おとといの日曜日、“おぎの9条の会”主催のアーサー・ビナードさんの講演会“三人寄れば『もんじゅ』を止める知恵”に、同僚の紹介で母と行ってきました。
まず、現在総選挙中ということで、先日行われたアメリカでの大統領選挙について。“核のない世界をめざす”と言っていながら、核実験を4回も行なったオバマで、軍産複合体は全く問題なかったのですが、国民がどれだけバカかを試すため(ビナードさんは“大気中原爆実験”をひねって“大衆バカ実験”と呼んでいました)、あえてロムニーを対抗馬として立てたのだそうです。つまり、モルモン教徒であり、生まれた時から労働をしたことがなく、莫大な資金をバックに企業買収をし、アメリカ国内の労働者をリストラの名のもとに失業させ、生産拠点を中国などに移し、業績がある程度上がって買った時よりも高く売れるようになると、その企業を売却するという、金もうけをくり返してきたロムニーは、本来なら1パーセントの支持率しか得られないような候補でしたが、広島の原爆の容器を作ったことでも知られる軍産複合体の1つ、ゼネラル・エレクトリックの傘下の全国テレビネットークNBCが大々的にロムニーを売り込んで、どこまでオバマに迫れるかを試してみた、ということなのだそうです。
そして現在の総選挙。前々回の総選挙は“郵政民営化”、前回は“政権交代”とシングル・イシューで争った選挙であり、そのテーマをマスコミが打ち出した段階で、もう結果は出ていたのだと、ビナードさんは言います。それに対し、今回の選挙はテーマを“反原発”にしてしまうと、核にもエネルギー問題にもつながってしまい、他の政策にも影響が出て、中央と地方、経団連と労働組合といった力関係が逆転しかねない事態にもなるため、あえて、“多党乱立”という、有権者が投票する気をなくすような状態を作り出し、突っ込んだ議論をさせないようにした、というのがビナードさんの見方でした。(その典型例としてNHKの討論番組を出していました。1つの論点について多くの党に表面的な持論を紹介させただけで、すぐに次の論点に移るという、まったく中身のない内容の番組になっているのだそうです。)
そして、テレビに言及したことで、“情報”と“広告(PR)”の区別がしにくい状態になっていることが指摘されました。テレビは情報源としては全く役に立たず、視聴者がどう騙されているのか、PRがどう行われているのかを知るよすがにしかならないのだそうです。そして投票する際、自分の票が“死に票”になることを心配する必要はなく、逆に、死に票を考えて投票することは、結局、私たちがマスコミによる“広告”に負けることを意味し、本当に勝ってほしい党を負けに追いやることになる、とビナードさんは力説されていました。
そして、ここからようやく原発の話になります。1942年12月2日、フェルミは原子炉で初のプルトニウムの生産に成功します。プルトニウムはプルトニウム型原子爆弾を作るために必要なものであり、これは天然で唯一放射能を出す鉱物・ウラン235を濃縮して作るウラン型原子爆弾より、ずっと大きな破壊力を持つものです。
まず、ウラン型原子爆弾の説明から。自然界で唯一放射能を出す鉱物であるウランは、99パーセント以上が放射能を出さないウラン238からできていて、放射能を出すウラン235は1パーセント未満であり、したがってウランの原石は通常ではウラン235の濃度が薄すぎて使い物になりません。そこでウランの原石では1パーセント未満しかないウラン235をまず濃縮していって、濃いウラン235の固まりを作ります。そこに中性子を当てると、中性子が当たったウラン235は割れて、様々な放射性物質を作るとともに、2個以上の中性子を放出し、そうして放出された中性子が、また周りのウラン235にぶつかって、それを割る、ということをくり返し、その度ごとに発するエネルギーが合わさって、巨大な熱を生じるというのが、ウラン型原子爆弾の仕組みです。これはプルトニウムを作る上で2個作られ、1つは1945年7月16日にメキシコでの実験で使われ(その結果、ニューメキシコ州の人々は被爆しました)、もう1つは広島で使われました。(明日へ続きます‥‥)
