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西木正明『流木』

2008-11-23 15:17:46 | ノンジャンル
 西木正明さんの短編集「流木」を読みました。
 「流木」は、アラスカで川下りをしていて、浮気した元反戦運動家の日本人妻と子供を射殺して、それを熊のせいにして熊狩りを続ける男に出会う話。
 「三日月湖」は、母と自分を捨てた男にアラスカまで会いに行き、当時パイロットだった男が極秘でキッシンジャーを中国へ運び、無理矢理アメリカへ帰らされていたことを知るという話。
 「エサ」は、ベーリング海峡に面した家で、飢えたシロクマに襲われる話。
 「甲板員ヒロシ」は、アラスカで日本の漁船から失踪した甲板員が、ロシアのスパイの子供であり、父に会いに行ったことが分かるという話。
 「サハラの薔薇」は、サハラ砂漠で恋人となった男女が、ウラン鉱を奪い合うスパイ同志と知ってしまう話。
 「青い砂漠」は、サハラ砂漠に取材に行った日本人が、仲間との恋に破れたアメリカ人の娘と出会う話。
 「暴れ谷」は、好きな女性を脅している男を、鉄砲水で殺した結果、それは彼女とぐるの男性を助けるためだったという話。
 「焚火」は、死んだ妻の妹で、結婚を控える若い女と、フライフィッシングをした後、焚火で骨酒を作って飲み、セックスする中年男の話。
 「キー・ワード」は、死んだ大学の同級生の妻と、関係していた自分を殺そうとして、わざとザイルを切ったことを同級生が謝る話。
 「山窩の女」は、飛行機事故で夫を失い、夫の実家に子供も奪われた女が、子供を取り返すため、ダイヤの埋めこまれた夫の頭部を山中で探しているのに出会った話。
 「ファイナル・ストライク」は、妻と浮気していた同僚のピッチャーからデッドボールを受けて右手の感覚を失った元プロ野球選手が、二人の部屋に爆弾入りの球をピッチングマシーンで投げ入れ、復讐を遂げる話、です。
 どの話も今一つインパクトに欠け、面白くありませんでした。西木さんは、船戸与一さんや高野秀行さんと同じく、早大探検部の出身ですが、高野秀行さんの面白さに及ばないのは言うまでもなく、船戸さんの小説と比べても、船戸さんが舞台となる国の政治状況をすべて織り込んでいる点で、船戸さんの方が優れているのかなと思いました。色んな国(特に辺境の地)を舞台にした小説が好きな方にはオススメかも。

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