貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

皆 涼し!

2021-09-16 10:10:27 | 日記
令和3年9月16日(木)
此あたり 
  目に見ゆるものは 
      皆涼し
 この辺り一帯、目にみゆるものは
皆涼しげで、気持ちがよい、
の意。
 貞享五年(1688)の作。
 前書き「十八楼ノ記」。
 「十八楼ノ記」(本朝文選)は、
「みのゝ国ながら川に望んで水楼あり」に
始まる俳文で、美濃の鷗歩に招かれた折
の句文。
 文章に細かい模写があり、併せての
鑑賞が望まれる。
 ◎この句も同じ年代に成る。
 長良川には、有名な鵜飼とともに
水楼が多い。
 そこより見渡す景色の涼しげな様子に
ついては、芭蕉の散文の解説も見られる。
 水楼は風通しがよい。
 川の涼しげな流れがよい。
 遠い山々例えば稲葉山も見渡されて、
「みな涼し」とある。
 川岸の民家は竹林、夜の篝火、入り日、
撞き鐘、全て涼しげで、
夏景色を引き立てている。
 また同じ頃の作。つづく。