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鈴木則文監督『関東テキ家 天王寺の決斗』その2

2012-12-04 06:32:00 | ノンジャンル
 先日入会した、“かながわトラストみどり財団”から送られて来た「かながわのナショナル・トラスト25周年記念」と題されたパンフレットの巻頭に、養老孟司さんと岸由二さんの対談が載っていました。岸先生とは「鶴見川の源流を探る」というイベントでご一緒させていただき、養老さんは先日行われた川のシンポジウムで講演を聞かせていただいたのですが、お二人とも農業、林業など、“地べたをいじる”活動への一般市民の参加を呼びかけてらっしゃり、岸さんに至っては、綱島の早渕川と鶴見川の合流点を昔のように緑がいっぱいある感動的な水辺に戻すことに、“人生をちょっとかけている”とおっしゃっていました。カワラノギク復活運動への参加を先日決意した私にとっても、他人事とは思えない、そんな対談でした。

 さて、昨日の続きです。
 ブルドーザーによって破壊される長屋。逃げまどうサヨコ。長屋が壊されるのをにんまりと笑って見つめる東条と黒船。サヨコは兄の田丸が助けに現れた時には、既に倒された長屋の下敷きとなって死んでしまっていました。家を壊されたテキ屋の人々は、話が違うとおろくに抗議し、おろくも黒船に抗議しますが、黒船は法律に乗っ取っていると言って開き直り、おろくらの話を聞こうともしません。長屋跡に建てられるビルが役所に届けられたものとは違う風俗ビルであることを証明する青写真を持って現れた哲也は、その場で黒船の手下に撃たれます。自分を撃った男を哲也がナイフで刺したことをもって、正当防衛だと主張する黒船。哲也は血染めの青写真をおろくに託して、息絶えます。
 帰宅した夏子は、家で白い布を顔に被され横たわる哲也の姿を見て、泣き崩れます。それをじっと見つめる国分。国分がその場を去ろうとすると、おろくは明日のテキ屋の総会で東条と黒船に対して自分が落とし前をつけると言って、国分を止めます。その夜、横たわる哲也に泣いて謝るおろく。
 翌日、テキ屋の総会で、東条はおろくがビルの建設を妨害して死人まで出していることを非難し、証人として黒船にも発言させます。一旦はおろくを除名する方向で総会の意見がまとまりそうになりますが、議長が一応おろくの言い分も聞こうと言い出すと、おろくは正直に事実を話し、血染めの青写真も取り出して訴えます。黒船が役所に陳情すれば十何年も時間がかかるだけだとうそぶくと、おろくは前に進み出て、どうしてもビルを建てるというのなら、自分を斬り殺してからやれと言います。他の長元衆もおろくの味方となり、不利となった東条は黒船ともにその場を去ります。
 帰途、おろくと宮村は黒船の手下に襲われ、宮村は大ケガを負い、おろくは「三輪会の長元はもう自分で終わりにする」と言って、夏子と国分に手を握られながら、息を引き取ります。泣き崩れる夏子。しばらくして夏子は三輪会の長元を継ぐ決心をしますが、国分は止め、1人、黒船の事務所へ斬り込みに出ます。背広姿の黒船の手下たちを次々と斬り殺していく国分。やがて田丸も妹の仇と言って、国分に加わります。東条に腹を刺されながらも、返り討ちにする国分。田丸は黒船の撃った拳銃の弾が首に当たって倒れ、国分も後ろから黒船の手下(潮路章)に背中を刺されますが、最後には弾切れとなった黒船との一騎討ちとなり、黒船が斬りかかった日本刀の刃を手で握った国分は、ドスで黒船の体を深々と刺し貫くと、黒船は長い叫び声を上げながら倒れていきます。国分の腕の中で死んでいく田丸。満身創痍の国分が、ふらふらしながら道を歩いていく姿をカメラがとらえて、映画は終わります。

 マキノ雅弘監督の直弟子だけあって、アップ、バスト、全身、遠景のショットが小気味良く繋がれ、それぞれのショットも遠近法をうまく使った見事な構図に収まっているものが多く見られました。キャストの豪華さも特筆すべき映画だったと思います。

 →Nature LIfe(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto