらしい。が、それすら芭蕉の
文芸には一つの糧となるものであった。
『三冊子』では、字余りの句として引かれる。
つづく。