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飴村行『粘膜蜥蜴』その1

2012-08-03 05:48:00 | ノンジャンル
 羽仁進監督・脚本の'60年作品『不良少年』をスカパーの日本映画専門チャンネルで再見しました。銀座の真珠店で強盗を働き、特別少年院に入れられたチンピラ少年の殺伐とした日々をドキュメンタリーの手法で描いた作品で、2年前のトリュフォーの『大人は判ってくれない』やブレッソンの影響が見てとれる映画でした。

 さて、飴村行の'09年作品『粘膜蜥蜴』を読みました。
 大病院の院長である父・大蔵の絶大な権力を見せつけるため、息子の雪麻呂は同級生の堀川真樹夫と中沢大吉を自宅に呼びます。雪麻呂は地下の死体保管所を見せ、そこの当直である徳一が箱に嫁として女の死体を隠し持っているのを発見し、激怒しますが、暴力を振るってやった後、父の許可を得ているということで見逃してやります。その後、雪麻呂は気のふれた3人の兵士、つまり毒作りの専門家・若本、大日本軍神様から「イカリグマノタメ ワラベ タビダツモ ニイサマト ロウジントカゲノオカゲデ ブジキカンス」という電文を伝える通信士の笹谷、そして肉体の鍛練を行う熊田を紹介しますが、寝取られた妻の名を言うと泣き出すという熊田に、その妻の名を大吉に呼ばせると、興奮した熊田は大吉を殺してしまいます。雪麻呂は翌朝までに大吉の死体を解体することを真樹夫に命じ、それに従わなければ自分の拳銃で殺すと脅して、真樹夫と大吉の死体を薬品保管室に閉じ込めて去って行きます。
 一度は解体に取りかかる真樹夫でしたが、出征した兄・美樹夫の残した言葉を思い出して正気を取り戻すと、にわかに喉が乾き、棚にあった生理食塩水を飲むと、眠りに引き込まれます。夢の中に現れた兄に、今の自分の置かれた状況を訴えると、兄は大吉が生き返るから安心しろと言い、兄の隣には年老いた爬虫人が立っていました。目が覚めると夜が明けていて、目の前に雪麻呂が立っていましたが、真樹夫は大吉の死体を死体保管室のプールに沈めることを提案し、何とかそれを受け入れてもらいます。しかし雪麻呂は真樹夫が秘密をばらすかもしれないと言って、彼を射殺しようとしますが、その時、大吉が生き返り、それに驚いた雪麻呂は真樹夫を殺すことを諦め、大吉が途中から記憶を失っていたこともあって、これまでの事件をなかったことにします。
 南方のナムールに派遣されていた美樹夫は、反日ゲリラが横行する現地で、軍部と組んで阿片を栽培・密売するとともに、蜥蜴人の密輸入も手がけている間宮の護衛をする任務を命じられます。間宮が阿片畑を拡大しようとして蜥蜴人の村と衝突を起こし、阿片生産地との連絡が絶たれてしまっていたため、間宮が生産地の様子を見に行くためでした。蜥蜴人の間では、蜥蜴人を殺すと、掟によって死刑になることが長老によって定められていて、その死刑は執行人が行うことを、間宮は美樹夫に話します。道中で間宮はゲリラの拠点を見つけて、そこでヤシ酒を飲み出し、美樹夫の部下2人が危険なのですぐに拠点を去るように言っても、言うことを聞きません。そのうち、彼らはゲリラの襲撃を受け、美樹夫の部下1人が戦死します。襲撃してきたゲリラを何とか撃退した美樹夫らは、再び出発しますが、ゲリラの生き残りが仲間を引き連れてまた襲撃してくるに及び、美樹夫は部下のアドバイスにしたがってジャングルを横断することにします。間宮に水を一人占めされ、喉の乾きに苦しんだ彼らでしたが、部下の知恵で沼の水で乾きを癒した直後に、部下はミミズの怪物に殺されてしまいます。間宮と二人になった美樹夫は、ようやく阿片の生産地に着きますが、村は蜥蜴人によって虐殺させられていました。間宮は罠にかかった蜥蜴人のメスを見つけると、別の罠を見に美樹夫を行かせます。そこにはメスの子供と見られる蜥蜴人が罠にかかっていましたが、美樹夫はその子供のケガの手当てをしてやり、逃がします。間宮の元に戻ると、間宮は蜥蜴人のメスをレイプしている最中でした。メスは隙を見て間宮の指を噛み切り、逆上した間宮はその場でメスを射殺します。その音を聞いた蜥蜴人たちは、彼らに吹き矢を当て、二人は意識を失うのでした‥‥。(明日へ続きます)

→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/