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石井輝男監督『セクシー地帯』&フランシス・フォード・コッポラ監督『アウトサイダー』他

2016-12-12 05:19:00 | ノンジャンル
 今日は小津安二郎監督の生誕113年目にあたり、54回忌にもあたります。素晴らしい映画の数々を残してくれた小津監督に改めて感謝したいと思います。

 さて、石井輝男監督の’61年作品『セクシー地帯』をWOWOWシネマで見ました。女スリ(三原葉子)に上司から任されていた書類を盗まれた吉岡(吉田輝男)が、それをきっかけに、売春あっせん業をしている連中のことを知ることになり、そこで売春をしている女(池内淳子)などの協力を借りて、その斡旋業者をせん滅するという物語でした。オールロケに近く、白と黒のはっきりするハイキーな画調と、背景に常に流れているジャズはヌーヴェル・ヴァーグの影響を思わせました。
 また、フランシス・フォード・コッポラ監督の’83年作品『アウトサイダー』[ディレクターズ・カット版]もWOWOWシネマで見ました。仲間を助けようとして、敵の不良グループの1人を刺殺してしまった青年が、リーダー(マット・デイモン)の指示のもと、無人の教会に身をひそめますが、たまたまそこを離れた時に火事が発生し、2人は中に残されていた数人の子供を助けあげます。そのことで、1人はひどい火傷を負って死んでしまいますが、もう1人は免罪され、ラスト、敵の不良グループと味方の不良グループの全面的な戦争があり、そこでも勝った味方グループに明るい未来が開かれるといったストーリーで、わき役にトム・クルーズが出ていました。
 また、ロバート・ロッセン監督のデビュー作である’47年作品『ジョニー・オクロック』もWOWOWシネマで見ました。カジノのオーナー(ディック・パウエル)が、自分が相棒だと思っていた男に裏切られ、ギャンブラーを射殺した悪徳刑事ブレイデンを殺され、その現場にいたことでやはり殺された女性の姉と恋に落ちるという映画で、刑事役にリー・J・コッブが出ていました。
 また、リチャード・クワイン監督の’54年作品『殺人者はバッヂをつけていた』もWOWOWシネマで見ました。銀行強盗の2人組を捜すため、先に分かった1人の犯人の情婦(キム・ノヴァク、この映画がデビュー作)を見張る役目を上司(E・G・マーシャル)に命じられた刑事(フレッド・マクマレー)が、情婦に金を2人で分けて持ち逃げしようと持ちかけられ、彼女に一目惚れした刑事はそれを実行しますが、結局失敗してしまうというストーリーで、女の隣室に住む女性をドロシー・マローンが演じ、キム・ノヴァクの美しさが際立っていました。
 また、ロマン・ポランスキー監督・共同脚本の’13年作品『毛皮のヴィーナス』もWOWOWシネマで見ました。35人の女優のオーディションを終えて帰ろうとしていた、マゾッホの小説を脚色した演出家トマの許に、関係者も皆帰った時間に無名の女優アンナが飛びこんで来ます。19世紀の衣装を身につけ、トマを相手役に演技を始めたアンナは、トマを翻弄し始め、やがてアンナが演技を指導し始めます。新しいシーンを加え、討論しながら、また演技に戻る2人。トマの婚約者には「もう帰らない」と電話させたアンナは、やがて自分とトマの役を入れ替えて、トマを支配し始め、最後にはポールにトマを縛り付け、自分は全裸で毛皮を羽織って踊りながら、トマを残して去ります。登場人物が2人だけの実験的な映画でしたが、嵐の中、街路樹の中をカメラが縦移動する冒頭のシーンを超える画面には最後まで出会えませんでした。
 また、NHKプレミアムで、ヴィム・ヴェンダース監督、サム・シェパード共同脚本、ライ・クーダー音楽の’84年作品『パリ、テキサス』を久しぶりに再見しました。4年の放浪生活の後、弟夫婦の元に戻って来たトラビス(ハリー・ディーン・スタントン)が、7歳になる実の息子とともに、やはり4年前に失踪した母(ナターシャ・キンスキー)を探しに行くという物語で、テキサスの青い空はジョン・フォードを想起させ、シーンの終わりはフェイドアウトが用いられ、ライ・クーダーのギターの音に乗せて、静かに時間が流れて行く映画で、素晴らしい出来だと思いました。大人が子供を連れて人を探しに行くという点では『都会のアリス』と同じテーマであり、この映画でも自動車、列車、飛行機(そして会話の中には宇宙船まで!)と様々な乗り物が描かれていました。
 また、WOWOWシネマで、スタンリー・キューブリック監督・製作・共同脚本、アーサー・C・クラーク共同脚本の’68年作品『2001年宇宙の旅』も久しぶりに再見しました。CGを使わずにこれだけの画面を作るというのは驚嘆すべきものでしたし、不協和音が多用されていました。コンピュータのハルは明らかにゴダールの『アルファヴィル』へのオマージュ(いただき?)だとも思いました。

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