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ジム・ジャームッシュ監督『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』&青山真治監督『共喰い』他

2015-01-18 16:01:00 | ノンジャンル
 ジム・ジャームッシュ監督・脚本の’13年作品『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』をWOWOWシネマで見ました。何世紀も生きているミュージシャンの吸血鬼アダムと、その妻のイヴは、病院から血を買ってデトロイトで暮らしています。アダムはギターをコレクションしていて、吸血鬼ではないイアンに、必要なものを調達してもらっています。以前、人間の血を飲んで、その人間を殺してしまったイヴの妹のエヴァが突然訪ねてきて、また誘惑にかられて、イアンの血を飲み、イアンを殺してしまいます。エヴァを追い出し、イアンの死体を処分するアダムとイヴ。2人はタンジールに行き、イヴの先夫を訪ねますが、彼は病院で悪い血を飲まされ、死を迎えるところでした。絶望したアダムとイヴは、目の前でキスしている若いカップルを襲うことにします。そして吸血鬼の顔と化したイヴが、大きな口を開けて、カップルの男に襲いかかるところで映画は終わります。吸血鬼の話ということで、画面は常に暗く、彼らの生活が淡々と描かれ、ラストショットの凄さだけが印象に残りました。
 また、青山真治監督の’13年作品『共喰い』をWOWOWプライムで見ました。17歳の高校生の遠馬。父の前妻の仁子(田中裕子)は戦災で左手首の先を失っていましたが、魚をさばく仕事をしています。セックスの際殴る父は、妊娠中は暴力を控えましたが、出産後はまた殴りだしたので、仁子は家を出ます。1年前から家にいる琴子は父が酒場で口説いた女でしたが、やはりセックスの際に殴られます。父はアパートに住む円という女とも関係を持ち、やがて遠馬もその女と関係を持ちます。遠馬の恋人の千種が父に犯されるにおよび、仁子は遠馬の父を殺し、逮捕されます。遠馬は町を出る決心をし、琴子の許に身を寄せ、彼女と結ばれそうになりますが、琴子は「腹の子が動いた!」と言って、沙汰やみになります。遠馬が町に戻ると、仁子の仕事を千種が継いでいるのでした。夏の雰囲気が濃厚に感じられる映画でした。
 また、山根貞男さんが推薦していた豊田利晃監督が’02年に脚本も手がけた『青い春』をスカパーの日本映画専門チャンネルで見ました。男子校の不良高校生の群像劇で、屋上の柵の外に立ち、柵から手を離して何回手を叩けるかによって新しい番長に選ばれた九條(松田龍平)と小学生の時から友人だった青木が、新たな番長として九條に対抗し、最後には屋上のベランダで手を無数に叩いて落下し、死んでしまうという物語が一応語られますが、ストーリーらしいストーリーはなく、先輩面する同級生を刺殺する生徒とか、缶を咬ませて顔を踏み、歯を砕いた上、スプレーで目をつぶすとか、暴力的なシーンが満載で、突然重低音の音楽が流れ出すなど、不思議な味わいの映画でした。
 また、工藤栄一監督の’69年作品『五人の賞金稼ぎ』もスパカーの東映チャンネルで見ました。藩主(小池朝雄)の課す重い租税に耐えかねて、幕府に直訴し、その巡察使が来るまで砦に籠った村人たち。名主(嵐寛寿郎)は他の農民一揆でも活躍した賞金稼ぎのシコロ市衛兵(若山富三郎)を50両で雇い、市衛兵は仲間の“陽炎 伊賀流忍法者”と“鬼塚隼人 龍造寺龍棒手裏剣”、“望月弥太郎 新当流抜刀術”(大木実)を連れて、砦を訪れます。名主が直訴状を託して送った村人(天津敏)は藩に人質に取られて、殺されます。市衛兵は、もう1人の賞金稼ぎとともに、マシンガンを使って、一旦は藩の軍勢を撃退しますが、藩は明朝、猛攻撃をしかけると知らせてきます。それを前にして、名主は自ら直訴状を持って幕府に向かい、その囮として望月はライフルを持って敵前に現れますが、名主も望月も殺されます。最後には大砲を使った藩の軍勢に砦を壊され、白兵戦となり、市衛兵は藩主を殺すことに成功しますが、巡察使がやっと着いた頃に村に残っていたのは子供たちと数えるほどの大人だけでした。市衛兵は死んだ村人たちを手厚く葬るようにと50両を置いて、立ち去ります。名主の娘を土田早苗、淋病の侍を潮健児、村の女を輪姦しようとする侍を関山耕司、輪姦されそうになる女を沢淑子、藩主の家来を中谷一郎、藩の忍者の頭領を伊吹吾郎が演じ、俯瞰のシーン、闇の中の光のシーン、首や腕が斬り落とされ、血が噴き出す残酷なシーンが多く見られ、死屍累々のラストシーンで、主人公が「政治は何をやっているんだ」と叫ぶ場面では’69年に製作された時代背景が忍ばれる気がしました。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/

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