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マイケル・ムーア監督『シッコ』

2008-11-24 18:19:00 | ノンジャンル
 WOWOWで、マイケル・ムーア製作・監督・脚本の'07年作品「シッコ」を見ました。
 医療保険に入っていないため、足の傷を自分で縫い合わせる男性。指を切断した瞬間、医療費のことを考えたという男性。夫が心臓発作を3回繰り返し、妻がガンを患ったため、破産し、娘の家の物置き小屋に住むことになり、娘の夫から冷たくあしらわれる夫婦。医者が出す大量の薬の代金のために、79才でまだ働き続けている老人。給付金を出し渋る保険会社。保険会社の内情がいかにひどいかをメールで書き込みする多くの保険会社の従業員。給付金を払う可能性が少しでもある人は加入させない保険会社。大統領の夫のもとで、国民皆保険の制度を創設しようとするヒラリー・クリントン。それが社会主義に通じるとして反対する古参議員たちや医者たちは、レーガン元大統領の演説のレコードを聞くお茶会を全米で開きます。その結果、7年間皆保険の創立運動を封じられるヒラリー。その間、保険会社と製薬会社は空前の利益を計上し、ブッシュ大統領以下の数多くの議員へ献金し、高齢者の医療費が上がる法案が成立します。アメリカの保険と医療制度に愛想をつかし、カナダへ流れる人々を繋ぎ止めるようと、カナダの悪口を声高に叫ぶ保険会社のCM。カナダとイギリスの安価で充実した医療制度と、その起源と歴史。医療という点で、いかに米国の民主主義が踏みにじられているかの検証。フランスの平等で充実した医療制度と、パートにも与えられる長期の有給休暇を利用して安心して暮らす人々。民衆が真の力を持つフランス。ホームレスであふれるアメリカ。路を徘徊する入院患者と、医療費が払えず病院から路上に捨てられた入院患者。仲間を助けるために、慈善クジを売って治療費を捻出しようとする人々。9・11の救援活動でじん肺を患い、治療費で財産を失った女性救命士。医療費を払えなくなった9・11の救命士たちをヨットに乗せ、テロリストの収監されている、キューバに隣接するグアンタナモ基地に向かうマイケル・ムーア。彼らと医療制度の充実しているキューバを訪れるマイケル・ムーアと、改めてアメリカの医療制度のひどさを嘆き涙する元救命士。丁寧な診察を受け涙した後、キューバの救命士の人々と交流して友情を育む救命士たち。すべての人々は同じ船に乗っている同乗者であり、政治的な主義主張の違いなど些細なことにしかすぎないと主張するマイケル・ムーア。エンディング・タイトルの中で、いくつかの格言やメッセージが掲げられ、最後に「母に捧げる」の字幕で映画は終わります。
 何も言うべきことはありません。ドキュメンタリーとしても劇映画としても極めてすぐれた映画です。特に最後のマイケル・ムーアのメッセージは、多くの人に耳を傾けてほしいと思いました。文句無しにオススメです!

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