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飴村行『粘膜兄弟』その2

2012-08-08 00:37:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。
 自宅に死体を運んだ麿太吉は、ヘモやんの提案で死体を豚に喰わせることにします。ヘモやんはフグリ豚の睾丸の液体から作ったというフグリ汁で、矢太吉の傷も治してしまいます。そして麿太吉は二人きりになった時に、ゆず子から愛の告白を受け失神しますが、目が覚めると、矢太吉にはゆず子とのことは秘密にしておくことにします。ゆず子は麿太吉のために氷を買いに行きますが、その間に憲兵がやって来て、双子に召集令状を渡して連行していくのでした。
 二人は初年兵として召集された時に受けた暴力から、下士官や将校に対する異様な怨念を抱いていました。面会に来たゆず子は、何としても生きて帰ってくれという手紙を秘かに麿太吉に渡し、ヘモやんは二人にフグリ汁と吉太郎神社のお守りを渡します。
 南方へ向かう船の上で、ひどい船酔いに会った矢太吉は、やけになってお守りを海に捨ててしまいます。麿太吉は、将校に虐められている少年・正夫を助け、彼の部屋に匿われますが、彼の父はゲリラに拷問を加えられて正気を失っている船の厨房員でした。麿太吉はゆず子の話をすると、正夫は結婚祝いとしてシガレットケースをくれるとともに、日本は戦争に負けると断言し、またこの船が南方のナムール行きだと教えてくれます。そうして二人が話していた時、乗っていた船が魚雷攻撃を受け、正夫は死んでしまいます。麿太吉は矢太吉と将校を倒して、彼の持っていた極秘文書を手に入れ、救命艇で脱出しようとしますが、そのボートに集まってきた兵隊たちに対し、矢太吉はボートにかけられた彼らの手を全て切断し、自分たちだけが脱出することに成功します。
 ナムールに着いた二人は、飛行場での塹壕掘りに従事させられ、澤田という将校に目をつけられ、彼の当番兵となります。二人は澤田について塹壕掘りの視察に行っていた時、ゲリラの大規模な襲撃を受け、二人はトラックでそこを逃げ出します。飛行場の外に停まっていた自動車の中には中尉の死体と瀕死の状態の中尉の愛人がいました。二人は順番に愛人を犯すことにし、麿太吉は無事にセックスを終えますが、矢太吉がことに及ぼうとすると黒助が現れ、その間に愛人は死んでしまいます。二人は他人になりすまして病院船で日本に帰る計画を立て、矢太吉は中尉の服と認識票を自分のものと交換します。麿太吉の分は夜になって飛行場に戻り、「奥崎」という兵隊の死体の認識票と交換しますが、飛行場を後にしようとした時、偵察に出ていた澤田とその当番兵のポン太に見つかってしまいます。その場で殺されそうになった二人でしたが、突然現れた巨大なムカデによって澤田は殺されて、その場でムカデに食べられ、ポン太も右手首を失い、そこから逃げ出した二人は助かります。
 港を目指して歩く二人は飢えにかられ、途中で見かけた小屋に寄って食べ物を得ようとしますが、そこでゲリラに捕まってしまいます。中尉の服と認識票を持ち、極秘書類まで持っていた矢太吉は、日本の作戦に対する質問を受け、それに答えられない矢太吉は拷問を受けることになります。ゲリラはその前に麿太吉を処刑すると言いますが、処刑の直前に、麿太吉の持っていたシガレットケースが二重底で、その中に香港の反日組織からの暗号文があるのを発見し、矢太吉の拷問の後に改めて麿太吉と話し合うことにします。矢太吉は目の6つの筋肉を切られた後、眼球を摘出されるという拷問を受け、右目を失いますが、その間に麿太吉は近くにあったノコギリで自分の左手の親指を切断して手錠を外し、自動小銃でゲリラたちを倒します。
 二人はフグリ汁で傷を癒した後、再び港に向けて出発しますが、途中で蜥蜴人の子供に会い、彼の案内で港に到着します。麿太吉はその子供を亀吉と名付け、日本に連れて帰ることにします。港に着いた二人は喜びますが、麿太吉は油断して崖を落ち、意識を失います。闇の中で吉太郎様と会った彼は、死の淵から甦り、三人は無事に病院船に乗り込み、日本に帰るのでした。(またまた明日へ続きます‥‥)

→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/

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