まてぃの徒然映画+雑記

中華系アジア映画が好きで、映画の感想メインです。
たまにライヴや本の感想、中小企業診断士活動もアップします。

ジェリー・フィッシュ

2013-11-22 23:16:36 | 日本映画(あ~な行)

夕紀(大谷澪)は、遠足で水族館のクラゲの水槽の前で佇んでいたとき、クラスの人気者、叶子(花井瑠美)からふいにキスをされる。

クラスで浮き気味な夕紀は、叶子と一緒に帰る途中、バス停で2人いちゃつくようになり何度もキスを重ねる。叶子が彼氏とセックスしたり夕紀にもバイト先で店長を交えた修羅場に遭遇したりというトラブルを経て、2人はお互いに全てをさらけ出して結ばれるが。。。

高校生という、ある種無垢で真っ直ぐな年頃の主人公2人の、現実から少し浮遊している儚さやか細い感じが印象的です。若さゆえなのか、自分の心のおもむくままに行動しながら、その心は誰かを常に求めている、そんな危うさが伝わってきます。ただちょっと叶子と彼氏の絡みのシーンが意味なく過剰だったなと。

竹中直人や秋本奈緒美、奥菜恵といった脇役が豪華なのは、金子修介監督のネームバリューでしょうか。ガレッジセールの川田もレンタルビデオ屋の店長役でいい味出してました。

叶子が簡単に彼氏とセックスしたり、部屋が散らかっていて汚部屋一歩手前だったり、夕紀が怒るとすぐに「ごめん」と謝ったりするのは、人に受け入れられることが自分の存在理由の唯一の確認手段で、承認を失うことを極度に恐れて相手が気持ちいいと思うだろうことを過剰に行う一方で、自分自身のことはあまり気にかけていないような感じです。自分のことを長い目で考えず、その時その時の刹那を生きている感じは、気持ちいいからと夕紀と首を絞めあって落ちていくシーンが象徴しています。

夕紀と叶子は、お互いに相手の中に自分にないものを見つけたからこそ惹かれあったのでしょう。しかし、大学進学で(恐らく)夕紀が地元を離れると、叶子の人を求めずにいられない心は、空隙を埋める相手を即座に探したのでしょう。

ラストシーン、今の彼女(?)とデートしている夕紀とすれ違う、妊娠して旦那連れの叶子が浮かべた笑みは、かつて自分がつきあっていた頃と変わらない夕紀への羨ましさなのか、それとも自分の居場所を今は確保している、という安心感なのでしょうか。

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