→Nature LIfe(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
まず、現在総選挙中ということで、先日行われたアメリカでの大統領選挙について。“核のない世界をめざす”と言っていながら、核実験を4回も行なったオバマで、軍産複合体は全く問題なかったのですが、国民がどれだけバカかを試すため(ビナードさんは“大気中原爆実験”をひねって“大衆バカ実験”と呼んでいました)、あえてロムニーを対抗馬として立てたのだそうです。つまり、モルモン教徒であり、生まれた時から労働をしたことがなく、莫大な資金をバックに企業買収をし、アメリカ国内の労働者をリストラの名のもとに失業させ、生産拠点を中国などに移し、業績がある程度上がって買った時よりも高く売れるようになると、その企業を売却するという、金もうけをくり返してきたロムニーは、本来なら1パーセントの支持率しか得られないような候補でしたが、広島の原爆の容器を作ったことでも知られる軍産複合体の1つ、ゼネラル・エレクトリックの傘下の全国テレビネットークNBCが大々的にロムニーを売り込んで、どこまでオバマに迫れるかを試してみた、ということなのだそうです。
そして現在の総選挙。前々回の総選挙は“郵政民営化”、前回は“政権交代”とシングル・イシューで争った選挙であり、そのテーマをマスコミが打ち出した段階で、もう結果は出ていたのだと、ビナードさんは言います。それに対し、今回の選挙はテーマを“反原発”にしてしまうと、核にもエネルギー問題にもつながってしまい、他の政策にも影響が出て、中央と地方、経団連と労働組合といった力関係が逆転しかねない事態にもなるため、あえて、“多党乱立”という、有権者が投票する気をなくすような状態を作り出し、突っ込んだ議論をさせないようにした、というのがビナードさんの見方でした。(その典型例としてNHKの討論番組を出していました。1つの論点について多くの党に表面的な持論を紹介させただけで、すぐに次の論点に移るという、まったく中身のない内容の番組になっているのだそうです。)
そして、テレビに言及したことで、“情報”と“広告(PR)”の区別がしにくい状態になっていることが指摘されました。テレビは情報源としては全く役に立たず、視聴者がどう騙されているのか、PRがどう行われているのかを知るよすがにしかならないのだそうです。そして投票する際、自分の票が“死に票”になることを心配する必要はなく、逆に、死に票を考えて投票することは、結局、私たちがマスコミによる“広告”に負けることを意味し、本当に勝ってほしい党を負けに追いやることになる、とビナードさんは力説されていました。
そして、ここからようやく原発の話になります。1942年12月2日、フェルミは原子炉で初のプルトニウムの生産に成功します。プルトニウムはプルトニウム型原子爆弾を作るために必要なものであり、これは天然で唯一放射能を出す鉱物・ウラン235を濃縮して作るウラン型原子爆弾より、ずっと大きな破壊力を持つものです。
まず、ウラン型原子爆弾の説明から。自然界で唯一放射能を出す鉱物であるウランは、99パーセント以上が放射能を出さないウラン238からできていて、放射能を出すウラン235は1パーセント未満であり、したがってウランの原石は通常ではウラン235の濃度が薄すぎて使い物になりません。そこでウランの原石では1パーセント未満しかないウラン235をまず濃縮していって、濃いウラン235の固まりを作ります。そこに中性子を当てると、中性子が当たったウラン235は割れて、様々な放射性物質を作るとともに、2個以上の中性子を放出し、そうして放出された中性子が、また周りのウラン235にぶつかって、それを割る、ということをくり返し、その度ごとに発するエネルギーが合わさって、巨大な熱を生じるというのが、ウラン型原子爆弾の仕組みです。これはプルトニウムを作る上で2個作られ、1つは1945年7月16日にメキシコでの実験で使われ(その結果、ニューメキシコ州の人々は被爆しました)、もう1つは広島で使われました。(明日へ続きます‥‥)
→Nature LIfe(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)