貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

荒れ模様の春雨の句

2021-09-02 11:01:08 | 日記
令和3年9月2日(木)
春雨や 
    蓑吹かえす 
             川柳
   雨が降り続く中、風に揺れる川辺の柳が
人の蓑にあたり、柳に吹き替えされて
いるようだ、
の意。
 年次不明、元禄年間の作。
 実際は、人も柳も風に吹かれているのを、
柳が人を吹き返すと言った点が趣向で、
荒れ模様の春雨を読んだのはかなり大胆。
 柳の揺れる様を、人に見立てたとする解
もある。
 ◎ しとしとと静かに降る春雨であるが、
 今日は風も強く、細く軽く下がっている春
の川柳が吹き煽られたかと見えて、
せわしない。
 川端の道を行く人も蓑を翻されて
舟を進めるのに苦労している。
 こんな強風はめったにないことだから、
むしろ珍しげに芭蕉は川柳や通行人や船頭を
眺めている。
 他人と話す余裕もなく、従って、人の声がなく、
風音だけが雨音に混じっている景色が珍しい。